どーも、やまとのです!
今回は公務員試験『行政法』編ということでやっていきましょう!
「行政職員はもっと果敢に動け!」と怒る人はたくさんいますが、これを読めば行政職員はどうしても制限がかかることを理解できると思います。
併せて公務員試験の勉強ということで基礎知識を書いていきますね!
○今回のポイント
- 法律による行政の原理とは?
- 法律と行政職員の関係が押さえられる!
1.法律による行政の原理
公務員試験でまず勉強するのが
『法律による行政の原理』です。
これはどういう意味かというと、行政というものは単独で行動できず、『法律』に従って行わなければならないということですね。
法律による行政の原理は
- 法律の法規創造力
- 法律の優位
- 法律の留保
と大きく分けて3つの側面があります。
では、それぞれを説明していきましょう。
・法律の法規創造力
法律の法規創造力は
『国民の権利義務に関するルールは法律によるものじゃないといけない』という原理ですね。
要するに行政が勝手に国民の権利義務に関する規定を作ってはいけません。
行政が国民に規制をかけるためには、
『法律の授権』が必要となります。
これは、法律に
『行政が定める規則で決めちゃっていいですよ』と書かれているのが条件であるということです。
以上より、行政職員は好き勝手国民の権利義務を左右するような規則は作れないことがわかります。
・法律の優位の原則
『法律の優位の原則』とは、法律が行政よりも上の立場にあるという原則です。
行政活動は
『法律に違反すること』
をしてはなりません。
当然といえば当然ですが、いくら行政の調査といっても法律に違反するやり方をすれば問題沙汰となります。
明らかに違法行為な行政活動で被害を受ければ、最悪国家賠償責任を果たさなければなりません。
・法律の留保の原則
では、最後にこの原則の説明をしましょう。
これは
『行政活動は法律の根拠がなければやってはいけませんよ』という原則です。
例えば、行政によって土地が強制執行されるケースがあります。
いわゆる『差し押さえ』ですね。
行政がこれを行うには、
- 行政代執行法
- 国税徴収法
- 土地収用法の一部
などを根拠として厳重に行われなければなりません。
このように行政は法律の根拠に従って動きましょうねという話になるのですが、『法律の留保』は意外にも複雑な原則です。
考え方が大きく分けて3通りあるからですね。
それが
- 侵害留保説
- 全部留保説
- 権力留保説
の3つとなります。
それぞれの説を解説していきましょう。
2.法律の留保・3つの説
・侵害留保説
これは判例で用いられていた説となっています。
侵害留保説は国民の権利を侵害するもののみ、法律の根拠に従うべきだという考え方です。
先程例に出した行政の強制執行の場合は、
国民の居住地等を没収しているので権利を侵害する行為といえます。
ですので、法律の根拠は当然に必要だといえるでしょう。
しかし、営業の許可を下す処理の場合はどうでしょうか?
これは、「営業が認められた」と国民にとってはプラスになるので、権利を侵害した行為とはいえません。
このように留保すべき行為をある程度限定したのが侵害留保説の特徴です。
・全部留保説
次に全部留保説を説明していきます。
『全部』という言葉から既にピンときた方もいるかもしれませんが……
これは、行政活動は全て法律の根拠に沿うべきだという考え方ですね。
1番分かりやすい考えではありますが、行政活動がかなり制限されるというデメリットもあります。
・権力留保説
最後に『権力留保説』も説明してみましょう。
これは多数説が最も支持している考え方と言われています。
国民の権利を侵害するか、若しくは権利を与えるかに関わらず、『権力を使った行政活動』であれば法律の根拠に従うべきだという考え方です。
「権力を使わない行政活動って何?」と思うかもしれませんが、これは国民と同等の立場で行う行政活動を指します。
その例が
- 行政契約(例:筆記用具の納入)
- 行政指導(例:私人の争いの仲介)
です。
この他にも本質留保説という考え方もありますが割愛させていただきます。
3.まとめ
今回は公務員試験の行政法攻略ということで、
『法律による行政の原理』を勉強してみました!
この辺は一問一答で聞かれても、割と分かりやすい範囲になるかと思います。
必須暗記用語として
- 法律の法規創造力
- 法律の優位の原則
- 法律の留保の原則
これらは絶対に抑えましょう!
そして、『法律の留保原則』には
- 侵害留保説
- 全部留保説
- 権力留保説
などといった考え方があります!
行政法はとっつきにくい科目ですが、専門用語を咀嚼しながら勉強するよう心がけてくださいね。
つまり、勉強した内容を分かりやすく話せるくらいにまで理解した方がいいです。
そして、日常生活においても
『行政は法律を超えることができず、法律の授権や法律の根拠を基に行わないといけない』
という事実は押さえておくといいでしょう。