どーも、やまとのです。
公務員試験では専門科目のみしか問われないものの、社会学も2〜3点分は出題されます。
暗記科目であるため、覚えてしまえば楽勝です。
しかし、聞き慣れない言葉が多くて理解できない方も多いかもしれません。
以前は、コントが唱えた説について解説しました。
今回はコントに影響を受けた
スペンサーが唱えた「社会進化論」を分かりやすく説明します。
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社会進化論の考え方
ハーバード・スペンサーは1820年に生まれたイギリスの哲学者で、社会学のみならず生物学や天文学等とあらゆる学問に精通していました。
恐らく、歴代の学者の中でも極めて天才の部類じゃないかなと思います。
スペンサーはコントの影響から、
「社会進化論」を確立させました。
社会を1つの生物と捉え、同じように進化していくとスペンサーは仮説を立てていきます。
社会と生物を同視する考え方は、
社会有機体説と呼ばれます。
コントは、三段階の法則で変わっていく社会の様子を一般的な法則として捉えました。
言い換えれば、既に記録された「事実」や「経験」から法則性を導く方法です。
一言で、「実証主義」と表されます。
ただし、スペンサーはコントの実証主義を否定し、社会は「人間社会の変化」が進化に大きく貢献すると考えるようになりました。
社会進化論は社会を1つの生物と捉えますが、国民の経済活動や思想の持ち方によって大きく姿を変えていきます。
このような過程を「進化」に結びつけて考えたんですね。
軍事型社会と産業型社会
ここからは、社会進化論の具体的な中身を見ていきましょう。
スペンサーは人間社会の変化によって社会が進化していくと考えました。
進化の段階を分けて考えた場合、
- 軍事型社会
- 産業型社会
に大別されます。
それぞれの社会はどのように異なるのでしょうか。
軍事型社会の仕組み
軍事型社会とは、名前の通り人々の生活が軍隊のようなルールを設けられている社会です。
社会の進化が未発達であると、
国民をルールに縛り付けるシステムが生まれます。
人々は常に戦争の危険がある状況で過ごさなければなりません。
国が占領されないためにも、国民を統制して他国と立ち向かいます。
つまり、軍事型社会の元では
人々に自由がありません。
個性を認める余裕が無く、常に社会全体で操られている状態です。
軍事型社会の特徴を見ていけば、当てはまる国なども何となく分かってくるのではないでしょうか?
産業型社会の仕組み
軍事型社会では、人々も社会を動かす駒の1つのような扱いを受けますが、産業型社会へ進化していけば「自由」の概念が生まれます。
これが社会進化論が唱える、社会を発展させていく過程です。
産業型社会に移行すると、人々は職業選択や思想などとあらゆる分野で「自己決定権」が与えられます。
日本で暮らしている皆さんは、国から強制的に職業や思想を縛り付けられないはずです。
どの高校や大学に進むか、宗教に入るか否かも基本的には自由に決められます。
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社会進化論の具体的な内容
さて、軍事型社会と産業型社会の違いを述べたところで、社会進化論の具体的な内容について触れていきましょう。
両者の社会を比較すると
- 単純な社会
- 複雑な社会
で区別できます。
言い換えれば、
- 同質性の重視
- 分化性の重視
です。
軍事型社会では、国民は国が戦争で勝つための道具でしかありませんでした。(言い方は悪いですが)
つまり、人々は皆同じ存在でなければならず、同質な人間の集合体である単純な社会が出来上がります。
一方で、産業型社会は軍隊から解放されて、国民が全て自由に生き方を選べる状態です。
多種多様な人間で構成されるため、社会の構成はより複雑なものになります。
産業型社会は皆が常に違う方向を向いて生きていることから、難しい言葉で表せば「分化性」が重視されている環境です。
社会進化論を細かく見ていけば、軍事型社会と産業型社会は極めて両極端な存在だといえるでしょう。
社会進化論のまとめ
最後に社会進化論をまとめていきましょう。
哲学者であるスペンサーが唱えた考え方で、社会がどのように進化していくかを論じています。
「社会有機体説」と社会を生物のように考え、国民がどのように構成されていくのかを考察していきました。
そして、社会進化論では
- 軍事型社会
- 産業型社会
の2パターンに分けられます。
軍事型社会では、戦争からのプレッシャーへ抗うために、国民を社会全体のルールに縛り付けられる単純な構成でした。
社会が進化すると産業型社会へと変わり、人々は同質性を捨てて各々が自由に生き方を選ぶ複雑な存在に変化していきます。
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