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法の下の平等とは?中学生でもわかるように内容を簡単に解説

日本で生きていく中で、欠かせない存在の一つが「法の下の平等」です。この考え方があるからこそ、私たちは人間らしく生きることがきます。

この記事では、法の下の平等がどのような意味を持つかを、中学生や高校生でもわかるように解説します。高校受験や大学受験を控えている人は、ぜひ参考にしてください。

 

法の下の平等とは

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法の下の平等は、日本国憲法に定められているものの一つです。人々が差別されず、事由に生きるための基準ともいえます。

「下」は、「もと」と読むのが正しいです。「法の元」ではなく、「法の下」ですので漢字で書くときは注意してください。

憲法=国の最高法規

私たちが生きるためには、社会全体でルールを作らなければなりません。そのルール全体を法規(ほうき)とよび、法律・条例・規則などさまざまな種類があります。

憲法は、これらのルールよりも最高の位に位置する法規です。この世の法律や条例は、憲法に違反するものを作ることができません。




憲法と法律は違うんだね!




法律を監督するのが憲法と覚えよう!

法の下の平等の定義

法の下の平等で差別されないのは、人種や信条、性別、社会的身分、門地(家柄)などです。これらは憲法に書かれていますが、それ以外でも差別するのは原則認められません。

まだ武士がいた頃の日本では、どの家柄に生まれるかで身分が決まっていました。位の低い者はいくら努力をしても、役人たちに逆らうことができなかったのです。

もちろん今の世の中に、不平等さが全くないわけではありません。親ガチャという言葉もあるとおり、どこに生まれるかで生き方が変わることもあります。

しかし憲法に定めがあれば、社会は不平等さをなくす努力をします。より平等な社会を築くためにも、法の下の平等は重要なルールとなるでしょう。

 

法の下の平等の対象

※画像はイメージです

ここで法の下の対象となる、人種・信条・性別・社会的身分・門地をそれぞれ見ていきます。どのような差別が許されないかを覚えてください。

人種=外国人との関係

外国人に対して、一定の限度を超えた差別は許されません。

特に日本は、グローバル化社会を目指しています。外国人が日本に来るのはもちろん、海外で働く日本人も少なくありません。生まれた国に関係なく、世界中が協力し合って生活する社会が望ましいとされています。

とはいえ日本人と外国人を区別すること自体が、必ずしも悪いわけでもありません。日本国内であれば、日本人が優先されるのは当然でもあるためです。

例えば国の仕事をする国家公務員は、日本人しか働けないと法律で定められています。外国人に国の仕事を任せると、日本侵略の糸口になりかねないためです。

信条=宗教について

皆さんの中には、宗教団体に入信している人もいるかもしれません。昔からあるキリスト教やイスラム教に加え、数多くの宗教が世の中に存在しています。

どの宗教を信じるかは個人の自由であり、国が強制するのは許されません。また特定の宗教に対し、差別的な発言をするのも認められないのが普通です。

一方で「何も信じない」という自由も、当然ながら認められています。「何かを信じる」「何も信じない」と2つの自由があることを押さえてください。

性別=男女の考え方

現代では厳しくなっていますが、性別による差別もしてはいけません。

世界の歴史を見てみると、昔は女性を差別する国がいくつもありました。女性に選挙権を与えず、仕事でも高い役職につけないのがめずらしくありませんでした。

日本でも女性に初めて選挙権が与えられたのは、第二次世界大戦が終わったあとです。歴史的に見てみると、つい最近の出来事だったといえます。

しかし近年では、男性に対する差別的な扱いも問題とされています。「男性は育児休業が取りづらい」などが主な例です。

男性と女性は身体の特徴が異なるため、価値観にも違いは生まれてしまいます。ただしそれを仕方ないで終わらせず、お互いに助け合う心が大切です。

社会的身分=地位

社会的身分とは、人が生まれながらに持つ地位のことです。たとえ都会が好きでも、出身地を自由に選べるわけではありません。都会に生まれるか、田舎(いなか)に生まれるかは運に任せるしかないでしょう。

都会や田舎の話ならまだいいですが、日本には古い昔に差別されてきた地域もあります。このような間違いを反省し、出身で差別されることのない社会づくりが求められます。

なお学歴や職業は、後から得られる地位なので社会的身分には含みません。

門地=家柄

門地とは、家柄を指す言葉と覚えてください。社会的身分と分けられていますが、こちらもその一種と考えてよいでしょう。

例を挙げるのであれば政治家の子どもを、他の子どもよりも優先させるような行為です。もちろん家によって収入や生活は異なりますが、それを国が差別の材料にするのは許されません。

 

法の下の平等は生活でも大事な知識

今回の記事では、中学生や高校生に向けて「法の下の平等」を解説しました。公民の分野は学校ではあまり集中的に取り上げないため、しっかりと勉強できていない人もいるでしょう。

ただし法の下の平等など、公民の内容はこれから私たちが生きるなかで重要な分野の一つです。受験勉強だけではなく、日常生活にも役立つ知識といえます。