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景気動向指数とは?先行指数・一致指数・遅行指数の違いを解説

皆さんも、日本経済の景気に関するニュースは気になっているはずです。

景気を測る基準として、日本では景気動向指数が採用されています。ただし数値には大きく先行指数・一致指数・遅行指数があり、それぞれの特徴を理解しなければなりません。

ここでは、景気動向指数の仕組みを解説します。FP試験の対策にもなるので、経済の勉強をされている方はぜひ参考にしてみてください。

 

景気動向指数とは

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景気動向指数とは、さまざまな経済活動を元に景気を総合評価する指数のことです。

内閣府から毎月発表されており、現在の経済状況のみならず将来の分析にも役立っています。産業分野や金融分野、労働分野と項目が全部で28個あるのがポイントです。

景気動向指数には、大きく分けてCIとDIの2種類があります。まずは、これらの違いについて解説しましょう。

CI(コンポジット・インデックス)

CI(コンポジット・インデックス)とは、景気変動がどのくらい大きいかを分析することです。また景気変動のテンポ(量感)を捉える際にも役立ちます。

CIが上昇していれば、景気が良くなっている証です。一方で下降していると、景気が後退している状態を示しています。

これらの変化を押さえることで、上下に動くタイミングがある程度は捉えられます。このように景気の転換点を知るうえでも、積極的に活用されている数値です。

DI(ディフュージョン・インデックス)

DI(ディフュージョン・インデックス)は、景気の各項目への波及度合いを指す指標です。0〜100%の範囲で示され、50%を上回れば景気が拡張していると考えます。

しかしDIの場合は、景気変動の大きさが分かる手法ではありません。どれほどの経済部門に対し、景気変動が波及しているかが重視されます。

漠然と景気の良し悪しを知りたいときに、活用される手法です。

ただしCIが2008年以降に使われて以降、DIはそこまで積極的に使われていません。

 

先行指数・一致指数・遅行指数の違い

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CIとDIでは、たびたび先行指数・一致指数・遅行指数が使われます。各指数によって、どのタイミングでの指標を参考にすればいいかが変わります。

先行指数

先行指数は、景気の変動に先行して動くタイプの指標です。主な例として、以下の種類が挙げられます。

  • 東証株価指数(TOPIX)
  • 新規求人数
  • 新設住宅着工床面積
  • 消費者態度指数

この特徴から、景気の先行きを捉える際に用いられています。株式投資をされている方は、特にチェックしておくべき指標です。

一致指数

一致指数は、景気の変動に一致して動く指標のことです。主に以下の例があります。

  • 有効求人倍率
  • 鉱工業生産指数
  • 所定外労働時間指数

こちらのタイプでは、景気の現状を捉えるのに役立ちます。現在の経済状況を把握したいときは、積極的に活用したい指標です。

遅行指数

遅行指数とは、景気の変動に対して遅れて動くタイプの指標です。当該タイプの例としては、以下の種類が挙げられます。

  • 完全失業率
  • 消費者物価指数

遅行指数は遅れて反映されるため、景気の予測には向いていません。先行指数と一致指数を見たとき、その予測が正しいかどうかを確認する目的で使われます。

 

景気を調べるときの注意点

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投資家でなくとも、日々のニュースで日本の経済状況が気になる方もいるでしょう。自身で調べる際に注意してほしいのが、家計の状況と日本経済を同一視しないことです。

特に物価が上がっている昨今、人々の生活は苦しくなっています。一方で日本の景気動向指数(一致指数)は、「改善を示した」と評価されているようです(12月時点)。

また景気を調べるときは、思い込みや感情を捨てて数値ベースで捉えましょう。

SNSを活用するのも悪くはないですが、ポジショントークで評価する人も一定数います。そういう意味では、新聞やネット記事も必ずしも信憑性が高いとはいえません

なるべく内閣府のデータなど、一次情報として信用できるものを活用することが大切です。

 

景気動向指数の重要ポイント

今回の記事では、景気動向指数の仕組みや指数の種類を解説しました。

まずは景気動向指数にはCIとDIの2種類があり、そのなかでもCIが特に使われている点を押さえましょう。それぞれを区別しながら理解することが大切です。

また先行指数・一致指数・遅行指数によって、分析できる情報も変わります。3つの指数の役割を押さえ、正しく経済状況を捉えてください。

景気動向指数は、株にチャレンジする方にとっても重要な指標です。データの更新には、常に目を光らせておくのをおすすめします。