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利潤の求め方!公務員試験のミクロ経済の問題にチャレンジ

企業は商売で利潤を得るため、日々生産活動に取り組まなければなりません。しかし、生産活動にも一定のコストがかかります。出費を無視してしまうと、深刻な赤字を招くかもしれません。

こうした事態を防ぐべく、生産量と費用の関係を示したグラフが生まれました。このグラフを費用関数と呼びます。

ここでは、費用関数や数式を使った利潤の求め方について解説しましょう。

また、費用にもさまざまな種類があります。各種類を表した曲線についても取り上げます。

ミクロ経済学の基礎となるため、公務員試験を受けられる方はしっかりと押さえましょう。下記の記事で利潤の意味も詳しく解説しているため、あわせてご覧ください。

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◆この記事でわかること◆
・グラフを使った利潤最大化の求め方
・利潤を求める際の計算方法

 

利潤とミクロ経済学

ミクロ経済学では、個人や企業といった狭い規模の経済活動を分析します。以前、大きく分けて3つの視点がある旨を解説しました。

利潤とは企業の出した利益を指す経済用語です。

企業が商品を販売するためには、工場などで生産活動を行わなければなりません。

売上を出せればいいものの、商品が売れなかったらコストばかりがかかってしまいます。

赤字経営が続けば、いずれ倒産の危機に陥るかもしれません。企業側はその状態を防ぐ努力が重要です。

ミクロ経済学での利潤の求め方は、生産活動をする上での基本的な考え方になります。

公務員試験の受験予定者の中には、少なからず転職を考えている方もいると思います。

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利潤の求め方

まずは、今回のテーマである利潤の求め方を紹介します。費用曲線の各種類については後述します。ここでは、利潤を求める方法を押さえてください。

利潤=総収入−総費用

利潤とは、次の計算で求められる概念でした。

利潤=総収入−総費用

簡単に説明すると、企業が得られる利益のことです。企業が多くの利益を得るには、生産量も増やさなければなりません。

しかし、生産を上げるとコストもその分かかります。

そこで、基準のひとつとなるのが限界収入でした。こちらの詳しい内容については、以下の記事をご覧ください。

 




利潤と利益の違いって何だろう?




基本的には同じと考えていいよ!
「利潤」は利益を経済学用語に言い換えたものと捉えてOK!

 

利潤最大化をグラフで求める

利潤最大化は、各費用曲線から求められます。計算問題と比べると、複雑な要素はそこまでありません。次の図を見てください。

利潤最大化を各費用曲線から求める方法を示した図

費用曲線は、基本的に3本のグラフを用いて描かれます。グラフがなぜこのように描かれるかは、以下の記事にあります。

費用曲線の基礎的な内容になるので、あわせて読んでください。

完全競争市場を想定する

完全競争市場は、需要と供給が必ず一致する市場でした。企業が勝手に価格を決められず、企業側の生産量と国民のニーズで値段が決定します。詳しい内容がこちらです。

公務員試験の問題は、完全競争市場をモデルに出すのが基本です。まずは、基本的な内容からしっかりと勉強しましょう。

完全競争市場では「P=MC」が成立します。利潤を求めるときは、こちらの概念を使います。

収入と費用の関係を把握する

利潤を求める式は収入−費用です。この関係性をグラフから見つけましょう。

収入は「費用×生産量」で求められます。仮にP0が費用としましょう。

完全競争市場では「P=MC」が成り立ちます。そのため、P0から横に線を引き、MCとぶつかるところにチェックを入れてください。

完全競争市場における収入の範囲を示している図

このときの横軸が生産量です。つまり、P0軸からMCにぶつかるまでを描いた長方形が収入にあたります。

次に費用を求めましょう。総費用の計算式は「平均費用✕生産量」です。

生産量は先程のY0を使い、そこから上に線を引きながらACにぶつかる箇所をチェックしてください。

すると、収入を表した図の中にもうひとつ長方形ができるはずです。

収入を表した図の中に費用を示す長方形が描かれたグラフ

この範囲が費用となります。

「収入−費用」で利潤を計算

最後に図形から利潤を求めます。求め方は単純で収入から費用を引いた際に残った部分を答えるだけです。

収入を表した図の中に費用を示す長方形が描かれたグラフ

この図では「P0✕Y0(収入)」から「P1✕Y0(費用)」を除きます。

すると青色の部分が残るはずです。

収入から費用を差し引いて利潤を求めた図

この長方形が利潤となります。




完全競争市場は「P=MC」
総費用は「AC✕生産量」
どちらも覚えよう!

 

利潤の計算問題

利潤の求め方に関する問題には、数字だけで計算するパターンもあります。

とはいえ、コツさえ掴んでしまえば内容はそこまで難しくありません。

平均費用の求め方を押さえつつ、どのように利潤を出すかを押さえましょう。問題文はコチラです。

利潤の計算問題にかかる例題を示した図

まずは自分で解いてみて、その後に解説を参考にしてください。

完全市場競争はP=MC

完全競争市場であれば、
P=MCの関係が成り立つと上述しました。

まずは、問題文の平均費用曲線から限界費用曲線を求めてみましょう。

計算するときは、ACをTC(総費用曲線)に直す必要があります。

TC=AC✕Y(生産量)を使えば問題なく求められるはずです。すると、以下のように式が作れました。

ACY^{2}−3Y+48

TCAC×Y

TCY^{3}−3Y^{2}+48Y

次にTCからMCを求めてください。ミクロ経済学で「限界」とあったら、迷わず微分すると押さえてもらって問題ありません。

TCを微分して「MC=P」の形にすると以下のように式ができました。計算すれば、生産量(Y)が求められるはずです。

MC3Y^{2}−6Y+48
3Y^{2}−6Y+48120
3Y^{2}−6Y−720
3(Y−2Y−24)0
3(Y−8)(Y+6)0

Y=8 , −6

あとは利潤を求める計算に移ってください。

「利潤=収入−費用」を使う

利潤の計算式は
「利潤=収入−費用」です。

収入は「生産量✕価格」で求められます。計算して求めた生産量Yと問題にあるPをかけ算してください。

8(生産量)✕120(価格)=960

費用を求める際には総費用が使われます。「TC=」の式に求めた生産量8を代入するだけです。

とはいえ、計算は少しややこしくなります。試験で出題された場合、計算ミスは防いでください。

利潤=収入−費用
利潤=(8×120)−(8^{3}−3×8^{2}+48×8)
  =960−(516−192+384)
  =960−708

利潤=252

上記の計算をすると、最終的な利潤は252と求められます。




「利潤=収入−費用」
感覚だと分かるけど、計算問題になると混乱しちゃうかも…




「MC=P」「AC✕生産量」とよく使われる公式を押さえると慣れてくるよ!
何度も練習問題を解いてみよう

 

まとめ

今回はミクロ経済学で出題される利潤の求め方を解説しました。生産者視点のミクロ経済学を学ぶ上で必要な分野です。

まずは、利潤を図からどのように求めるかを押さえてください。完全競争市場の特徴から当てはめていくのがコツです。

また費用曲線の具体的な仕組みも解説しました。ただし、公務員試験を解くには公式さえ押さえておけば、地方上級レベルなら対応できます。

試験用には必要な知識だけ習得し、興味のある方は深堀りしてください。