どーも、やまとのです!
公務員試験の勉強は捗っているでしょうか?
現在、こちらのブログでは公務員試験の専門科目を解説していますが、どうしても範囲が広いので全てを押さえるのは難しいです。
あくまで参考程度に、ベースの勉強は各自で進めるようにしてくださいね!
今回の内容は
『思想・良心の自由』
『信教の自由』
です。
1.両者の自由とは?
この自由は我々の考え方や信念にかかるものとなります。
思想・良心の自由は、特定の思想を持つことに関する自由です。
これまでの歴史の中で、ある特定の思想を抱いていた人が弾圧されるという事件がたくさんありました。
場合によっては『死刑』になり、そうすれば自ずと国家が人々の思想をコントロールできるようになってしまいます。
こういう社会はさすがにマズいよねということで、
国民が特定の思想を持つ自由を認めました。
思想・良心の自由は『絶対的』とされ、内心に留まる限りは誰にも干渉されることがありません。
さらに、信教の自由は誰に対しても保障され、宗教上の行為を強制されることはないとされています。
政治と宗教が分離されるのを政教分離といいますが、ここではそういった社会づくりを目指す旨も記載しているのです。
国や国に付随する機関は、
宗教教育や宗教的活動をするのが断じられています。
宗教団体は国から特権を受けたり、政治的権力を行使したりしてもいけません。
かなりデリケートな内容にはなりますが、これまでもこれらの自由に関して多くの判例がありました。
次にその判例を一通り紹介していきましょう。
【公務員試験の合格を目指すなら…】
2.思想・良心の自由に関する判例
はじめに、思想及び良心の自由に限定して判例を取り上げてみます。
ただ、ここで習う判例はどれも重要なものばかりです。
本当は全部紹介しなければならないのですが、今回はある程度限定して並べていきましょう。
紹介し切れなかった判例は、後日改めて書いていければなと思います。(あくまでまだ未定ですが)
今回取り上げるのは
- 謝罪広告事件
- 三菱樹脂事件
- 麹町中学校内申書事件
- 南九州税理士会政治献金事件
です。
・謝罪広告事件
この事件は衆院選で他の候補者を名誉毀損した方へ、裁判所が『謝罪義務』を命じたところから始まります。
「謝罪を強要するのは内心の自由に反する!」
と争いますが、
『単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明する程度』であれば、思想・良心の自由は侵害しないと最高裁は判断しました。
この最高裁の判決は見たら思い出す程度に覚えておくといいでしょう。
ちなみに司法試験レベルだとこの判例はさまざまな説があるので一気に難しくなります(笑)
・三菱樹脂事件
これは三菱樹脂株式会社の採用試験で合格を果たした方が、学生運動の参加に関して虚偽の申告をしたとして採用を拒否された事件です。
企業が採用の拒否の際にその者の思想を考慮するのはどうなんだと争われました。
判例は
『企業が持つ雇用の自由』
も視野に入れて考えていきます。
最終的には企業が労働者の思想や信条を調査して、採用か否かを判断しても問題ないと結論を出しました。
・麹町中学校内申書事件
思想にかかる運動をしまくっていた生徒が、内申書にその運動の内容を書かれて受験した高校を全て落とされてしまいました。
なかなかショックな出来事ですが、生徒側は負けじと国に賠償請求を求めます。
(国家賠償請求訴訟)
最高裁は学校側が思想や信条をそのまま書いたわけではないことに目を向け、内申書は思想良心を侵害しないと判断しました。
・南九州税理士会政治献金事件
政治献金事件というと
『八幡製鉄株式会社政治献金事件』
を思い出しますよね。
ただ、この事件は結論が大きく異なります。
税理士会は基本強制加入団体であり、脱退の自由が認められていません。
加えて税理士会の政治献金は、
『目的の範囲外の行為』
と最高裁は判断しました。
したがって、寄付行為を義務付ける本件は違法とされています。
3.信教の自由に関する判例
次に『信教の自由』に関する判例をまとめていきましょう。
ここで紹介するのは
- 加持祈祷事件
- 津地鎮祭事件
- 愛媛玉串料訴訟
- 箕面忠魂碑訴訟
・加持祈祷事件
この事件は細かく調べるとかなり残虐です^^;
ここでは経緯と結果だけを書いていきますね。
精神異常治療と称した加持祈祷の実態は単なる暴行同然でした。
結果的に被害者は死亡し、最高裁は
- 著しく反社会的
として信教の自由を逸脱したものと判断しました。
・津地鎮祭事件
三重県の津市が市体育館を設置する際に地鎮祭を行って7633円のお金を支出したのが問題視された事件です。
政教分離原則に違反するのではと住民訴訟が提起されましたが、最高裁は以下のような結論を出します。
-
本件起工式は宗教とかかわりを持つのは否定できない。
-
しかし、社会の一般的慣習であって宗教活動にはあたらない
・愛媛玉串料訴訟
これは愛媛県が靖国神社に対してお祭りに使う玉串料を7万6000円ほど支給した事件です。
津地鎮祭事件と似ているような気もしますが、この事件では愛媛県の行為が違法と判断されました。
起工式とは異なって神社の玉串料奉納が社会的儀礼といえないことが要因と挙げられています。
・箕面忠魂碑訴訟
非宗教団体である遺族会が慰霊祭を忠魂碑前で行うにあたり、市長や教育長が公費を使ってその準備にあたらせました。
また似たような事例ではありますが、果たしてこの件はどのように結論を下されのでしょうか?
司法は遺族会が
- 宗教を目的とした団体ではない
- 小学校校舎の建て替えがもう一つの目的にあった
ことを考慮して宗教的活動にあたらないとしました。
他にも
-
殉職自衛官合祀事件
-
大阪地蔵像違憲訴訟
-
空知太神社訴訟
といった公的機関と宗教の問題がありますが、どれも公的機関側に違法が見られないと判断しています。
4.まとめ
今回は
『思想・良心の自由』
『信教の自由』
についてまとめました。
ここで出てくる判例も例外ではなく超重要なのでしっかりと押さえてくださいね!
この記事でも強調していますが、公務員試験レベルであれば判例は
- 結論
を優先的に見ていきましょう!
後は内容をおおざっぱに把握すればイメージしやすいかなと思います^_^
紹介し切れなかった判例については、また別のタイミングでブログなりYouTubeなりで紹介できればなと思っています。
ご覧いただき、ありがとうございました!