法律の制定を中心に、私たちの生活の基盤を作っているのが国会です。しかし一口に国会とは言っても、種類は全部で4つ存在します。
ここでは国会の種類4つについて取り上げます。衆議院の解散の流れおよび参議院との関係にも触れるので、公務員試験や行政書士試験で憲法を勉強されている方は必ず押さえてください。
なお以前に「衆議院の優越」の記事を投稿しています。こちらの内容とも深く関わってくるため、まだ記事を読んでいない方はアクセスしてみてください。
※アフィリエイト広告を貼っている記事
・衆議院が解散したときの流れを把握
・議事と定足数の把握
常会・臨時会・特別会
まず、国会の仕組みについて書いていきます。
国会は大きく分けて4つの種類の会議を開きます。
- 常会
- 臨時会
- 特別会
- 参議院の緊急集会
それぞれの特徴を、かいつまみながら説明しましょう。
常会
常会は通常国会の略称で、毎年1回開催される議会です。
憲法には回数しか明記されていませんが、国会法という法律により詳しい内容が書かれてあります。
常会は毎年1月に招集され、150日間の期間が設けられいるのが特徴です(国会法第10条)。また、1回に限って会期を延長することができます。
議会には、会期不継続の原則というものがあります。
要するに、たとえ議会において議決されなかった案件があったとしても、後の議会ではその案件が継続されないこととなっています。
とはいえ中には例外もあり、常任委員会や特別委員会が閉会中に審査した議案や議員の懲罰事件に関しては継続されます。
臨時会
臨時会は名前の通り臨時的に開催される議会で、内閣が召集するのがポイントです。
常会だと1月に招集されるので、大体5ヶ月経った6月~7月辺りには閉会となります。
しかし常会の期間内に議案が上手くまとまらない場合、臨時国会によって内容を確定しないといけません。
秋頃によく開催されるため、「秋の臨時国会」とも表現されています。
臨時国会の召集の方法については以下の通りです。
- 1.内閣が独自に召集を決定
- 2.衆参議院いずれかによる総議員の1/4の要求で内閣が召集を決定
- 3.衆参議院の任期満了による総選挙または参議院議員の通常選挙が行われたとき
会期の延長は2回まで認められているので、常会と混同しないように気をつけましょう。
特別会
特別会は、衆議院が解散されたときに開かれる国会です。開催されるタイミングは、以下の通りとなっています。
- 衆議院解散の日から40日以内
- 衆議院議員総選挙の日から30日以内
特別会も臨時会と同じく、2回まで会期の延長が認められています。
なお衆議院の解散について、細かい内容は以下の記事にも紹介しました。こちらは内閣総辞職との違いに触れている記事になるため、併せて参考にしてみてください。
参議院の緊急集会
衆議院が解散すると、参議院も同時に閉会となります。
ただし、閉会している間に何か切羽詰まった緊急事態が起こったら、議会を開けずに困ってしまうでしょう。
それを想定して参議院による緊急集会も憲法で保障されています。
なお、当該集会を召集できるのは内閣です。引っかけ問題で問われやすいですが、参議院議員が召集できるわけではないため注意してください。
参議院の緊急集会で採られた措置は、あくまで臨時的なものとなります。
そのため、必ずしも有効となるものではなく、次の国会が開会された後の10日以内に衆議院が同意しなかったら将来に向かって効果は失います。
ここも「遡及して無効」ではないので、間違えないように注意して下さい。
定足数と秘密会
最後に定足数のお話をしましょう。
いくら国会が召集されたとしても、両議院の総議員1/3以上の出席がなければ議事を開くことができません。
この総議員の考え方において、先例は現在の議員数ではなく法定の議員数であるとされています。分数がやたら出てきますが、この辺りはしっかりと整理しておきましょう。
なお両議院による議会は、透明性を確保すべく公開するのが原則です。
ただし、出席した議員の2/3の多数決によって秘密会とすることもできます。(非公開にするということ)
国会の仕組みについては図解で説明している書籍を参考にするといいでしょう。中学公民で、抜けてしまっている方もぜひ押さえてみてください。
リンク
リンク
まとめ
今回は、国会の種類4つと衆議院の解散及び参議院との関係について勉強しました。
まずは国会には、大きく分けて以下の4つの種類があることを押さえてください。
- 常会(通常国会)
- 臨時会
- 特別会
- 参議院の緊急集会
加えて、それぞれの国会には以下のように押さえておきたいルールが数多くあります。
- 常会は毎年1回1月招集(150日間)
- 臨時会は総議員の1/4の要求が必要
- 特別会は解散から40日、総選挙から30日以内
- 緊急集会の召集は内閣
- 議事を開くには総議員1/3の出席
- 衆議院解散は不信任案決議から10日以内
勉強しなければならない部分が多いものの、公務員試験や行政書士をクリアするうえでは必須となります。何度も繰り返し読みながら、日々の勉強に活かしてください。