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法律による行政の原理の「法律の留保」を解説!行政法を押さえる

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今回は公務員試験における「行政法」の解説をします。

行政職員はもっと柔軟に働け!と怒る人はたくさんいます。

しかし、これを読めば行政職員はどうしても制限がかかることを理解できるはずです。

ここでは、行政法の最も基本的な内容である法律による行政の原理を紹介し、中でも法律の留保を中心に確認しましょう。

 

法律による行政の原理とは

公務員試験でまず勉強するのが法律による行政の原理です。

行政は必ず法律に基づいて仕事をします。単独で好き勝手に行動できるわけではありません。

法律による行政の原理は、3つの種類があります。

  • 法律の法規創造力
  • 法律の優位
  • 法律の留保

では、それぞれを説明していきましょう。

なお、行政職員を目指すうえでは、以下の著書を揃えておいた方が賢明です。

 

言葉の意味が分かりづらいため、細かく勉強したいときは私の記事を参考にしてください。

法律の法規創造力

法律の法規創造力「国民の権利義務に関するルールは法律によるものとする」と示す原理です。

行政は、勝手に国民の権利義務に関する規定を作ってはいけません。

行政が国民に規制をかけるためには、法律の授権が必要です。

法律の授権とは、国の作る法律によって権利が与えられることを指します。

「別途、規則で定める」などと記載されるケースが一般的です。

つまり、行政は法律があってはじめて国民の権利義務に関する規定が作れます。

法律の優位の原則

法律の優位の原則とは、法律が行政よりも上の立場にある旨を示した原則です。

法律の規定と行政活動が矛盾する場合は、法律の規定が優先されます。

当然といえば当然ですが、いくら行政の調査といっても法律に違反するやり方をすれば問題沙汰となります。

明らかに違法行為な行政活動で被害を受ければ、国家賠償責任を課せられる可能性もあるでしょう。

行政職員は、いかなる仕事でも「法律厳守」を心がけなければなりません。

なお、このような考え方は憲法41条が根拠とされています。

第四十一条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

引用:e-GOV法令検索

公務員試験では憲法も専門科目にあるため、どちらも覚えてください。

法律の留保の原則

では、最後に法律の留保の原則を説明しましょう。

こちらは「行政活動は『法律の根拠』を求める原則」です。

例えば、行政によって土地が強制執行されるケースを想定しましょう。いわゆる「差し押さえ」ですね。

行政がこれを行うには、以下の法律の根拠に基づかなければなりません。

  • 行政代執行法
  • 国税徴収法
  • 土地収用法の一部

とはいえ、法律の留保の考え方は単純ではありません。なぜなら、大きく分けて3つの考え方があるからです。

  • 侵害留保説(判例)
  • 全部留保説
  • 権力留保説

これらの意味を把握するとともに、日本ではどのように認識されているかを押さえなければなりません。

  • 法律の授権がないと行政は国民の権利を侵害できない
  • 法律は行政よりも優位に立つ
  • 行政活動は法律の根拠が必要

 

法律の留保(3つの説)

では、ここで法律の留保における3つの説を紹介します。

試験では全ての説が問われる場合もあるため、まとめて覚えてください。

侵害留保説

これは判例で用いられていた説となっています。

侵害留保説は国民の権利を侵害するもののみ、法律の根拠に従うべきとする考え方です。

先ほど例に出した行政の強制執行(差し押さえ)の場合は、国民の居住地等を没収しているので権利を侵害する行為といえます。

そのため、法律の根拠は当然に必要です。

しかし、居酒屋の営業の申請を認めるような行政行為となると話は異なります。

こちらは「営業が認められた」と国民にとってはプラスになるため、権利を侵害した行為ではありません。

侵害留保説は、法律の根拠を「国民の権利を侵害」する場合のみに限定しています。

法律による行政の原理の範囲では、絶対に押さえておくべきポイントのひとつです。

全部留保説

次に全部留保説を説明していきます。

『全部』という言葉から、内容を予測できた人もいるかもしれません。

これは、行政活動は全て法律の根拠に基づくべきだという考え方です。

分かりやすい考え方ではあるものの、行政活動が著しく制限されるというデメリットもあります。

特に、仕事内容が煩雑化している今日の行政では、円滑さが大きなカギを握ります。

全ての行為で法律の根拠を調べるとなれば、スムーズな行政活動も難しくなるでしょう。

現実的に考えると、適用が難しい説です。

権力留保説

最後に、権力留保説を紹介します。

国民の権利を侵害するか、与えるかに関わらず権力を使った行政活動であれば法律の根拠に従うべきだという考え方です。

権力を使った行政活動は、国民よりも行政が上の立場になる状態を指します。

反対に、国民と行政が同じ目線に立ってなされる行為もあります。

主な例が以下のとおりです。

  • 行政契約(例:公務員による筆記用具の購入)
  • 行政指導(例:住民の争いの仲介)

行政契約と行政指導の具体的な内容は、次の記事をご覧ください。

ほかにも、本質留保説もありますが、ここでは割愛します。

とりあえずは、3つの説を押さえておけば問題ありません。

  • 侵害留保説が判例では定説
  • 国民の権利を侵害するときに法律の根拠が必要
  • 全部留保説や権力留保説の考え方もある

 

まとめ

今回は公務員試験の行政法攻略として、法律による行政の原理を勉強してみました!

一問一答で聞かれても、答えやすい範囲だと思います。重要用語として、以下の3つは絶対に押さえましょう。

  • 法律の法規創造力
  • 法律の優位
  • 法律の留保

そして、『法律の留保』には主に以下の3つの説があります。

  • 侵害留保説
  • 全部留保説
  • 権力留保説

行政法は理解しづらい科目ですが、専門用語を押さえながら勉強してください。

勉強した内容を分かりやすく話せるように理解しましょう。

公務員として仕事をするうえでも基礎となる部分です。

  • 法律による行政の原理を押さえる
  • 法律の留保の3種類を押さえる
  • 法律と行政の関係性を押さえる