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差別価格が設定される条件とは?独占企業について考えよう

どーも、ヤマトノです!

今回も公務員試験のミクロ経済学から、不完全競争市場の内容を勉強します。

この記事で取り上げる内容は、差別価格についてです。

公務員試験では、差別価格の計算問題が出題されることもあります。

ただし、いきなり専門用語を出されても、イメージが湧かない人もいるかもしれません。

この記事を読み、差別価格の条件と計算方法を押さえてください。

 

差別価格とは?

まずは、差別価格の簡単な内容を紹介しましょう。

差別価格とは、特定の状況や人物を区別して設定された価格のことです。

具体例として、カラオケの料金体系が挙げられます。

皆さんが大学生の場合、カラオケで遊ぶ際には学生証を見せるはずです。そうすれば、学生用の料金が適用されます。

世の中のさまざまなお店で、差別価格が採用されています。我々の生活において、意外と身近にある概念なのです。

 

差別価格の条件

次に、学問として差別価格を見ていきます。ここで押さえてほしいのが、差別価格が設定されるときの条件です。

ここでは、財が2つあると想定しながら解説します。

計算問題を解く上でのキーポイントにもなるため、自分なりに整理してください。

MR=MCの式を取る

差別価格の設定において、ミクロ経済学では基本的に独占企業を想定します。

独占企業とは、市場の動向にかかわらず価格を自由に設定できる企業のことです。

企業は誰にも邪魔される価格を決められるため、普通は最大限の利益を得るように設定します。

ここで不完全市場の利潤最大化の条件である、MR=MCの概念が現れます。完全市場との違いをしっかりと押さえてください。

ミクロ経済学は、2つの財を設定するのが基本です。そのため、MR=MCの式も2種類つくります。

  •  MR_{1}=MC
  •  MR_{2}=MC

実際に問題では財が2つあることは示されるため、すぐに式を作れるようにしましょう。

需要の価格弾力性と独占企業

差別価格と直接的に関わる話ではありませんが、自由に価格を決められる独占企業について重要なポイントを紹介します。

独占企業は、需要の価格弾力性が小さい市場では高い価格を設定する傾向があります。

この条件については、ラーナーの独占度の内容で詳しく紹介しました。

価格が需要の価格弾力性が小さい市場で高くなる理由は、商品やサービスを購入する人が現れやすいためです。

多くの顧客が付けば、当然ながら売上を伸ばしやすくなります。

自由に価格を設定できる不完全市場では、企業が利潤最大化を重視すると考えるのが自然です。

 

 

差別価格の計算方法

最後に、差別価格の計算問題を解いてみましょう。問題文は次のとおりです。

市場1と市場2の需要関数が次のように定められている
 P_{1}=9−2X_{1}
 P_{2}=7−X_{2}

さらに、費用関数は以下のように定められている

 C=12+X_{1}+X_{2}

利潤最大化となる価格の組み合わせを求めよ

 

微分でMRを求める

ミクロ経済学ではお馴染みですが「限界」ときたら迷わず微分します。

とはいえ、MR(限界収入)の場合は微分の概念もそこまで意識しなくて問題ありません。

 P_{1}=9−2X_{1}と設けられているとき、2Xだけを2倍すればMRの式が作れるからです。

つまり、 MR_{1}=9−4X_{1}となります。

同じ要領で MR_{2}=7−2X_{2}も作ってください。

簡単にMRの式を求めることができました。

このカラクリは下記の記事で紹介しています(「ラーナーの独占度の例題」を参照)。

MR=MCの式にする

次に、費用関数からMC(限界費用)を導き出します。

ただし、MCの求め方も対して難しくはありません。微分を使えば、簡単に求められます。

 X_{1} X_{2}のどちらか好きな方で微分しましょう。

すると、MC=1と求められるはずです(もう一方のXと、Xが付いていない「12」は消える)。

あとは2つのMRの式を使い、MR=MCの形にします。

すると、

  •  9−4X_{1}=1
  •  7−2X_{2}=1

となりました。

Xを出して価格を求める

式を整理したら、それぞれの方程式でXを求めてください。

すると、以下の結果になります。

  •  X_{1}=2
  •  X_{2}=3

このときの注意点は、問題ではあくまで「価格」の値が問われている点です。Xの値を正解だと思わないよう注意しましょう。

それぞれの数値を
 P_{1}=9−2X_{1}
 PX_{2}=7−X_{2}
に代入すればOKです。

結果的に、答えは

  •  P_{1}=5
  •  P_{2}=4

と求められました。

 

日本における差別価格

日本は、完全な独占企業を禁ずる「独占禁止法」を設けています。

厳密には独占状態に近い業界はあるものの、国家はなるべく独占を禁じて競争力の強化に取り組んでいます。

ミクロ経済学では独占企業が差別価格を定めると想定するものの、カラオケの例を見ても分かるとおり禁じられているわけではありません

しかし、あまりにも不当な差を設けると独占禁止法違反となります。

現実の差別価格は、常識の範囲で定められているのです。

 

まとめ

今回は、差別価格の条件と計算方法について解説しました。

MRとMCの式さえ作れれば、内容自体はそこまで難しくありません。

微分を上手く用いつつ、最終的に問われている答えだけ間違えないよう注意しましょう。

このブログでは、ミクロ経済学を中心に公務員試験や高校・大学受験の科目を解説しています。

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