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桓武天皇が平安京になぜ遷都した?長岡京で起こった出来事

平安時代には、桓武天皇が遷都した平安京が存在します。

ただし、平城京からすぐに平安京へ移ったわけではありません。その前に、長岡京が存在しています。なぜ長岡京から平安京へ遷都したのか、その理由について詳しく説明しましょう。

 

桓武天皇とは

まずは、桓武天皇について説明します。桓武天皇が在位したのは、781年〜806年です。彼は光仁天皇と高野新笠の間に生まれ、元は山部親王と呼ばれていました。

桓武天皇の政治の特徴は、仏教政治を排除しようと努めたことです。光仁天皇の前の天皇である称徳天皇は、道鏡との結びつきを盾に仏教政治を推し進めていました。

結果的に、政治の混乱を招いて内乱が続く事態となりました。こうした出来事を背景に仏教を断ち、財政や国民の生活負担の軽減に努めます。

道鏡のエピソードについて、より詳しく知りたい方は以下の記事も参照してください。

 

平安京になぜ遷都したか

桓武天皇は784年に長岡京へ遷都したものの、わずか10年で平安京に都を変えました。その背景には、昔ながらの迷信的な理由も大きく関わっています。平安京になぜ遷都したか、理由を詳しく掘り下げましょう。

長岡京に遷都した理由

まずは、長岡京に遷都した理由を紹介します。先程も説明したとおり、桓武天皇が課題としていたのは仏教政治との断絶でした。宗教と政治を切り離すべく、地理的に距離を置く必要がありました。

平城京で政治を握っては、近辺の仏教勢力に主導権を握られる可能性も高まります。そこで、平城京から40kmも離れた長岡京への遷都を決めました。

長岡京は、現在の京都市西京区に存在していたようです。この地域には3本の川もあり、全国から物資が送られやすいといったメリットもありました。

大きな川が近くになかった、平城京の弱点を補う目的もあったことがわかります。

平安京に遷都した理由

政治的にも、地理的にも条件の良かった長岡京ですが10年限りの都となってしまいました。その背景には、怨霊の存在があったとされています。平安京に遷都した理由を詳しく紹介しましょう。

藤原種継の暗殺

平安京に遷都したきっかけとなった事件が、藤原種継の暗殺です。

藤原種継とは桓武天皇の側近であり、長岡京への遷都を推奨した人物でもありました。彼の実家が、近所にあったことも要因の一つとされています。

本来、都を移すときは前の宮殿を壊すのが基本でした。一方で、平城京の影響力が大きかったこともあり、桓武天皇は難波宮を壊して長岡京に建て替えることを決めます。

長岡京を建てるにあたり、平城京と縁の深い反対勢力を退けようと励みました。しかし、悲劇にも側近で建築を進めていた藤原種継が、反対勢力に暗殺されてしまいます。この事件が、平安京遷都を決めた発端となりました。

早良親王の幽閉

藤原種継を暗殺した首謀者には、東大寺に関わりのある役人も含まれていました。さらに、桓武天皇の弟でもあった早良親王も容疑者となります。

早良親王は最期まで無実を訴えて、自ら絶食して息絶えたそうです。その後、桓武天皇の母や夫人もが相次いで亡くなります

皇族が次々と亡くなっていく様子を、人々は怨霊による祟(たた)りと恐れました。

こうした恐怖に人々が怯えていたほか、造営の主導権を握っていた藤原種継も死亡したことで長岡京は結局完成できませんでした。

平安京への遷都

長岡京が呪われているのではと人々が恐れるなか、桓武天皇は思い切って新しい都へ移ることを決めます。その都こそが平安京です。

794年に遷都して、まずは早良親王をはじめ怨霊を鎮めようと計らいました。この平安京の神泉苑で行われたお祓いが、御霊会誕生のきっかけとされています。

そして、平安京で政治を行っていた794年〜鎌倉幕府誕生までを平安時代と呼びます。

平安時代は平城京よりも少し大きいくらいの規模を持ち、双方とも唐の長安を参考にしました。ただし、両者は形が大きく異なります。

平城京は外京があったため、東側に突出した歪(いびつ)な形となっていました。一方で、平安京は綺麗な長方形となっています。

時間があれば、平城京と平安京の違いもまとめてみたいと思います。

 

 

まとめ

今回は、桓武天皇が平安京に遷都した理由について紹介しました。

まず、押さえてほしいポイントが桓武天皇は平安京へ移る前に、長岡京を都としていたことです。

しかし、長岡京の造営に取り組んでいた藤原種継が暗殺され、協力していた1人として疑われた早良親王が獄死します。加えて、皇族も相次いで亡くなるといった出来事が起こりました。

この背景があって平安京へ遷都したことを、時系列に沿って押さえるといいでしょう。

今後も、日本史に関する記事を書いていきたいと思うので、更新を楽しみにお待ちください。