ヤマトノ教室|勉強ブログ

公務員試験、資格試験、進学受験の対策

生産者余剰と消費者余剰のグラフをわかりやすく解説!




このラーメン美味しい!
1杯600円って安いよ
1,000円は出していい!

 




思いのほか値段が安いと得した気分になるよね!
今日はこの内容を経済学的に紹介するよ!

 

どーも、ヤマトノです。

ミクロ経済学の解説も、不完全競争市場の内容に入りました。

今回は完全競争市場に戻り、生産者余剰と消費者余剰について紹介します。

それぞれの内容をグラフでわかりやすく解説するため、公務員試験受験者や経済学部の大学生はしっかりと押さえてください。

 

生産者余剰と消費者余剰

そもそも、生産者余剰と消費者余剰は何を指す概念かを理解しなければなりません。

ここでは、両者を区別しながら解説したいと思います。

「余剰=利益」と考える

一般的に余剰は、必要分を差し引いた余りを指します。

ただし、ミクロ経済学では「利益」と同じ意味だと捉えてください。

普段、物が売買される中で思わぬ利益を得られるケースがたびたび見られます。

こうした経済活動を捉えた概念が余剰であり、分析手法を余剰分析と呼びます。

生産者余剰について

生産者余剰とは、企業が得られる利益のことです。

例えば、商品を作るうえでかかるコストが500円の場合、最低でも500円分の利益を得なければなりません。

仮に企業が500円の商品を700円で売れば、200円分の余剰を生み出せます。

生産にかかるコストと売上を見比べつつ、企業は入念に戦略を立てているのです。

消費者余剰について

消費者余剰とは、消費者側が得られる利益のことです。

お金を支払っている側が利益を得ると考えるのは、不自然だと思う方もいるでしょう。

しかし、想像していた金額より値段が安かった場合は、消費者側が儲けたと思うはずです。

ミクロ経済学では、常に消費者と生産者の2つのパターンから経済活動を分析します。

なお、両者の余剰を合わせた概念が総余剰です。

  • 生産者余剰
  • 消費者余剰
  • 総余剰

この3つの言葉と意味はしっかりと捉えましょう。

 

 

グラフでわかりやすく解説

生産者余剰と消費者余剰は、グラフを使った問題が出題されることもあります。

ここでは、わかりやすく完全競争市場と仮定します。まずは、基本的な構造から説明しましょう。

生産者余剰をグラフで表す

生産者余剰は、企業側が得られる利益です。グラフを分析する際には、供給曲線が使われます。

需要曲線と供給曲線の内容は、以下のリンクから復習してください。

実際のグラフを描いてみましょう。まずは、需要と供給のグラフを作ります。

そこから、企業が全ての商品を売り切ったと仮定しましょう。

完全競争市場は需要と供給により価格や生産量が決められるため、2つのグラフの交点を基準に考えます。

均衡価格から縦軸と横軸に向かって、それぞれ平行線を引いてください。すると、四角形を作れました。

ここで、供給曲線を軸に四角形を2つに分けましょう。

グレーの斜線は、企業が最低限売りたいと思う範囲です。元々売ることを想定していたため、この部分は余剰には含みません。

生産余剰に該当するのは、供給曲線を上回る青色の範囲です。

消費者余剰をグラフで表す

消費者余剰は、需要曲線(D)から考えます。

均衡価格と均衡需要量は、完全競争市場で取引が想定される範囲です。

そのため、四角形の部分は全て消費者余剰には含まれません。

四角形に含まれない範囲は、消費者が高く評価した価格です。

しかし、実際には均衡価格で安く商品を購入しているため、青色の範囲分が得したといえます。

このことから、図の青色の部分が消費者余剰です。

総余剰をグラフで表す

最後に生産者余剰と消費者余剰を合わせた、総余剰について紹介します。

恐らく、この段階でグラフからどう求めるかは予想がつくでしょう。

単純に2つの余剰を合わせればいいだけなので、次のように描いてください。

生産者が儲けと感じ部分、消費者が得した部分に相当します。

死荷重=均衡価格より手前

しかし、均衡価格の部分で取引しなければ、余剰が消えてしまうケースもあります。

例えば、生産量が Q^1と設定されていました。

均衡価格よりも手前に生産量が設定されたケースです。

生産量が少なくなれば、自然に考えて物の値段は上昇します。変化した価格を P^1と仮定しましょう。

この場合、グラフを見てみると需要曲線と供給曲線にそれぞれ開きが見られます。

本来、均衡価格で取引されるのが望ましいものの、 Q^1しか生産されていなければ各々の儲けが減ってしまいます。

図で表すと、以下の三角形の部分が得られるはずだったのに、逃した範囲です。

この三角形の部分は「死荷重(デッド・ウェイト・ロス)」と呼ばれます。

死荷重=均衡価格より後ろ

反対に、生産量が均衡価格時よりも多かった場合を想定します。

物の量が増えると、基本的に価格は下がりますよね。

この場合の生産量と価格を Q^2 P^2としましょう。

死荷重の求め方自体はあまり変わりません。

 Q^2まで生産量を伸ばすと、企業はより大きな利益を得たくなります。

生産にかかった費用を回収するためです。

価格は上の図の「A」に設定したいはずですが、市場では P^2でしか取引されません。

したがって、以下のような死荷重が発生すると分かります。

次に消費者側に立って見ていきましょう。

 Q^2 P^2までの需要曲線を見ると、以下のように点Bを置けます。

本来は斜線の部分が実際に支払ってもいいと考えていた範囲でしたが、 Q^2 P^2まで金額を押さえられました。

要するに、青色の斜線の範囲で消費者余剰が発生している状態です。

ここで、生産者のケースと見比べてみましょう。生産者側で発生した死荷重は次のとおりです。

消費者余剰と照らし合わせると、下記のグレーの斜線にあたる三角形がそれぞれ重なっています。

こちらは、消費者余剰とマイナスの生産者余剰が相殺されていると押さえてください。つまり、余剰も死荷重も発生していません。

そのため、このグラフでの死荷重は以下の三角形の部分に該当します。

 

まとめ

生産者余剰と消費者余剰は、グラフに表すとイメージがしやすくなります。

実際にグラフを使った問題も出題されるため、簡単な定義をマスターしてください。

余剰の内容が分かっていると、税金が発生した場合の応用問題にも対応できます。

追々、ブログでも取り上げていくため、定期的に確認してください!