物価上昇が著しく進む一方で、所得が上がらず苦しい生活を強いられている人は数多くいるはずです。お金が足りなくなり、生活費の支払いができない家庭も少なからずあるでしょう。
この記事では、お金がないときの対処法についてFP2級の資格取得者が解説します。今後の生活の参考にしてみてください。
お金がなくなる原因
まずは、なぜ自分が今お金を持っていないのかを理解することが大切です。お金が足りなくなるのは、大きく分けて以下の2点が挙げられます。
- 収入が足りない
- 支出が多い
あまりにも当たり前のことすぎて、拍子抜けした人もいるでしょう。しかし、お金がなくなるのは上記の2つ以外には考えられません。
実際は細かな理由も存在するとはいえ、大きな枠組みでは収入と支出に焦点を当てる必要があります。こうした基礎を踏まえて、なぜ自分にお金がないのかを確認しましょう。
お金がないときの対処法
お金がないときには、さまざまな対処法が考えられます。ここでは、収入と支出に分けてどうするべきかを解説しましょう。
収入で見た対処法
収入から対策法を考えるには、お金を稼ぐ手段をよく知る必要があります。特に、貯金がどんどんなくなると視野が狭くなるので注意しなければなりません。
仕事のみならず、投資にも目を向けたうえで対処法を紹介しましょう。
資格を取ったうえで転職
現在の仕事で給料が少ないのであれば、転職を考えることをおすすめします。
転職する際には、ただ闇雲に職探しをするのは望ましくありません。スキルが変わらずに同業他社へ勤めても、給料は大して変化しない場合が多いからです。
むしろ長い目で見た場合、出世が遅れて生涯賃金を下げてしまうケースも考えられます。
転職活動する前に、資格を取得するなどのようなスキルアップを図ることが大切です。準備期間をしっかりと設けて、企業から「欲しい」と思われる人材になりましょう。
スキルや資格が認められれば、高い給料で雇ってくれる仕事が見つかる可能性も高まります。
副業や兼業に挑戦する
今の職場を失いたくない場合は、副業や兼業に挑戦するのも方法の一つです。
インターネットの発達に伴って、家でも問題なく稼げる時代となっています。筆者自身も、現在は会社に勤めているわけではありません。その状態でも、一般的な会社員程度の手取りは毎月得ています。
仕事を探す際には、誰もが無料で登録できるクラウドソーシングがおすすめです。ライターやデザイナーを中心に、さまざまな分野の仕事と巡り会えます。
SNSとは違い、サイト運営者がある程度は守ってくれるメリットもあります。なかには怪しい案件もあるので、活用する際にはクライアントの評価にも目を通してください。
私が使っているサービスは、クラウドワークスやランサーズです。最近は直接契約の方が多いですが、仕事が見つからない時期は多用していました。
ほかにも、自らがスキルを売るマーケットであるココナラも有名です。サービスによって特徴が異なるので、自分に合った種類を選ぶようにしましょう。
投資
一口に「稼ぐ」というと、どうしても働くことを想定してしまうでしょう。一方で、労働のみが稼ぐ手段ではありません。投資でお金を運用することも、金欠を防ぐには重要です。
とはいえ「お金が足りないのに投資をするのはリスキーでは?」と思う人もいるはずです。その考えもまさしく正論であり、投資をするには一定のリスクも警戒しなければなりません。
そもそも、投資の最たる目的は資産の分配です。日本人の場合、稼いだお金の全てを預金口座に入れる人が多数います。しかし日本は金利が非常に低いため、預金していてもわずかな金額しか利息が付きません。
稼いだ額を投資に回せば、利回りでより高い利益が得られる場合もあります。損失を招くリスクもあるものの、余剰資金でコツコツと資産分配する考え方自体は大切です。
投資をするのであれば、2024年1月から制度が変わる新NISAを検討してみるといいでしょう。こちらの制度は、一定の金額まで税金を払うことなく運用できるのがメリットです。
ほかにも投資信託を中心に、比較的リスクの低い金融商品は数多くあります。無理のない金額で投資をするだけでも、得られる金額が大きく変わる場合もあるので検討してみるといいでしょう。
新NISAに関する内容は、以下の記事でもまとめています。まだチェックしていない方は、合わせて記事の内容を読んでみてください。
ポイ活やアンケート回答
一度に大きな金額を稼げるわけではありませんが、お小遣い程度のお金を得たい場合はポイ活やアンケート回答もおすすめです。アンケートサイトでは、筆者もリサーチパネルやマクロミルをよく活用していました。
毎日サボらずに回答を続けるだけでも、月1,000〜3,000円程度稼げる印象です。会場調査や電話回答にも積極的に参加すれば、さらに多くの収入が得られることもあります。
ポイ活では、筆者は時間があるときに「モッピー」を利用していました。簡単なミニゲームにチャレンジするだけでもポイントが得られるので、暇つぶしに使っています。
また検索エンジンの「Bing」では、情報を調べるだけでもポイントが貰えます。アマゾンギフトを中心に、景品とポイントを交換できるのでネットサーフィンが大好きな人にはおすすめです。
ただし、稼げるとはいっても金額は本当に少額です。1カ月を過ごせる程まではいかないので、何もしないよりはマシなレベルだと押さえてくださいね。
支出で見た対処法
続いて、支出で見たときの対処法を説明します。生活をするうえでは、出費自体はどうしても避けられません。しかし、お金を賢く使うことが大切です。
ここでは、お金の使い道をどのようにすべきか取り上げましょう。
生活費を見直す
お金がなくて苦しい場合は、生活費の見直しを検討してみてください。その中でも、固定費の支払いがどのようになっているかを確認することが重要です。
- 家賃
- 光熱費
- 水道代
特に、支払いをコントロールしやすいのがガス代です。ガス代は、節約を心がけるだけでも毎月1,000円程度の節約ができます。
筆者が意識していることは次のとおりです。
- お風呂を溜める機会を減らす
- 皿洗いも極力お湯は使わない
- ガスよりもIHを優先させる
アパートかつプロパンガスの物件で生活している人は分かると思いますが、以外にもガス代はバカにできません。冬場であれば、1人暮らしでも5,000円程度かかるケースもあります。
一方で、電気代は電力自由化によりお得なプランでサービスを提供しているところも少なくありません。会社によってプラン内容も異なるので、さまざまな電力会社を調べてみるといいでしょう。
携帯電話は格安SIM
携帯電話も、現代社会において欠かせないアイテムの一つです。しかし携帯代が多くかかりすぎて、困っている人も一定数いると思います。
携帯電話を契約する際には、特段の理由がないのであれば格安SIMを選んだ方が得策です。格安SIMであれば、月々の携帯代を大幅に下げられます。
筆者も、以前はauの従来プランで契約していました。月々の携帯代は端末の費用も含めて1万円を超えており、非常に悩んだのを今でも覚えています。
そこで格安SIMの情報を目にし、数年前にUQモバイルへ切り替えました。すると1万円を超えていた月々の携帯代が、約4,000円程度まで抑えられます。
現在は家族割の形でYモバイルを契約し、携帯代はさらに安くなりました。
格安SIMに変えても、携帯電話の操作で困ることも特にありません。楽天モバイルは地域によって落差があるようですが、UQモバイルやYモバイルは個人的に安定しているように感じます。
衝動買いを避ける
家賃光熱費や携帯代は、固定費に数えられます。生活するうえでは、絶対に支払わなければならない費用の一種です。
固定費を見直すことも大切ですが、調整しやすい変動費の部分もしっかりと見直す必要があります。
その際に意識すべきポイントは、衝動買いを避けることです。人は欲求に駆られて、気になる商品をつい買ってしまうケースがあります。
お金を使ってしまう理由として挙げられるのが、自分自身の欲望を満たすためです。実際にミクロ経済学でも、人はお金を使うときが満足度(効用)を得られると考えます。
そのため、筆者は基本的にお店には極力入らないようにしています。何か食べたくなったら、家にある物で自炊してみてください。お金ではなく、別の要素で欲望を満たすのがコツです。
コンビニには寄らない
貯金がなくなりやすい人の特徴として、コンビニに通うのが日課になっていることも挙げられます。コンビニはスーパーやドラッグストアよりも商品が高額で販売されており、長い年月で見ると出費も多くなります。
仕事帰りに飲み物や軽食を食べようと、つい立ち寄ってしまう人もいるでしょう。筆者も、公務員だった頃は同じ生活を送っていました。
特に食料高が続いている状況では、必要以上にコンビニを使うのは悪手です。コンビニを経営されている方には怒られるかもしれませんが、節約するうえでは避けるようにしましょう。
クレジットカードを使う
お金が少ない状況だと、買い物するときも現金に頼ってしまいがちです。しかし筆者は、なるべくクレジットカードを使うことをおすすめします。
クレジットカードのメリットは、使用し続けるとポイントが貯まることです。特に楽天カードは還元率も比較的高く、個人的には愛用しています。
クレジットカードを使うには、ネットショッピングを活用するのも方法の一つです。Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングあたりを筆者は使っています。
ネットショッピングの場合、通常は送料が発生するものの安く中古品を購入できるケースも少なくありません。その辺りを気にしないのであれば、積極的に使ってみるといいでしょう。
ただし、クレジットカードの使いすぎには注意が必要です。引き落としが1〜2カ月後になるため、貯金はしっかりと管理しなければなりません。
またクレジットカードの中でも、リボ払いは絶対に避けましょう。リボ払いなどの細かい仕組みは、別の記事に今後まとめる予定です。
節約に使える勉強
節約も感覚的にするのではなく、知識を入れながら取り組むことが大切です。世の中には、支払いができない状態を防ぐための勉強内容が多く存在します。
ミクロ経済学
ミクロ経済学は、家計のやり繰りの基礎となっている学問です。商品を買うときの人の満足度やギャンブルに関する捉え方、ビジネスの戦略などの根幹を学べます。
ただし、あくまで学問なので直接的に節約のスキルを習得できるわけではありません。心理学や行動学といった、人の生活につながる学問と間接的に結びつきます。
マト塾では、ミクロ経済学を題材にした記事も多数紹介しています。気になる方は、カテゴリの「ミクロ経済学」から記事を読んでみてください。
FP2級もしくは3級
FP2級や3級の資格勉強も、お金がないときの対処法を学ぶうえではおすすめです。こちらは投資や資産管理の知識のみならず、保険に関する分野もある程度は押さえられます。
実際に資格を取得すれば、ファイナンシャルプランナーとして働くことも可能です。独立したり、企業に勤めたりとさまざまな分野で応用が効きます。
誰でも挑戦でき、難易度もそこまで難しくはありません。費用対効果は高い方なので、興味のある方はFP取得にチャレンジしてみましょう。
投資に関する勉強
挑戦するか否かにかかわらず、投資の勉強はしておいた方が賢明です。経済ニュースや株価の動きに目を向けると、世の中の動きが少しずつ見えてきます。
投資の勉強をするなかで「企業がビッグセールを開催する予定」などという情報も入手できます。普段の買い物にも役立てるので、常に情報には敏感でいるようにしましょう。
また世の中には、投資と偽って人々を騙す悪い大人もいます。自分自身で勉強すれば、このような大人に騙されないための知識も身につきます。
筆者のブログでも、投資に潜む犯罪に関する記事を上げています。こちらも合わせて参考に読んでみてください。
お金がないときこそ冷静に対処しよう
今回は、お金がないときの対処法について解説しました。貯金の残高が減っていくと、どうしても焦りが出てしまいます。筆者も仕事を辞めたあと、貯金が1万円を切っていたので気持ちは物凄く分かります。
しかし、お金がないときこそ冷静に改善策を見つけなければなりません。一発逆転を狙おうとして、ギャンブルや見知らぬ人の儲け話に走らないでください。
収入と支出を見直せば、コツコツと貯金も回復するようになります。裏技自体が悪いとはいいませんが、まずは基本的な管理方法を網羅するのが先です。
筆者のブログでは、資格試験の解説のみならず投資関係の内容もまとめています。今後の更新情報もチェックしてください。
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