前回から続く公務員試験の勉強にかかる行政法対策!
今回は公定力や不可争力、不可変更力を紹介します。
この範囲もまた公務員試験では問われる可能性が高いです。
これらの内容は、以下のテキストにも収録されているためぜひ購入を検討してみてください。
一体どういった内容なのかを見ていきましょう。
行政行為の効力
公務員などの行政で認められている効力は以下のタイプがあります。
- 公定力
- 不可争力
- 不可変更力
- 執行力
これらの総称は、行政行為の効力です。
細かい中身は後述しますので、この項目ではとりあえず名前だけサラッと見てください。
行政行為は多くの国民に多大な影響を与える独特な力を発揮します。
その力に見合った特殊な効力を設けなければ、行政の秩序が保てなくなってしまうでしょう。
そのため、行政法は効力をあらかじめ用意して円滑な運営を心がけています。
- 行政行為の効力は主に4つ
- 行政の円滑な運営に必要な力である
それぞれの効力
では、行政行為の効力の全種類を紹介しましょう。
なかなか通常の常識だけでは補えない内容になるかと思います。
上手くイメージしていきながら押さえるようにしてください!
公定力
公定力はたとえ行政行為が違法でも、取り消されない限りは効果が続くという力です。
例えば、「あなたのお家の固定資産税は20万円だ!」と行政が判断を下したとします。
しかし、実際試算したところ本来の固定資産税は15万円程度だとしましょう。
普通であれば、「こんな判断はおかしい!」と何も言わずに15万円払っても文句言われないかと思うでしょう。
しかし、行政行為の場合はそれが例え間違えていても、『明白かつ重大な瑕疵』がなければ効果は持続します。
そのため、例え試算が間違えていても国民は適切な手続きに従って対抗するしかありません。(不服申立てや行政訴訟等が挙げられます。)
公定力の根拠は『取消訴訟の排他的管轄』です。
こちらは行政行為の公定力を取り消すには、取消訴訟以外認めませんよという内容を指します。
ここも出題される可能性があるので、しっかりと押さえておきましょう。
ちなみに、たとえ公定力が持続していたとしても、別途国家賠償請求を起こすことは可能です。
法的効力と賠償請求は別枠で考えられているため、公定力が依然働き続けても国家賠償請求を先に着手するのも1つの手段となるでしょう。
不可争力
さて、次に紹介するのが不可争力です。
これは一定期間を経過すると行政行為の効力を私人(国民側)から争えなくなる効力ですね。
この効力は不服申立期間と行政訴訟の出訴期間を根拠にしています。
2点の期間は次のように定められています。
- 不服申立期間→3年
- 出訴期間→6年
それぞれの期間を経過してしまうと、特段の事情がない限り争うことができなくなってしまうため注意が必要です。
この範囲は後に出てくる以下の法律でも重要なポイントといえます。
- 行政不服審査法
- 行政事件訴訟法
行政法全体の知識として覚えましょう。
不可変更力
続いて、不可変更力をまとめていきましょう。
これは、行政(処分庁)が1度行った行政行為は自ら変更できないという効力です。
行政による「紛争の蒸し返し」を防ぐため、こうした効力が設けられました。
しかし、行政法に定められているわけではありません。一部否定説もあるそうです。
ここで「処分庁」とカッコ書きで書いたのはある理由があります。
それは、不可変更力が『争訟裁断的性質』を持つ行政行為にのみ認められているからです。
つまり、ある争いにおける決着をつけた行政行為のみが不可変更力の対象となります。
ちなみに、処分を行った処分庁のみならず、上級庁や裁判所も同様に取り消しや変更ができないという効力は『実質的確定力』と言われます。
執行力
執行力は私人が行政の処分に従わない場合、強行で執行できる効力です。
行政に執行力がなければ、言うことを聞かない国民への対応をいちいち司法に委ねなければなくなります。
円滑な行政が妨げられてしまうでしょう。
そういった事態を防ぐためにも、ある程度行政側が強制手段にも手を打てるように整備されています。
しかし、行政側が乱暴に執行力を発揮すると国民の生活にも悪い影響を与えかねません。
そのため、執行力には命令を根拠づける規定だけではなく、別に法律の根拠が必要とされています。
- 公定力→行政行為が違法でも取り消されるまで効力が続く
- 不可争力→一定期間経過後は行政行為を裁判で争えない
- 不可変更力→行政は一度した行為を自ら取り消せない
- 執行力→国民が行政に従わない場合は強制執行できる
まとめ
今回も『行政法』より公務員試験の勉強ブログを書いてみました。
行政行為の効力はぜひとも『行政法』の得点源にしていきましょう。
本日勉強した効力は下記の4点です。
- 公定力
- 不可争力
- 不可変更力
- 執行力
行政法はこのようにたくさんの専門用語が出てきます。今回の内容もその例外ではありません。
イメージしていきながら、しっかりと勉強をやってみてください!
- 公定力などの内容を押さえる
- 期間もしっかりと覚える
- 実際の業務をイメージする