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ポンジスキームとは?詐欺師が飛ぶタイミングについて解説

時折、芸能人もポンジスキームの被害、あるいは加害者になるケースが見られます。特に悪意なく詐欺に加担する形となるため、皆さんも注意しなければなりません。

この記事では、ポンジスキームの内容と詐欺師が飛ぶ大まかなタイミングについて解説します。投資に興味のある方は、絶対にここで紹介する内容を押さえてください。

◆この記事でわかること◆
・ポンジスキームの仕組み(図解)
・詐欺師が飛ぶときの前兆
・詐欺師の嘘を見破る方法

 

 

ポンジスキームとは

ポンジスキームにおける詐欺師と出資者の関係を示した図

ポンジスキームとは、アメリカの天才的な詐欺師であったチャールズ・ポンジによって編み出された手法です。

例えば、詐欺師が皆さんに対して「出資額として20万円を振り込んでください」と依頼しました。加えて「出資額に対して配当金をお渡しします」などの文言を添えます。

この際に20万円を受け取りつつ、配当金と偽って非常に少ない金額を渡します。ある程度金額が集まったら、大金を持ってどこかに飛んでしまうのがポンジスキームの一般的なやり方です。

詐欺師は基本的に多くのお金を集めるため、出資者を増やすように懇願してきます。その言葉に騙されると、被害者も家族や知人に対して手当たり次第勧誘するでしょう。

したがって、被害者といえども詐欺の加害者として動いてしまうのが恐ろしいポイントです。

とはいえ、元々の被害者だった人は相手を騙そうとする意図はないので、詐欺の構成要件に該当するかも微妙な判断になります。警察も頭を悩まされる極悪な手法です。

 

詐欺師が飛ぶタイミング

ポンジスキームの特徴は、お金を払ったあとは一定期間配当金と偽った額が戻ってくることです。この利益を渡す行為により、「本当に運用しているんだ」と被害者に錯覚させます。

しかし、そのまま放置していると詐欺師がどこかに飛んでしまいます。海外に逃げられたら、警察に相談しようにも捕まえるのは難しくなるでしょう。

また民事裁判にかけたくとも、相手を訴えることも容易ではありません。騙されたと気づいたら、詐欺師が飛ぶ前に急いで動く必要があります。

ここでは、詐欺師の飛ぶタイミングについて紹介しましょう。

連絡の頻度が低くなる

詐欺師が飛ぶタイミングとして、まず押さえておきたいのが連絡の頻度です。いまでは、LINEでやり取りする傾向が多いでしょう。

私自身も詐欺の話を持ちかけられたとき、実態調査のためにあえてLINEで応対したことがありました。はじめのうちは、メッセージを送ったタイミングですぐに既読が付いていました。

しかし、しばらくやり取りをすると既読が付くタイミングも徐々に遅くなります。特に私の場合は、上手く会話を誘導させようと試している状態です。ぬらりくらりと避ける様子から、薄々逆探知されていると気づかれたのでしょう。

最終的には一切既読が付きませんでした。恐らく、警戒した詐欺師側がブロックしたと思われます。

こうした傾向は、実際にお金をだまし取ったあとにも見られるようです。最終的には一切連絡が付かなくなり、そのまま飛ばれてしまいます。

連絡が取れているうちに詐欺であることに気づき、警察や弁護士などを頼る必要があります。ただし、皆さんもわかると思いますが難易度は非常に高いので、そもそも騙されないのがベストです。

支払いに遅れが見られる

ポンジスキームでお金をだまし取られたあと、最初の数ヶ月は定期的に支払いされる傾向があります(絶対ではありません)。

無論、何度も説明しているとおり、この支払いは相手をだますための罠です。信用を得つつ、飛ぶ準備を着々と進めています。

飛ぶ準備が整うと、支払いが遅れるといった現象が見られやすくなります。ここまで来ると、詐欺師にいよいよ逃げられてしまうと押さえてください。

連絡の頻度と同様に、支払いが続いているうちにだまされたと気づかないといけません。

とはいえ、普通の人は大抵気づくことができないでしょう。問題なく支払われていれば、しっかりと運用されているとどうしても考えてしまうからです。

そのため、あらかじめポンジスキームの知識を入れておく必要があります。

大規模なキャンペーンの発表

詐欺師側が大規模なキャンペーンを打ち出すときも、飛ぶタイミングが近いと思った方が賢明です。こうしたキャンペーンを出す場合、大抵は資金繰りに苦労しています。

もし相手に多くのお金が入ったら、そのタイミングで飛ばれると覚えてください。無論、そもそも引っかからないのがいいですが、旨い話に拍車がかかると白々しく感じる人もいるはずです。

その直感は正しいので、できる限り早く行動しましょう。

出金に制限が生じる

出金に相手が応じないような場合、詐欺師側はすぐに飛ぶ準備が整っています。正直に言うと、この段階まで来るとお金を取り返すのは非常に困難です。

なるべく出金に制限が生じる前に、詐欺の存在に気づいて行動しなければなりません。

このように、詐欺師が飛ぶタイミングは大体が資金繰りに陰りが見られたときです。

お金を渡してしまうと、リスクは大きく跳ね上がります。飛ぶタイミング前に気づいても、必ずしも取り返せるとは限りません。

何度も言いますが、1番は安易に相手へお金を渡さないことが重要です。

 

 

ポンジスキームを見破ろう

ポンジスキームの被害に遭わないようにするには、自身で投資の基本を知っておくようにしましょう。基本を押さえていれば、詐欺師の言葉に対する矛盾点を見つけられます。

ここでは、ポンジスキームの見破り方について解説します。

利回りが高すぎる

詐欺師は架空の投資商品の魅力を高めるべく、やたらと高い利回りを誇示します。月利15%などというセリフが出てきたら、間違いなくポンジスキームだと疑ってください。

利回りの理屈についても説明しましょう。一般的に利息に関しては、以下の計算式が用いられます(複利の場合)。

年利=元本×(1+年利率)^{年数}

月利が15%もあったら1年換算では180%もある計算です(15%×12。年利率を1.8にして年利を求めてみてください。

たとえ元本が100万円だとしたら、年利含めて1年だけで280万円になってしまいます。だいぶ大雑把な計算ですが、そのくらい現実離れした数字が使われています。

投資をしたことがない方からすれば、月利15%も高いか否かが分からないかもしれません。

一般的な投資の利回りは、年利で7〜8%で良好な水準とされています。この数字を押さえ、現実的にかけ離れたパーセンテージは一切無視しましょう。

書面の契約書を出さない

契約書を書面で出さない企業も、悪徳業者の一つだと捉えてください。

これまでは書面以外での契約書は特商法で禁じられていました。しかし、2023年6月に消費者の承諾を得た場合は、電子書面でもOKと最悪な法改正がなされました。

皆さんは決して電子書面の提示に承諾しないでください。消費者側の承諾がない限りは、紙ベースでの書面でないとNGとされています。

詐欺グループはたびたびLINEや電子メールのデータを用いて、契約を結ばせようとします。絶対に署名はしないで、その場から立ち去りましょう。

万が一、しつこく話しかけてくる場合は「一度家に持ち帰ります」と言って逃げるのが賢明です。無事にたどり着いたらLINEをブロックするのをおすすめします。

消費者金融を利用させる

投資の勧誘では、元本として数十万円から数百万円のお金を出資してほしいと言われるケースも少なくありません。

皆さんも、急には用意できない人がほとんどのはずです。

そこで断ろうとすると、今度は消費者金融に行かせてお金を借りさせようとします。この行為も適合性の原則に反していると覚えてください。

投資を売るときは、相手の知識や財産に合った商品を紹介しないといけません。消費者金融で無理にお金を借りさせるのは以ての外です。

特に消費者金融は利子が高く、一度借りてしまうと多額の返済に追われてしまいます。絶対に借金には手を出さず、その場を切り抜けるようにしましょう。

饒舌で話が止まない

詐欺師の特徴は、饒舌で話が全く止まないことです。このような話し方をするのは、相手に考える隙を与えないためとされています。

詐欺師のペースに乗せられてしまうと、いつの間にか投資商品を購入する流れになる恐れがあります。できる限り、早い段階で「怪しい」と感づいて離れることが大切です。

また、勧誘される際には1対数人という形で数的有利の状況を作ろうとします。基本的には得体のしれない「師匠」が現れるのがお決まりの流れです。

師匠(笑)も結局は大した人物ではないので、華麗にスルーして離れてください。

なお、筆者のnoteでは詐欺師に騙されないための心構えについて詳しく紹介しています。無料部分のみでも情報量が膨大で、有料部分も安価で購入可能です。興味のある方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

 

まとめ

今回は、ポンジスキームを中心に詐欺師の実態について解説しました。主に飛ぶタイミングの説明をしましたが、1番大切なのは詐欺に引っかからないことです。

ビジネスや投資の話を出されても、決して甘い誘惑に騙されないでください。できる限り早い段階で「怪しい」と気付き、なるべく合わないように心がけましょう。

特に、注意しなければならない点が昔の友人から連絡が来たときです。しばらく連絡がなかったのに、突然2人きりで会おうと言われたら勧誘を疑ってみるのをおすすめします。

ポンジスキームは、下手すると自分自身も加害者になる危険な仕組みです。知識をしっかりと入れつつ、甘い誘惑から逃れられるように気を張りましょう。