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保証人と連帯保証人の違い!知らないと多額の借金を背負うことも

皆さんは、一回くらい死んでも連帯保証人にはなるな!の言葉を聞いたことがあるはずです。しかし保証人と連帯保証人の違いが分からない人も多いと思います。

この記事では、保証人と連帯保証人の違いを紹介します。制度を理解していないと、多額の借金を背負う羽目にもなるので必ず読んで理解してください。

 

保証人とは

保証人とは、主債務者がお金を返せなくなったときに代わりに返済する人のことです。要するに、元々お金を借りた人物の肩代わりをする制度を指します。

要式契約となっており、書面(または電磁的記録)で契約を交わさなければ効果は発動しません。

保証債務については利息や違約金、損害賠償も支払う必要があります。ただし負担額は、主債務より大きくならないことが特徴です。

ポイントを簡単に整理するので、まずは以下の特徴をしっかりと押さえてください。

◆保証人の制度のポイント◆
・要式契約
・利息、違約金、損害賠償も支払う
・主たる債務の額が上限

 

保証債務の性質

保証債務には、大きく分けて3つの性質があります。

  • 付従性
  • 随伴性
  • 補充性

それぞれが何を指しているかも具体的に述べましょう。

付従性

付従性とは、主債務がなければ保証債務も存在しないとする性質です。

仮にお金を借りた人物が自分で返済したら、保証人の債務も消滅します。

ただし主債務者が破産手続きを行ったケースでは、保証人の債務は消えません。破産手続き自体は、特定の債務を変更するわけではないからです。

随伴性

随伴性は債務が第三者に渡ったとき、保証債務も合わせて移る性質です。付従性と間違いやすい部分になるので、しっかりと区別して覚えてください。

仮に債務者が死亡し、子どもが相続したときはその子の保証人となります。

一方で、状況によっては債権者(お金を貸した)側が権利を誰かに譲るケースもあります。その場合は、債権譲渡のルールに沿って通知を送付しなければなりません。

主債務者に通知が届いたら、自動的に保証人にも債権譲渡の効力が発揮します。対して保証人だけに通知した場合は、主債務者には対抗できません。

あくまで保証債務は、主債務に従ずる関係であると覚えてください。

補充性

補充性とは、主債務者が返済しない場合に初めて保証人の責任が生じる性質のことです。こちらの性質は、連帯保証人には認められません。その理由は後ほど解説します。

保証人であれば、まずは主債務者に請求するよう債権者へ主張する権利があります。

 

 

保証人と連帯保証人の違い

保証人も連帯保証人も、主債務者の保証債務を担っている点では変わりありません。しかし制度の内容は大きく異なっており、場合によっては大きなトラブルに見舞われる恐れもあります。

ここでは、保証人と連帯保証人が具体的にどう異なるのかをまとめましょう。

催告の抗弁権の有無

催告の抗弁権がイメージしやすいように示した図

保証人には、催告の抗弁権が認められています。

催告の抗弁権とは、まず最初に主債務者へ返済を請求するように伝える権利のことです。この権利は、保証債務の補充性にも繋がります。

そのため、債権者は主債務者が以下の条件に該当しない場合は、催告する順番を守らなければなりません。

  • 主債務者が破産手続きを開始した
  • 主債務者が行方不明である

一方で連帯保証人には、催告の抗弁権が認められていません。したがって債権者は主債務者を経由することなく、連帯保証人に返済するよう請求できてしまいます。

債権者は早くお金を返してほしいので、ハナから主債務者を当てにしないケースも多いでしょう。連帯保証人は、多額の財産を失うリスクが高まります。

連帯保証人の保証債務には補充性が認められないのも、こうしたルールに起因するものです。

検索の抗弁権の有無

検索の抗弁権がイメージしやすいように示した図

保証人には検索の抗弁権が認められ、連帯保証人には認められない点も大きな違いのひとつです。

検索の抗弁権は主債務者に財力がないかを調べてほしいと債権者に要求する権利を指します。

通常の保証債務であれば、主債務者が財力に余裕がある場合は保証人の返済は一旦様子見となります。

しかし連帯保証人には、こうした権利も認められません。債権者に返済を要求されたら、否定する権利がないことを押さえてください。

 

 

保証人と連帯保証人の抗弁

次に、保証人および連帯保証人の双方に認められた抗弁権を紹介します。

連帯保証人になることをまずは避けねばなりませんが、万が一なってしまった場合に備えて制度を理解してください。

相殺で対抗することが可能

主債務者がお金を借りている一方で、実は同債権者に対して債権を有するケースもあります。主債務者が相殺の主張をしないと、保証人にとっても損です。

そこで民法では保証人や連帯保証人が、代わりに相殺の主張をするのを認めています。なお相殺の詳しい内容については、以下の記事も参考にしてみてください。

消滅時効の援用も可能

お金の貸し借りについても、民法上は時効が存在します。基本的に借金の時効は5年です。この期間に債権者が請求をしない場合は、債務自体が消滅します。

時効の効力を発動するためには、債務者側が援用をしなければなりません。主債務者が援用しない場合は、保証人や連帯保証人が援用できます

仮に主債務者が時効の利益を放棄したときも、保証人および連帯保証人は援用が可能です。なぜなら、時効の利益は相対効(その人だけに対する効果)しか働かないためです。

ただし、主債務者と保証人がともに債務を承認した場合は、時効が完成した後でも援用が認められません。

消滅時効のルールについては、以下の記事でも解説しています。民法の重要ポイントにもなるので、合わせて参考にしてみてください。

取消権は認められない

主債務者が取消権を持つ場合、保証人や連帯保証人が代わりに行為を取り消すことはできません。取り消しが生じる主な例は、制限行為能力者が契約に絡んでいるときです。

例えば多額の借金を抱えている主債務者が、未成年だったとしましょう。

未成年は、多額のお金で取引する行為が制限されています。この行為を無効にしたい場合は、本人や保護者などが取消権を発動できます。

しかし、取り消しできる人物の中に保証人は含まれていません。仮に主債務者が未成年であることを知らなくとも、保証人は契約の取り消しを代わりにできないので注意しましょう。

 

連帯保証人には絶対になるな

今回は、保証人と連帯保証人の違いについて詳しく取り上げてみました。保証人と連帯保証人の違いをまとめると、重要な部分は下記に示したとおりです。

  • 催告の抗弁権の有無
  • 検索の抗弁権の有無

保証人は子どもがアパートを借りたときなど、契約を結ぶケースは見られます。しかし、連帯保証人は決して簡単に結んではいけません

契約を結んだら最後、自身も多額の借金を抱えて生活に苦しんでしまいます。

連帯保証制度は、債権者がより借金を回収できるように作られた制度です。連帯保証人を頼むような人間は、必ずあなたの前から行方をくらまします。

人生を台無しにしないためにも、保証人や連帯保証人の制度をしっかりと勉強しておきましょう。