どーも、やまとのです。
前回は社会学の
『実証主義』について解説してみました!
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そこで基本的な内容を書いたので、
本日はより具体的に掘り下げていきます。
コントの唱えた重要な考え方の1つに
『三段階の法則』があります。
しかし、ここで出てくる数々の言葉が理解できない方もたくさんいたでしょう。
三段階の法則の考え方についてわかりやすく解説していく記事です。
1.三段階の法則の考え方
コントが主張した『三段階の法則』を見ていく前に、基盤となる考え方を説明しましょう。
彼の社会に対する見解には、
『人々の精神』が前提にありました。
社会は人々の精神が合わさって成り立ち、やがて文明に形を変えます。
これを下記のようにまとめると、三段階の法則の考え方もまた理解が容易になるでしょう。
・精神と文明は二階構造
繰り返しになりますが、コントは
人々の精神状態が文明を作り出すと考えました。
両者は建物でいう1階と2階の関係です。
1階にあたる精神が基盤となって文明を支えます。
つまり、精神状態が変わることで社会のあり方もどんどん変化が見られるといった主張です。
三段階の法則を勉強する際に、文字が多くて訳分からなくなった方も多いでしょう。
この考え方の仕組みが分かれば、一気に整理が楽になります。
・精神:『神学的段階』
では、次に『三段階の法則』を細かく紐解いていきましょう。
まずは、ザッと日本人の歴史を振り返ってみてください。
石器時代から始まり、縄文〜弥生時代に突入します。
この頃は科学なんて言葉は無く、アニミズムや呪術といった『祈り』が社会の基本でした。
要するに、人々の精神状態ははじめ神への信仰からスタートするのです。
ヨーロッパではこの頃から「宗教」の概念が芽生え、現代にわたって広く浸透しています。
・精神:『形而上学的段階』
一方で、時代が進んでいくとヨーロッパにも「法」という概念が生まれました。
哲学的な思想は紀元前から既にありましたが、イギリスにおいて最も基本的な憲法である『マグナ・カルタ』が制定されます。
これまでは神の決定に委ねていた精神状態が、人の手で思想及び理念が作られていくのです。
この段階をコントは
『形而上学的段階』と表現します。
とはいえ、実際は上辺だけで実証的な取り組みがなされていない段階。
言い換えれば、主観的かつ抽象的な精神状態を指します。
・精神:『実証的段階』
産業革命以降、発見と開発の連続で技術が著しく進化していきます。
上手く順応するためには、もはや主観的かつ抽象的な物の見方では追いつけなくなりました。
最終的に人々はあらゆる分野において、
研究から実証までのプロセスを歩みます。
これが、『実証的段階』です。
こうした人々の精神状態の成長が、直接社会の変革にも結びついていきます。
次に2階構造にあたる文明がどう変わっていくのかを見てみましょう。
2.文明における三段階の法則
前述した通り、人々の精神状態が変わっていくことで文明にも変化が訪れます。
三段階の法則は、
・精神状態
・文明
の両者を分離して押さえておくとわかりやすいです。
・文明:『軍事的状態』
人々の精神状態が
『神学的段階』にあると、
文明は『軍事的状態』が訪れるとコントは言いました。
特にヨーロッパでは、信仰する宗教の違いで度々戦争に突入しています。
日本は西欧やイスラム圏と宗教観がやや異なるものの、江戸時代にキリスト教が禁止されるなどと変わらず大きな影響を与えました。
(戦も何度か起こっていますね。)
神に権利を与えられた教祖がやがて実権を握る、つまり独裁政権が誕生する時代にもあたります。
・文明:『法律的状態』
独裁政権を経て、社会の見直しから法律や思想の概念が誕生します。
上述した形而上学的段階の見出しでもいろいろ書きましたが、法律の誕生によって人々の統制の仕方が変化しました。
軍人ではなく、法律家や思想家のような知識人が台頭していきます。
神学のみならず、人格の形成にも目を向けようとする状態です。
・文明:『産業的状態』
ただし、人々の知識は主観のみではアップデートができません。
様々な原因と結果を突き詰めていくと、
『根拠』と出会うようになります。
こうして、世の中の一般法則を見つけてくことで、社会の改革にも大きな影響を与えると人は理解するのです。
当該文明の状態は、
『産業的状態』と言われています。
3.『三段階の法則』のまとめ
今回は、コントの社会学における考え方の1つである
『三段階の法則』を説明してみました。
まずは、彼が
「人々の精神状態をベースに文明が生まれる」
と解釈したことをざっくりと押さえましょう。
精神が
1.神学的段階
2.形而上学的段階
3.実証的段階
と進んでいけば
文明も
1.軍事的状態
2.法律的状態
3.産業的状態
に進化する旨を押さえましょう。
これは差し詰め、
1.神への信仰が全ての独裁社会
2.主観的な思想が支配する社会
3.客観的な根拠を基に発展した社会
と考えるとわかりやすいでしょう。
じっくり見ていくと、
コントの考え方も興味深いですね!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!