やまとの塾長の教室

これからの時代を生きるための教育と勉強

職業活動の自由と判例の勉強。基準の考え方が重要。

どーも、やまとのです!

 

公務員試験対策かつ憲法の勉強をしていきましょう!

 

前回は表現の自由を終わらせた後に

職業活動の自由等の導入部分に入りました。

 

本日は職業活動の自由にかかる判例を説明した後に、移転の自由も少し深くみていきます。

 

○今回のポイント

  • 薬局距離制限事件は必ず押さえるべき
  • 外国人と移転の自由の関係を見てみよう

 

 

 

1.職業活動の自由の判例

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一応、前回の復習も兼ねてザッと説明。

 

こちらは自由に職業を選んでいけるように規定されたものです。

 

どの会社に勤めるかだけではなく、

  • 起業
  • フリーランス
  • ユーチューバー

などとありとあらゆる職業から我々は1つの生き方を選べます。

 

営業に関しても自由が認められています。

営業の自由

 

とはいえ、完全なる自由が認められているわけでもなく、公共の福祉を基軸にして制限させることも多いです。

 

今回紹介する判例は

  • 薬局距離制限事件
  • 小売市場距離制限事件
  • 西陣ネクタイ訴訟

に絞ります。

 

 

・薬局距離制限事件

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この事件は薬局を開設しようとした方が申請を出したところ、薬局開設制限規定のために不許可処分が出されたことで起こります。

 

まず、ここでは

  • 薬局の開設が許可制である
  • 薬局の適正配置規制

という2つの観点で見ていかなければなりません。

 

この2つの規定は薬事法という法律に定められていました。

 

薬局の開設が許可制であることについては、最高裁も合理的な措置だと認めています。

 

許可制自体は憲法に違反しません。

 

しかし、ここからが重要です。

 

今回、知事が不許可処分を出したのは

薬局の適正配置規制が問題視されたためでした。

 

つまり、薬局を開設するには地域的に定められている配置基準をクリアしなくてはならなかったのです。

 

その理由は、薬局があちこちに設立されると競争が激しくなって経営も乱れるよねという懸念でした。

 

結果として、

  • 不良品同然の薬が作られそう
  • 配置基準を決めれば過疎地域にも薬局が作られるのでは?

という不安&期待に繋がると薬事法は期待しました。

 

ただし、最高裁はその考えに疑問を抱きます。

 

「別に経営乱れるとか、不良品の薬が作られるとか配置基準は関係なくね?」と最高裁は思うんですね。

 

過疎地域に薬局作られる云々も

他に方法はいくらでもあるよね?

と結論を出します。

 

最終的には、

  • 許可制自体はOK(合憲)
  • でも適正配置規制はアウト(違憲)

という判断がなされました。

 

この薬局距離制限事件の違憲審査には、国民の安全や生命を軸にし厳格的な基準で判断する

消極的・警察的規制が用いられています。

 

ちなみに、公務員試験に出てくる

『職業活動の自由』の判例で違憲審査が下されたのはこの事件くらいです。

 

後の判例は全て合憲なので、頭の中で上手く分けられると思います(^^)

 

 

・小売市場距離制限事件

小売商業特別調整特別措置法という漢字だらけで見るからに難しい法律があります。

 

ある方がこの法律に違反したために小売市場の開設や経営を不許可処分とされました。

 

そのため、当該法律は憲法22条1項に違反すると主張しますが…。

 

裁判所は憲法に違反しませんと結論を出しました。

 

この判例は薬局距離制限事件とは違って

積極的・政策的規制を用います。

 

判例を作る際には

明白の原則という基準を設けました。

 

これは、法律を作る立法府に裁量を認めていますという意味であって、この基準で違憲判決した例は今のところありません。

 

 

・西陣ネクタイ訴訟

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この事件の背景には国の政策があります。

 

国は国産の生糸生産を目的とし、外国からの輸入を制限しました。

 

しかし、織物を作っている業者は材料となる生糸を安価で買えなくなったので損害を受けたと賠償請求訴訟を起こします。

 

最高裁は今回の措置は

『著しく不合理であることの明白な場合に限って違憲であると考えました。

 

そして、輸入制限はそのような条件にはあたらないとして違法じゃないと判断します。

 

 

2.移転の自由について

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では、次に同条で保障されている

移転の自由について解説しましょう。

 

この移転の自由において有名な事件に

帆足計事件があります。

 

これは、ある政治家がソ連(現ロシア)で開催された会議に出席しようと旅券の発行を申請しました。

 

ただ、外務大臣は旅券法に反するとしてその申請を拒否します。

 

結局政治家は会議に参加できず、国家賠償請求しました。

 

裁判所はこの旅券法の規定は、公共の福祉』にとって合理的な制限を定めているものと判断し、特段問題なしとしたのです。

 

なお、憲法22条2項は外国への一時旅行する自由も保障されています。

この『外国への一時旅行する自由』というワードは結構出題されるのでしっかりと押さえておきましょう。

 

この移転の自由によって、我々は国籍を離脱することも可能です。

 

しかし、無国籍になることまで認められるわけではありません。

 

ここで、この憲法22条2項は外国人にも保障されるかが問題となります。

昭和32年12月25日の判例では、

性質上外国人に限って保障しない理由がないと判旨しました。

 

ただし、森川キャサリーン事件では憲法上在留する外国人に

外国へ一時旅行する自由は保障されていないと述べています。

 

 

3.まとめ

今回は職業活動の自由をテーマに見ていきました。

 

  • 薬局距離制限事件
  • 小売市場距離制限事件
  • 西陣ネクタイ訴訟

どの判例も重要なので、絶対に押さえてください。

 

また、その他の事件も有名なものがありますが、薬局距離制限事件の項目でもいった通り、ほぼ全てが合憲です。

 

外国人と移転の自由についても出題される可能性は十分あるので必ず押さえるようにしましょう。

 

ご覧いただきありがとうございました!

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