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クールノー均衡とシュタッケルベルク均衡の計算とは

不完全競争市場の内容において、押さえたいジャンルのひとつがクールノー均衡とシュタッケルベルク均衡です。

我々の生活には、さまざまな業界が独自のサービスを提供しています。中には、競合があまりにもいないジャンルも存在するでしょう。

ここでは、2つの会社だけで競争し合う「複占」を前提に説明します。

複占の内容に触れつつ、クールノー均衡とシュタッケルベルク均衡の計算方法を紹介しましょう。

経済学を勉強されている大学生や社会人、さらには公務員試験(上級)を受験される方におすすめの記事です。

不完全競争市場の内容を見ていない方は、こちらのリンクを参照ください。

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クールノー均衡とは

まずは、クールノー均衡について解説します。

クールノー均衡とは、2つの企業がお互いに利潤最大化(利益を最大にするための行動)を図るパターンを示したモデルです。

例えば「キング会社」と「こぶた会社」の2つの会社があるとしましょう。

クールノー均衡の場合、あくまで相手企業は生産量を動かさないものとして捉えるのが特徴です。それぞれの企業が独立して生産量を決めます。

クールノー均衡時の生産量の求め方を解きましょう。




「キング会社」は独自で生産量を決めるぞ!




相手は気にせず、「こぶた会社」の生産量を決めようっと

 

各企業のMRを計算

不完全競争市場での利潤最大化の公式は、MR=MCです。商品が1単位売れたときの利益の増加分が、消費の増加分と等しくなれば生産を行うと考えます。

まずは、MR(限界収入)から計算しましょう。

例えば、ゲームソフトの需要関数と総費用関数が以下のように示されていました。

P=20−( Q_{1}+ Q_{2}
TC=2 Q_{1,2}

ここではPをゲームソフトの価格、 Q_{1}がこぶた会社の生産量、 Q_{2}はキング会社の生産量とします。

MRとは、TR(総収入)を微分した値です。TRは「価格(P)×生産量(Q)」で求められます。

つまり、P=20−( Q_{1}+ Q_{2})にQをかけすれば、TRは作れるのですが…。

計算がややこしくなると感じる方もいるでしょう。そこで、今回は1つ裏技を紹介します。

MRを求めるときは、各企業の生産量に「2」をかけ算するだけでOKです。

ただし、 Q_{1} Q_{2}で別に式を作るのを忘れないでください。

こぶた会社のMRは
「P=20−( 2Q_{1}+ Q_{2})」

キング会社のMRは
「P=20−( Q_{1}+ 2Q_{2})」となればOKです。

各企業のMCを計算

MRを求めたら、次に各企業のMC(限界費用)を算出します。

すでにTCの値が書かれているため、MCの求め方自体は難しくありません。

TC=2Qを微分すれば、2と求められるはずです。

ここでは、こぶた会社もキング会社もそれぞれ同じ総費用関数が与えられています。

両者とも限界費用は「2」になることが分かりました。

クールノー均衡時のQ

最後にクールノー均衡時のQ(生産量)を求めます。

それぞれの会社でMR=MCになるよう、式を並べてください。

こぶた会社
 20 2Q_{1} Q_{2}=2

キング会社
 20 Q_{1} 2Q_{2}=2

両者をそれぞれ整理した式がこちらです。

こぶた会社
 2Q_{1}+ Q_{2} 18

キング会社
 Q_{1}+ 2Q_{2} 18

あとは連立方程式の要領で、 Q_{1} Q_{2}を求めてください。

すると、 Q_{1} Q_{2} 6となりました。

ここでは問題に出していませんが、価格を求めたいときは需要曲線に代入するだけでOKです。

 

 

シュタッケルベルク均衡とは

続いて、シュタッケルベルク均衡の話に移ります。

クールノー均衡との大きな違いは、片方を専従者、もう片方を追随者と捉える点です。先程も例に挙げた「キング会社」を先導者としましょう。

「こぶた会社」は「キング会社」の状況を判断してから、自社の生産量を決定します。

「キング会社」は「こぶた会社」を追随者と認識している点が特徴です。そのうえで「キング会社」が主導権を握って生産量を決定し、「こぶた会社」が追随する形で生産量を決めます。

この特徴を踏まえ、計算問題にチャレンジしてください。




創業したばかりでよく分からないよ。
ベテランの「キング会社」を真似よう…




「こぶた会社」は我々の生産量を見てから行動するはず!

 

計算するときの流れ

次の問題を解いてみましょう。

需要関数:P=16-Q
費用関数1: C_{1} 2Q_{2}+5
費用関数2: C_{2} 4Q_{2}

同じく、生産量Qをそれぞれ求めてください。

シュタッケルベルク均衡の場合、追随者から計算するのが基本です。

アクション漫画でも脇役が先に活躍し、クライマックスは主人公がトドメを指すパターンが多いでしょう。

この感覚で、脇役となる追随者(脇役)から計算し、先導者(主人公)の生産量を求めます。

追随者のMR=MCを計算

まずは、需要関数を P=16−Q_{1}−Q_{2}と作り変えてください。

追随者であるこぶた会社( Q_{2})のMRから求めましょう。

 Q_{2}に「×2」をすればいいだけです。

 MR_{2} 16−Q_{1}−2Q_{2}

MCは、問題文にある「費用関数2:」を使います。

 4Q_{2}を微分すると
MC=4です。

MR=MCの形にすると
 16−Q_{1}−2Q_{2} 4となりました。

先導者の生産量を計算

追随者で求めた式を使い、キング会社(先導者)の生産量を計算します。

ここでMR=MCの形に直した追随者の式を変形させましょう。

 16−Q_{1}−2Q_{2} 4
 −2Q_{2} Q_{1}−12
 Q_{2} −0.5Q_{1}+6…①

 Q_{2}=の形にすれば、先導者の需要関数に代入可能です。

 16−Q_{1}−(−0.5Q_{1}+6)
 16−Q_{1}+0.5Q_{1}−6)
 P=−0.5Q_{1}+10

ここまで求めたら、先導者のMRを算出します。

 MR=−Q_{1}+10

さらに先導者のMCも求めましょう。

 C_{1} 2Q_{2}+5より、
 MC=2です。

MC=MRから
 −Q_{1}+10=2と式を作ると、キング会社の生産量が8と求められました。

①の式に生産量8を代入すれば、こぶだ会社の生産量は2となります。

クールノー均衡と異なり、シュタッケルクベルク均衡は2社の生産量が同じになりません

計算に慣れるためにも、何問か似たような問題を解くのがおすすめです。

問題集にもチャレンジし、ミクロ経済学の内容を押さえましょう。

特に「スー過去」は公務員試験対策にはおすすめです。

 

 

まとめ

今回は、クールノー均衡とシュタッケルベルク均衡の計算について紹介しました。

まずは、定義の違いをしっかりと押さえなければなりません。

クールノー均衡は、2つの会社が利潤最大化を目指すときの生産量や費用を求めるモデルです。ただしお互いは干渉し合わず、それぞれが独自の生産量を決めると考えます。

また相手企業の生産量は、変化せずに固定で考えるのもクールノー均衡の特徴です。

一方でシュタッケルベルク均衡の場合は、専従者が追随者の動きを把握しています

専従者からすれば、自社が生産量をこのくらいまで上げれば、追随する企業の生産量のラインはこの程度だろうと想定できているのです。

どちらも複占状態にある2社の価格と生産量を求める際に使われますが、計算方法は大きく異なります。

クールノー均衡は別々にMC=MRを求めた上で、最後に連立させるスタイルです。

シュタッケルベルク均衡の場合は、追随者から先に式を整理して先導者の式に代入します。

何度も計算しながら、正しい答えを導いてください。