やまとの塾長の教室

【学ぶ・感じる・考える】

議院の権能について。議院自律権と公務員試験攻略

どーも、やまとのです!

 

前回は国会議員の免責特権について勉強しました!

www.yamatono.info

 

今回は議院に目を向けて解説していきたいなと思います。

 

衆議院と参議院、それぞれがしっかりと運営していくためには権限を持たせないといけません。

 

これを議院の権能といい、その種類は

  • 議院自律権
  • 国政調査権

に分かれます。

 

どちらも濃い内容になるので、今回は

  • 議院自律権

に焦点を絞って解説しましょう!

 

 

1.議院自律権とは?

f:id:yamatono11:20210822095324p:plain


その『議院ジリツ権』って何だろう?

 

f:id:yamatono11:20201026173538j:plain


簡単に言えば衆参議院が組織として成り立たせる上で欠かせない権利かな

 

 議院自律権は、簡単にいえば議院が自らの判断で審査できる権利を指します。

 

現在は

  • 衆議院465人
  • 参議院245人

が定数ですが、この議員を監督するためにも組織である両議院にも権限を持たせなければなりません。

 

議院自律権について定めている条文は

  • 憲法第55条
  • 憲法第58条

です。

 

それぞれを細かく見ていきましょう。

 

憲法第55条

両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

 

憲法58条

1.両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。

2.両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

 

 

 

 

2.議員の資格争訟

f:id:yamatono11:20210824163416j:image

こちらが憲法第55条に規定されている内容です。

 

衆参議院には、議員が資格を持つのに相応しいかどうかを裁判する権利を持ちます。

 

ここでいう議員の資格とは

  • 被選挙権を持つか否か
  • 兼職をしていないかどうか

 

被選挙権とは、立候補できる権利のことです。

 

  • 衆議院であれば25歳以上
  • 参議院は30歳以上

になったら被選挙権を持ちます。

 

続いて、兼職というのは衆議院と参議院の両方の議員になることです。

 

憲法上では、第48条で兼職が禁止されています。

 

実は例外的に兼職ができる条件もあるのですが、基本的には衆議院と参議院の両方の議員になることは許されていません。

 

この2つにおいて、違反していないかどうかを両議院がチェックします。

 

もし、違反していたら議院独自に裁判を開いて対処するという方法が採られます。

 

f:id:yamatono11:20210822095324p:plain


裁判開くのは裁判所の仕事じゃないの?

 

f:id:yamatono11:20201026173538j:plain


これは司法権の独立の例外だね!

 

 

ちなみに、あくまで対象となるのはこの2パターンのような資格を持っているかどうかの争いで、例えば資格の取得を認められた議員が院内で悪さして秩序を乱したみたいな事例は資格争訟の裁判に当てはまりません。

 

資格を持たないと判断された場合、当該議員は裁判所に救済を求めることもできなくなります。

 

もしそれが認められてしまうと、司法権の独立の例外を作ってまで議院に裁判させた意味が無くなってしまうからですね。

 

 

3.議院規則や懲罰

 f:id:yamatono11:20210824164103j:image

院内の秩序を乱した人は憲法第55条の対象にはなりませんが、憲法第58条によって懲罰を与えることができます。

 

憲法第58条では議長やその他役員といったメンバーを選任し、又は院内の秩序を乱した人に懲罰処分、条件をクリアすれば除名処分もOKです。

 

除名処分の条件は出席議員の2/3以上の多数決となります。

 

さらに、この条文では議院が会議や手続きにおける規律を独自に定めることも認められています。

 

これがいわゆる議院規則です。

 

もちろん、その効力は院内のみに働きます。

 

ここで引っ掛け問題として出されるのが、

「両院協議会の規則も議員規則によって定める」

という選択肢ですね。(もちろん不正解)

 

両院協議会は憲法第59条3項に名前が出てきますが、この条文を読むとこれに関しては規則ではなく法律で定めることとなっています。

 

ちなみに、法律と規則の違いはしっかりと押さえていますか?

 

性質は各規則によって異なるものの、基本的には法律よりも下位にある準則と捉えればいいでしょう。

 

 

4.議院規則と法律の優劣

 最後に、議院規則と法律が対抗した場合にどちらのルールが優位に立つかという疑問を見ていきます。

 

  • 法律優位説
  • 議院規則優位説

とあるのですが、各々の優位に立つ理由を解説していきましょう。

 

 

・法律優位説

法律が優位に立つという説では、国会法の成立は衆参議院の議決が必要なのに議院規則の場合はいずれか一方の議決で足りるのを根拠にしています。

 

ただし、下記の記事でも紹介しましたが、法律を制定する際には衆議院の優越が働きますよね?

 

そうなると参議院の自主性が損なわれるのではないかという問題も生じます。

 

他にも、行政府が法律案を提出する際に国会を操られるという指摘も問題点の1つです。

 

そうなると最終的に行政が権力を持ててしまうことにも繋がり、議会の立場も複雑になってしまいます。

 

 

・議院規則優位説

議院規則が優位に立つとする根拠は、先程紹介した憲法第58条の規定です。

 

僕の持っている参考書(司法試験用)では、特段批判は無さそうでした。

 

参考書はコチラ(司法試験用です)

 

ちなみに併せて問題集も(司法試験用です)

 

確かに、規則は基本的には法律の下位に位置する概念ではありますが、より具体的かつ専門的なルールを定められるのもまた規則です。

 

僕も優劣関係でいえば、議院規則を優位に立たせるのが相応しいと思いますね。

 

 

5.まとめ

今回も公務員試験の憲法対策ということで、議院の権能を勉強していきました。

 

  • 議員の資格争訟
  • 議院規則

についてしっかりと押さえてください。

 

後は各自過去問を解きながら試験に備えるよう心がけましょう!

 

ご覧いただき、ありがとうございました!

スポンサーリンク