やまとの塾長の教室

これからの時代を生きるための教育と勉強

行政指導における判例。公務員試験突破のための勉強法

どーも、やまとのです!

 

前回から行政指導の分野に入りました。

 

行政手続法の中に規定されている行政指導ですが、今回はその中でも判例に目を向けていきたいと思います。

 

公務員試験では度々判例について問われるので、勉強して確実に得点源としましょう。

 

 

1.病院開設中止勧告

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これは行政指導の内容でもかなり問われやすい判例です。

 

その理由は、行政指導の基本的な枠組みから外れた判決を出したからだといえます。

 

前回の記事で、行政指導は

処分にあたらない行為が前提だと書きました。

 

www.yamatono.info

 

そのため、行政指導には原則として『処分性』がありません。

 

行政が処分にあたる行為をした場合、我々は

取消訴訟という裁判を起こすことができます。

 

この取消訴訟は『処分性がない』行為に対しては認められません。

 

しかし、何とこの判例では、行政指導に対して処分性を認めたんですね。

 

どういう事例かというと、ある人物(X)が病院を開設しようと計画を立てていたのですが、県知事から開設の中止を勧告されました。

 

Xさんがその中止勧告を拒否したために、県知事は

「開設してもいいけど勧告を無視したら保険医療機関の指定を拒否するよ」

と通告文書を送付しました。

 

保険医療機関の指定を拒否されたら、病院を開設しようとも全ての治療に対して保険が適用されなくなってしまいます。

 

普通、我々は病院で受診すると健康保険のおかげで3割の金額だけ払えばいいとされています。

 

国民皆保険制度で皆が保険に入っているため、わざわざ適用される治療まで10割分のお金を払う人はほぼいないでしょう。

 

そんな状況では、保険が適用されない病院など訪れる人が現れるわけもありません。

 

病院を開設したところで、患者が来ない可能性が高いのならいずれは潰れてしまいます。

 

そういうことなら治療のお金を安くすればと思うかもしれませんが、医療はそれぞれの治療に点数が割り振られ、その点数ごとに金額が決まる仕組みです。

 

医師の恣意的な判断で治療を安くできるわけでもないので、保険が適用されなければ運営はかなり難しくなります。

 

裁判所もそこを考慮し、当該県知事の中止勧告に処分性を認めました

当然、保険医療機関の指定拒否処分にも処分性を認めています。

 

つまり、行政指導の一環として行われる勧告がに対して、裁判で争う道を作り出したのです。(平成17年の話なので最近といえば最近ですね。)

 

ただし、あくまでこの判例は例外。

原則として行政指導に違法性はないとされているので、試験で問われたら問題文をよく読んで判断してください。

 

 

2.武蔵野市マンション事件

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次にこちらの判例を紹介しましょう。

 

公務員試験でも定番ですね。

 

これは、行政指導に国家賠償請求を認めたきっかけとなる判例です。

 

先に事案を見ていきますと、武蔵野市では『武蔵野市宅地開発等に関する指導要綱』という規定の中に

「建設を行う事業主は教育施設負担金を支払え」

と明記されていました。

 

事業主であったYさん(仮)は3階建てマンションを建設した後、いやいや教育施設負担金を支払います。

 

以前には、Yさんが負担金の額を減免してくれと願い出たようですが、それは市から拒絶されてしまったようですね。

 

その強制的な規定に憤りを感じたYさんはとうとう損害賠償に踏み切ります。

 

事件は最高裁にまで持ち込まれ、判決では

「行政指導として教育施設に関する寄付を求めること自体は、強制にわたるなど事業主の任意性を失くすようなことがない限り違法ではない」

としつつも、

「今回の事案はその限度を超えている

ということで違法と下しました。

 

ここはしっかりと整理してくださいね。

  • 教育施設負担金の納付自体は違法ではない
  • それが強制にわたると違法になる
  • 武蔵野市マンション事件の場合は強制的で違法

 

「教育施設負担金の納付自体が違法である」という選択肢は不正解なので気をつけましょう。

 

 

3.品川マンション事件

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また、マンションかよ!紛らわしい!!(-_-;)

 

しかし、この判例も物凄く重要なのでガッチリとマークしてください!

 

これは行政指導そのものではなく、指導をするにあたって

『申請の許認可を留保し続けた』ことに関する訴訟です。

 

Zさんという建築主がマンションを建てていいかどうかを東京都に確認していました。

 

一方で、東京とは住民の反対運動を考慮してその申請の進行を懸念します。

 

住民と建築主との争いを緩和するために、東京とは10回以上も住民らと話し合いをしました。

 

しかしながら、解決には至らずにとうとう確認処分を行わないと定め、Zさんに対しても住民らと話し合うよう勧告します。

 

審査請求でも取り扱ってもらえなかったのもあり、Zさんは積もりに積もった不満を裁判でぶつけました。

 

ちなみにZさんは審査請求をする前から、このような行政指導には従わない意思を表明しています。

 

最高裁は前提として

「確認処分は状況に応じて対応しないといけないから、すぐにこれをしなかったとしても違法だとはいえない」

と判旨します。

 

それは、確認処分が基本的に行政の裁量に委ねられるものではないと考慮してもです。

 

他方、もし違法になるとしたら

  • 建築主が行政指導に従わない旨を表明している
  • 建築主が受ける不利益と行政指導の目的を比較
  • 建築主の不協力が正義に反するようなことがない

などという条件が揃った場合だと結論を下します。

 

これに当てはめれば、当該事案は全ての条件が揃っているため、

品川マンションにおける確認処分の留保は違法としました。

 

 

4.まとめ

本日は、行政指導より3つの有名な判例を勉強しました。

 

公務員試験で出題される可能性も高いので、各自しっかりと見直してください。

 

なお、この記事では取り扱わなかった判例もあります。

 

そこは各自で勉強してしっかりと試験で解けるよう整理しましょう。

 

ご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

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