どーも、やまとのです!
今回も公務員試験の勉強をやっていきましょう!
これまでやってきた内容は
『専門試験』で問われる内容です。
国家公務員や地方中級・上級公務員等を受験される方は必ずマスターするようにしましょう!
今日は
『法の下の平等』
について見ていきます。
○今回のポイント
- 法の下の平等の考え方
- 判例を必ず押さえること
1.法の下の平等とは?
これは憲法14条に定められている内容です。
すべて国民は法の下に平等であり、人種や信条、社会的身分、門地(家柄)などで差別されない旨記載されています。
恐らく、我々の生活において最も過敏に反応する内容なのではないでしょうか?
ただし、平等や差別といっても概念が曖昧なところも多いです。
形的には平等に見えても、実質的な中身が平等にならないことなどザラにありますからね。
ここで法の下の平等で覚えるべきポイントをまとめてみました。
- いかなる場合でも各人に異なる取り扱いをしてはならないわけではない
- 14条に書かれているのはあくまで例示的なものであり、実際はこれに限定されない
- 法の下の平等は立法と行政、司法をすべて拘束する
この辺りのポイントは問われることもあるので、覚えておいて損はありません。
後はお馴染みの判例を答える問題が並びます。
過去の判例から変わった部分もあるので、しっかりと押さえるようにしましょう。
《公務員試験アピールとしてTOEICに挑戦してみよう!》
2.有名判例を一挙紹介
ここでは、有名な判例を紹介していきます。
しかし、選挙に関する判例はだいぶ多いので後回しにする予定です(^◇^;)
内容も複雑ですからね。
スピードを心がけてポンポン紹介していきましょう!
・尊属殺重罰規定違憲判決
いきなりこの判例を出しますが、結構内容はえげつないです。
記事ではざっくりとしか紹介しませんが、ある家庭内トラブルを抱えた娘さんが父親を殺害しました。
親は一般的に尊属と位置付けられますが、昔の刑法は尊属を殺害したら
『死刑か無期懲役』の2択しかなかったのです。
そこで司法は『尊属』への殺害に関して、区別を付けるまではいいものの『死刑か無期懲役』に限るのはやりすぎだよねと違憲判決を下しました。
それから刑法は改正されるようになります。
・大阪市売春取締条例事件
この事件は売春にかかる条例の内容が地域ごとで違うのはおかしいのでは?と争われた事例です。
しかし、憲法が地方自治体に条例を作成してもいいよと認めているので、地域によって違いがあるのも予期していることといえます。
司法もそこを考慮して、違憲には当たらないと判断しました。
・サラリーマン税金訴訟事件
公務員受験現役の頃は意外とこの事件の意味が分かりづらくて苦戦しました(笑)
我々はお金を稼いだらその分『所得税』として税金を納めなければなりません。
ただ、旧所得税法が事業所得者(主に個人事業主)と給与所得者(サラリーマン等)の対応が差別的だとかつて訴訟が起こされたのです。
その原因は必要経費(交通費等)を税金から控除できるか否かにありました。
※事業所得者には必要経費の特別控除が認められていたが、給与所得者には認められていない。
しかし、司法はこの件が専門的かつ技術的な判断に委ねる以外ないとして、裁量を認めます。
旧所得税法の目的が正当であり、著しく不合理な点が明らかでなければ憲法14条に違反しないとしました。
そして、この事例もまた違法するものではないと判断されたのです。
この判例を勉強した当初は大学生だったので、いまいち税金にピンと来なかったのもあって理解が難しかったですね(^_^;)
・堀木訴訟
この事例は僕の公務員時代の業務にも関わる内容だったので、働いていた頃の方が頭に入っていました(笑)
児童扶養手当というひとり親に対する手当てがあるのですが、これは基本的に障害年金と併給ができません。
今は『差額分』の支給が可能ですが、この訴訟が起こった頃は併給自体が禁止だったと思います。
それが障害年金受給者か否かで手当て対象者の判別をつけるのはおかしいぞ!という争いに繋がったんですね。
まあ理屈をいえば、障害年金を貰っている人はそちらを保障されているから児童扶養手当まで本来なら要らないよねという話で成り立っています。
それもあって司法も不合理な差別ではないとして結論を出しています。
・日産自動車事件
そういえばレバノンの状況は……
いや、止めときましょう^^;
これは全く違う話です。
日産自動車の昔は男女ごとに定年年齢が違っていたようですね。
- 男性→60歳
- 女性→55歳
が定年とされていました。
この定年年齢が差別にあたるのではと訴訟問題に発展します。
司法の判断は不合理な差別にあたるとし、民法90条違反の判断を下しました。
まあ、今だと定年年齢も男女ともに伸びているんでしょうけどね。
この辺が有名判例かなと思います。
3.非嫡出子の相続分規定
では、最後にこの判例だけまとめてみましょう。
これは民法の相続にかかる規定で生じた問題です。
皆さんは
- 嫡出子
- 非嫡出子
の違いを把握していますか?
あまり聞き慣れないかもしれませんが、
- 嫡出子→法律婚の男女から生まれた子
- 非嫡出子→婚姻関係にない男女から生まれた子
と押さえておきましょう。
この両者で実は相続分が大きく違っていたのです。
非嫡出子の場合は、嫡出子の1/2しか相続が認められていませんでした。
つまり、兄弟のうち兄が嫡出子で弟が非嫡出子という複雑な関係である場合は、弟は兄の半分しか相続が貰えないこととなります。
そして、この規定を巡る争いが起こります。
この民法の規定は法の下の平等に反するということで争われましたが、平成7年時点ではこの規定が著しく非合理とはいえないとして、棄却されてしまいました。
僕が勉強していた頃は、この判例が更新されるかどうかの年だったので、当時はこの判決が正解でした。
ただ、大学生だった当時はだいぶ理不尽な印象は受けましたね(^◇^;)
相続はあくまで子どもの権利であるのに、嫡出子かどうかで左右されてしまうんですから。
しかし、その考え方にメスを入れたのが平成25年度の判例です。
これまでは憲法に違反しないと判断されてきたこの規定ですが、平成25年の判例では「生まれた場所で相続分が変わるのは子どもにとってどうしようもできないだろ」と違憲判決を出しました。
古い問題集を使っていると、この辺りが更新されていない可能性もあるので注意してくださいね!