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三面等価の原則とは?計算問題で点を稼ぐ練習問題を紹介!

どーも、やまとのです!

今回は公務員試験にも問われるマクロ経済学について書いていきます。

  • 大学の試験
  • 公務員試験
  • その他の経済学を使う試験

の参考にしてみてください。

今回のポイント

  • 三面等価の原則とは?
  • マクロ経済学の基本について

 

 

マクロ経済学とは

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経済学は

  • ミクロ経済学
  • マクロ経済学

という概念があります。

ミクロ経済学は家計や個人レベルの経済について見ていく学問です。

一方でマクロ経済学は国や世界へと焦点を広げた経済活動について見ていきます。

国民のGDPに関する知識、インフレやデフレ、貿易収支などを考察する学問です。

どちらの経済学も公務員試験の専門科目において勉強が必要だといえるでしょう。

 

三面等価の原則とは

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では、先程から書いている三面等価の原則とはどういった内容なのでしょうか?

これは公務員試験でマクロ経済学だと1番最初に習う範囲となります。

まず、はじめに覚えるべき言葉として国内総生産があります。

国内総生産はある国に一定期間で生み出された付加価値の総額です。

言い換えるとGDP(Gross Domestic Product)ですね。

日本国内でどのくらいの付加価値が生まれたかを指す数値なので、海外で仕事している日本人の利益は基本換算しません。(国民総生産との違いです。)

一定期間で生み出された付加価値の総額は、『一定期間で企業が生み出した価値』を指します。

つまり、国内総生産はこの付加価値と必ず等しくなります。

国内総生産は基本的にこのような生産面から求めていきますが、他にも

  • 分配面
  • 支出面

から求めていくことが可能です。

分配面

企業は生産活動でゲットした利益をただ所有するわけではありません。

働いてくれた者に給料として渡さなければなりませんし、政府には税金として納めなければならないですよね?

余った分は『営業余剰』として企業が保管し、今後の活動や会社の運営に使っていきます。

こうして企業の利益はいろいろなところへ分配されていくようになります!

その『分配面』を全て合わせていけば、同じようにGDPを求めることができるのです。

式で表すと
『雇用者報酬+営業余剰+固定資本減耗+間接税-補助金』ですね。

それぞれを簡単に説明していきましょう。

雇用者報酬労働者に支払う報酬を指します。

営業余剰企業に入る報酬です。利潤から雇用者報酬や税金などを差し引いて残った会社のお金と考えるといいかもしれません。

固定資本減耗というのは、生産活動を行うための機械や設備にかかる費用の総称を表します。

機械とかで生産活動を長年行えば、故障や破損の具合によって生産額が減ることもあるでしょう。

固定資本(機械や設備)が万全な状態だったと仮定した時に、その損した分を式に算入して求めていくんですね。

これに関しては現実的に考えると頭がパンクすると思います。

なぜなら、現実では5年使える機械を一括で購入しちゃうことが多いからですね。

本当は機械導入して2〜3年目に突入してもこの機械にかかる費用はありません。

しかし、0円で算入すると実際には機械を使って生産活動を行っているので生産面のGDPの計算と合わなくなります。

だから、例え機械に対して費用をかけていなかったとしても、それを使った生産活動を見比べていきながら固定資本分も計算に含めなければなりません。

機械に故障が見られればその分生産額も落ちるはず。

だからその故障による損失分を分配面で考慮すると生産面との計算とピッタリになるという算段です。

後は企業が政府に支払う税金と逆に政府から貰う補助金の差し引き額を求めれば、企業がいくら分配したかを求めることができ、これがいわゆるGDPになります。

 

支出面

次に支出面から覗いてみましょう。

我々は企業が生産した財やサービスを購入することで生活しています。

  • 食材
  • 電化製品
  • 日用品
  • コピー用紙

などなど。

しかし、こういった支出活動をしているのは我々民間人だけでしょうか?

もちろん違いますよね!

企業間でも財やサービスを売買することがあります。

我々の消費は民間消費(C)
企業間の消費は民間投資(I)
と言われます。(アルファベットも覚えておきましょう。)

では、他に消費活動を行うところはないか探してみましょう。

あまりピンと来ないかもしれませんが、政府も時に企業の財やサービスへ消費します。

これを政府支出(G)と表します。

このような3つの支出を合わせたものがGDPとなります。

つまり、『GDP=C+I+G』です。

しかし、これはあくまで日本国内の支出活動だけで見たケースに過ぎません。

実際は日本国外も支出活動に関わりますよね?

日本と世界各国がお互いに行う消費し合う活動といえば…

そう、『貿易』です。

貿易は
『輸出(E)』
『輸入(IM)』
がありますが、日本国内にお金が残るのは『輸出(E)』ですね。

だから実際の計算式だと
『GDP=C+I+G+(E−IM)』が主に使われます。

このようにして理想のマクロ経済学では、三面等価の原則で3つの視点からGDPが求められるのです。

 

練習問題

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では、公務員試験用の練習問題を解いていきましょうか。

 

問1

雇用者所得 300
営業余剰 90
固定資本減耗 45
直接税 40
間接税 35
社会保障費 30
貯蓄 33
補助金 25

以上の数値を使ってGDPを求める問題です。

ここで一度シンキングタイムということで問題を解いてみてください(^^)

この次の段から答え合わせをしていきます!

さあ、では答えを書いていきましょう。

答えは445です。

これは分配面の『雇用者報酬+営業余剰+固定資本減耗+間接税−補助金』の式を使います。

それぞれの数字を当てはめていくと『300+90+45+35−25』になります。

すると答えは445と出るはずです。

問2

続いての問いはこちら。

民間消費 350
民間投資 330
政府支出 250
海外からの要所得 270
海外への要所得 300
海外への輸出 180
海外からの輸入 200 

この数値を使って『国内総生産(GDP)』を求める問題です。

では、同じようにシンキングタイムといきましょう!

この次の段から答え合わせをします!

さあ、解けましたでしょうか?

では、答え合わせですね!

正解は910です。 

これは支出面の『民間消費+民間投資+政府支出+輸出−輸入』といった式を使います。

数値を当てはめていくと『350+330+250+(180−200)』です。

計算していくと910と求められます。

このように公務員試験等では、不要な数値』が問題に書かれているので、必要な数字のみを計算するようにしましょう。

必ずしも全部の数字を使う必要はありません。

問題文をよく読んで取捨選択してくださいね。

 

まとめ

今回は三面等価の原則ということで、国内総生産(GDP)は3つの観点から求められる旨書いていきました!

特に

  • 分配面
  • 支出面

の公式は必ず押さえましょう。

さらに試験で問われる際には不要な数字まで書かれていることが多いので、必要に応じて取捨選択するよう心がけてください。

次回も同様にマクロ経済学から

『国内総生産(GDP)』の理屈を書いていきたいなと思います。