どーも、やまとのです!
今回も公務員試験対策ということで勉強を頑張っていきましょう!
自身が持っている参考書も見比べながら対策してみてください(^^)
今回の内容は
『行政裁量』についてです!
全く聞き慣れない言葉だと思いますが、
世の中の仕組みを知る上でも重要なので勉強していきましょう!
○今回のポイント
- 行政裁量とは何か?
- 行政裁量の種類を押さえよう!
1.行政裁量とは?
行政裁量の説明をする前に『裁量』という言葉の意味を書いていきます。
裁量とは、
『その人自身の判断で処理をすること』です。
行政裁量に当てはめて考えれば、
『行政の判断で処理をすること』となります。
前回のブログでは、意味合いが若干違うながらも『独断』と一言でまとめてみました。
行政は基本的に法律のルールに沿って活動します。
しかし、行政の仕事は多種多様かつ大量の処理が必要です。
いちいち何かの判断材料に則して考えていたら、
業務が終わらなくなってしまいますよね?
そのトラブルを防いで円滑な業務を進めるため、
行政にはある程度の裁量が認められているのです。
2.行政裁量の種類
さて、次に行政裁量にはどのような種類があるのかを書いていきましょう。
大きく分ければ
- 法規裁量(覊束裁量)
- 自由裁量(便宜裁量)
があります!
法規裁量は
『どの法律に当てはめ、解釈するかの裁量』
であるといわれています。
例を挙げれば
公安委員会の自動車免許の取消処分
が該当しますね。
当該裁量については原則として
裁判所(司法)の審査が及ぶとされています。
次に自由裁量についてですが、
これは目的や公益に適するかを判断する裁量となります。
- マクリーン事件
- 国家公務員への懲戒処分の裁量
- 文部大臣の教科書検定
が具体例です。
しかし、これらの具体例につきましては、下記の記事にまとめていこうかなと思います。
ぜひ、併せてご覧ください。
今回はあくまで行政裁量の体系の説明なので、
続いては『自由裁量』を集中的に解説していきます。
3.自由裁量の中身
自由裁量はさらに細かく分類していくことが可能です。
ここも公務員試験においては問われやすいので
しっかりとマスターしていきましょう。
主に自由裁量は
- 要件裁量
- 効果裁量
に分かれます。
・要件裁量
要件裁量とは、法律の要件の当てはめ段階における裁量と定義されます。
裁量権の範囲を超えるか、濫用がなければ司法の審査の対象にはならない
ところが法規裁量との違いです。
要件裁量は法律が細かく確定できていない場合に
行政の裁量が用いられます。
有名な『マクリーン事件』がその一例ですね。
事件の詳しい解説は次回に行いますが、
マクリーン事件は在留外国人の政治活動と在留期間に関する法務大臣の処分が問題視されました。
在留外国人の在留期間に関しては
『出入国管理令の規定』に沿いますが、
具体的な中身は法務大臣の裁量に任せられています。
その裁量が常識的に考えて妥当性を欠いていなければ、
違法にはならないと最高裁は最終的に判断しました。
マクリーン事件も
法務大臣が更新の延長を拒否した判断を下したのは
違法じゃないと示しています。
このように法律が抽象的でありながら、
具体的な中身を決めないといけない場合に
採られる裁量が要件裁量です。
法規裁量は「適用させる法律」を決める裁量なので
内容も全然違うことが分かりますね!
・効果裁量
効果裁量は
『行政がどのような処分を用いるか』
といった手段や方法に関する裁量です。
国家公務員の懲戒処分
の例が最も分かりやすいと思います!
国家公務員が失態を起こして問題となったとします。
この時、国家公務員法の規定に従って
- 戒告処分(口頭注意)
- 減給処分(給料を下げる)
- 懲戒解雇(クビ)
などといった処分ができますが、効果裁量によって
どの処分を選ぶかという決定権は行政にあるのです。
効果裁量も要件裁量と同じで
裁量の範囲を逸脱または濫用
が見られたときに司法の判断も適用されます。
ちなみに、行政裁量には『時の裁量』という概念も存在します。
行政が裁量権を発揮するタイミングもまた独自で判断できるというものです。
『時の裁量』という名前を押さえる必要はさほどありませんが、タイミングにも裁量権が与えられていることは覚えた方がいいでしょう。
過去にも出題されたケースがありました。
4.まとめ
今回も公務員試験の行政法をテーマにしました。
行政裁量には2つの考え方があります。
- 法規裁量(原則全て司法判断適用可能)
- 自由裁量(裁量の範囲逸脱・濫用があったときだけ司法判断可能)
です。
自由裁量はさらに
- 要件裁量(法律の要件判断にかかる裁量)
- 効果裁量(手段や方法にかかる裁量)
に分かれます。
『行政裁量』もどちらかといえば点数の取りどころだと思います。
行政法は全体的に取っ付きにくいので、
専門科目の中でも割と難易度が高いです。
それを何とか分かりやすくイメージできるよう、
理解していかなければなりません。
ご覧いただきありがとうございました!