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行政行為の分類の覚え方!公務員試験では得点源にできる

どーも、やまとのです。

公務員試験の勉強は捗っているでしょうか?

今回の内容は、行政法における行政行為の分類の覚え方です。

行政法を勉強する上で、重要かつ点数の取りどころです。

出題されたらラッキーと思いながら解いていけるようにしましょう。

  • 命令的行為と形式的行為を覚える
  • 分類の覚え方をマスターする

 

行政行為とは?

行政というと何を思い浮かべますか?

  • 市役所職員
  • 県庁職員
  • 国家公務員
  • 警察

以上の職業が具体例として挙げられます。

これらの組織は、時に国民の権利や義務を具体的に決定する権限を持ちますよね?

そういった国民の権利義務に直接的な効果を与える活動を行政行為といいます。

行政行為と一口にいっても、種類によって形態はだいぶ変わります。

きちんとカテゴリーに分けていきながら行政行為の中身を覗いてみましょう。

 

行政行為の分類の覚え方

行政行為の分類の覚え方として、大きく分けて2つの要素に分けてください。

  • 法律的行政行為
  • 準法律的行政行為

前者には、命令的行為と形式的行為の2つの種類があります。

それぞれの内容を押さえつつ、行政行為の分類を全て覚えましょう。

命令的行為

法律的行政行為(命令的行為)は、国民が生まれながらに持っている権利の制限に関する行為です。

我々は多くの権利を持っていますが、治安や社会秩序のために行政が制限することもあります。

新たな制限を設けたり、逆に制限を解除したりする行為が法律的行政行為です。

命令的行為にあたる処分を紹介していきましょう。

下命

下命は国民に対して、一定の作為義務を命令する行政行為です。

つまり、国民に「○○しなさい」と義務付けることが下命になります。例を挙げれば退去処分です。

土地や建物を差し押さえられているのに、いつまでも居残り続けたら『出て行け』と言われますよね?

これが下命の一例ですね。

下命を無視して行動しても、それが直ちに無効にはなりませんが罰則の対象になるため素直に従いましょう。

おかしいと思ったら手続きに沿って戦うべきです。

ちなみに、下命の裏返しにあたる不作為義務を命じる行政行為は禁止と呼ばれています。

「○○してはいけない」と命じる行政行為ですね。

許可

この言葉は日常生活でもしょっちゅう使いますよね?

ただ、行政法の概念では禁止行為を特定の場合に限り解除することを指します。

具体例でよく使われるものが「自動車の運転免許」です。

運転免許が無いのに自動車を運転したら無免許運転で逮捕されてしまいます。

つまり、自動車を運転するのは一般的に禁止されている行為です。

運転免許を国から与えられて、はじめて自動車の運転が認められます。具体例も含めて正しく覚えましょう。

免除

意味合い的には「許可」に近いものの、実際は割と違います。

これは下命の対義語と押さえるといいかもしれません。つまり、義務や負担を解除する行為となります。

営業停止処分を受けていたのが解除されたケースが該当します。時短命令の解除も免除のひとつです。

形式的行為

次に形式的行為の紹介をします。

こちらは、人間が生まれながらに持っていなかった権利を与える行政行為ですね。

当該行為には、次の2つが挙げられます。

  • 特許
  • 認可

他にも『代理』とか『剥権』もあるのですが、公務員試験では上に挙げた2つを押さえておけば十分です。

特許

特許とは、国が私人に対して本来持っていない権利を与える行政行為を指します。

例として挙げられるのが、以下のとおりです。

  • 漁業権の設定
  • 道路占用の許可
  • 公有水面埋立の免許

これらは3つとも国が有する権利であり、我々一般人には当然に備わっているものではありません。

その権利を特別に与えようというのが特許の性質です。

特許は行政側の裁量(独断)で与えないとすることも可能なので、貰う際には注意しましょう。

また、世紀の発見や発明をしたドクターへ出す「特許申請」とは意味が異なるため注意してください。

なお、先程説明した許可は人間の持つ権利であるものの制限された事例です。

特許は「国が持っていた権利」を与える行為を指します。これらの区別も付けられるようにしましょう。

認可

認可は、私人との契約に補充を行うことで法律の効果を発生させる行為を指します。

具体例は以下の3点です。

  • 農地の所有権を移転させる行為
  • 運賃の設定にかかる認可
  • 河川占用権の譲渡

我々は何かビジネスを運営する際において、国からGOサインを貰わなくてはならないときがあります。

そのGOサインが認可です。

特許とは異なり、行政側が裁量的に認可をしないという決定を下すことはできません。

認可を貰っていない行為は無効の対象にはなりますが、禁止事項に反したわけではないので罰則の対象にはならないです。

準法律的行政行為

準法律的行政行為は行政の裁量が一切働くことなく、法律の要件に従って効果を発揮させる行為を指します。

とはいえ、法律的行政行為と準法律的行政行為の区別は曖昧でさまざまな批判が専門家からなされています。

準法律的行政行為とされるものは次の2点です。

  • 確認
  • 公証

他にも受理や通知がありますが、ここでは割愛します(あまり試験では問われないので)。

確認

確認は、ある事実や法律関係の存在または真否を確定させる行為です。

具体例として挙げられるのが建築確認ですね。

これは法律上で争いのある事実関係を判断する行為が対象となります。

公証

次に解説する公証とは、確認と違って争いのない事実関係を公に証明する行為を指します。

例として挙げられる行為が運転免許証の交付です。

すでに要件が備わっている事実を行政がきちんと証明することで、法律上の効果が与えられます。

  • 行政は国民に対して命令する→命令的行為
  • 行政は国民に権利を与える→形式的行為
  • 行政の裁量が働かない行為→準法律的行政行為

 

まとめ

今回は行政行為の種類を『公務員試験レベル』に合わせて説明しました。

行政書士だともう少し細かく勉強する必要があるので、その辺りは注意してください。

記事をまとめると行政行為は、以下の2つに分類されます。

  • 法律的行政行為
  • 準法律的行政行為

法律的行政行為は命令的行為と形式的行為の2種類です。

命令的行為には、次のようなものがあります。

  1. 下命
  2. 許可
  3. 免除

形式的行為に該当するものは下記の2点です。

  1. 特許
  2. 公証

一方で準法律的行政行為は以下の2点を押さえましょう。

  1. 確認
  2. 公証

後は他の参考書も読んで勉強に励んでください。

  • 行政行為を各分類ごとで覚える
  • 下命などの専門用語を押さえる
  • 具体例も覚えるとより簡単になる