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どーも、やまとのです。
民法を勉強するうえで、特に欠かせない内容が制限行為能力者です。
代表的な制限行為能力者が以下のとおりです。
- 成年被後見人
- 被保佐人
- 被補助人
今回は成年被後見人や被保佐人、被補助人とこれらの保護者にピックアップして記事を書きます。
こちらのテキストも読んでおくことをおすすめします。
公務員試験攻略に向けてしっかりと勉強していきましょう!
成年被後見人
成年被後見人は重度の認知症を患っている者が該当します。
民法上の言葉を使えば、「精神的な障害により、事理を弁識する能力を欠く常況である者」です。
この方の財産を守るためには、保護者がきちんと管理しなければなりません。
「成年後見人(後見人)」と呼ばれる保護者は、下記のような権利を持ちます。
- 取消権
- 代位権
- 同意権
それぞれを詳しく書いてみましょう。
保護者は行為を取り消せる!
成年被後見人は単独で法律行為ができませんが、後見人の知らない間に契約を結んでしまうこともあります。
この場合、保護者である後見人は行為を取り消すことが可能です(取消権)。
例えば「勝手に家を買う」といった取引を結んだ場合に取り消しできる権利が該当します。
後見人は、大抵の法律行為の取消が可能です。因みに、後見人が取り消せない行為として以下の2点が挙げられます。
- 日用品の購入・日常生活に関する行為
- 婚姻や離婚といった身分行為
日用品の購入や日常生活に関する行為は、次のように押さえるとわかりやすいかもしれません。
- 日用品の購入は「食費や文房具代等」
- 日常生活に関する行為は「電気代の支払い」
これらの行為は財産を大きく失う心配がないため、成年被後見人は1人で行えます。
また、結婚や離婚は「身分行為」とまとめられます。
これも本人の意思を尊重する必要があるので後見人は口出しできません。
本人を代理して行為が行える
他にも、保護者は本人の行為を代理して取引等に関わります。
成年被後見人は、物事を識別する能力を欠いている方と想定されます。
成年被後見人が正常に判断して取引するのは難しく、後見人が代わりに行うことが民法上のルールです。
ただし、本人の生活に影響する「家」や「敷地」を売ったり、賃貸借契約を解除したりする行為は家庭裁判所の許可が必要です。
本人の単独の行為に可否を出す
本人が勝手に結んだ契約が、財産の浪費に繋がらないケースもあるでしょう。
その場合は、保護者がそれを後から認めることが可能です。
「追認権」と呼ばれる権利であり、制限行為能力者によって具体的なルールが大きく異なります。
同意権は持たない!
意外と勘違いしやすいのですが、後見人は「同意権」を持ちません。
同意権は成年被後見人の行為にOKの判断を下し、その取引を可能にすることです。
後見人が同意権を持つのにふさわしくないわけではありません。
成年被後見人がそもそも正常な判断をほぼできないため、同意権を与える意味がないといった理由です。
試験でも引っ掛けで出題されます。
被保佐人
さて、成年被後見人に関する内容をまとめてみましたが、それを被保佐人と比較していきましょう!
成年被後見人より症状が軽いものの、中度の認知症を患っている者が該当します。
そのため、単独でできる行為も成年被後見人より広くなっているのが特徴です。被保佐人にも「保佐人」と呼ばれる保護者がいます。
後見人との相違点
被保佐人は次の権利を持ちます。
- 取消権
- 追認権
- 同意権
取消権を持つかは平成11年まで争われていましたが、法改正で正式に認められます。
「同意権」が与えられているところも、後見人との大きな違いのひとつです。
一方で、保佐人は代理権の取り扱い方がやや複雑になっています。
被保佐人の代わりに手続きできる権利は持っているものの、行使するには条件があります。
その条件とは「家庭裁判所の審判を経る」ことです。
家庭裁判所は以下の人物請求があったときは保佐人に代理権を与えるかを審判しなければなりません。
- 本人
- 本人以外の者
本人とは、「被保佐人」を指します。審判請求に関しては、被保佐人が独自で行えます。
本人以外の者が審判請求する場合には、本人の同意を得なければなりません。
要するに、保佐人に代理権を与えるかどうかの判断は結果的に被保佐人の権限であるともいえるでしょう。
被補助人
では、最後に被補助人を見ていきます。被補助人は「軽度の認知症を患っている者」が該当しました。
被補助人は基本的に単独でできる行為が多いため、保護者の権限に規制がかけられているといえます。
被補助人の保護者は『補助人』です。
- 代理権
- 同意権
- 取消権
以上の権利は全て「家庭裁判所の審判を受けたもののみ」に与えられているのが特徴です。
当然に保護者がこれらの権利を持っているわけではないので、試験に出されたら少し注意してみてくださいね。
被補助人には自己決定権が他の制限行為能力者と比べて保障されていることが分かります。
3つの能力
最後に、民法が掲げる『3つの能力』について知る必要があります。
制限行為能力者の内容を押さえる上では、これらの知識も欠かせません。民法には3つの能力が定められています。
- 権利能力
- 意思能力
- 行為能力
それぞれの内容を具体的に解説しましょう。
権利能力
権利能力とは、民法上の権利を行使する能力を指します。
- コンビニで弁当を買う
- アパートの部屋を借りる
- 交通事故の損害賠償を請求する
これらは全て民法が認めている権利です。この権利を使うには権利能力が必要とされ、以下の2つが具体例として挙げられます。
- 自然人
- 法人
つまり、日本では全ての人に権利能力が認められています。そのような能力を認めるのはどの世界でも当然じゃないかと思うかもしれません。
しかし、現代でも発展途上国には「奴隷」として働かされている方々もいます。
この方々は権利能力を十分に持っているとはいえず、現代社会における大きな課題の1つです。
動画を作ってみたので、参考にしてください!
意思能力
意思能力は、ある行為をする際に意思表示できる能力を指します。
その行為の意味を理解できていない方の意思表示は、民法上の扱いでは無効です。
意思能力は元々民法に定めがなかったのですが、2020年の大改正によって第3条の2に追加されました。
この辺りは公務員試験でも問われるかもしれません。
意思能力がない方のことを意思無能力者と呼びますが、具体的には次の方々が該当します。
- 10歳未満の幼児
- 泥酔者
ただし、これらはあくまで基準です。
行為能力
最後に行為能力ですが、これは行為が有利か不利かを判断する能力を指します。
例えば『中古建物が1億円で売られていた』場合を想定してください。普通の感覚であれば「これは高い!」と思いますよね?
しかし、その建物がまるでお城のような家だったら納得いくでしょう。
このようにモノやサービスの価値を理解し、自分の財布状況と見比べて購入の判断をできる能力が行為能力です。
「1人で民法上の行為をできる方」とも言い換えられます。
判断に不安がある方を制限行為能力者といい、今回のメインのお話になります。
4種類の制限行為能力者についてまとめていきましょう!
まとめ
今回は制限行為能力者の種類と保護者について細かく解説しました。以下の内容を必ず押さえてください。
- 成年被後見人は事理弁識能力を欠く
- 被保佐人は事理弁識能力が著しく低い
- 被保佐人は事理弁識能力が不十分
それぞれには保護者が付いており、与えられる権力に違いがある点も押さえましょう。
制限行為能力者の詐術や追認についても解説しています。
公務員試験合格では頻繁に出題されているので、確実に勉強してください。
ご覧いただき、ありがとうございました!
- 制限行為能力者の特徴を押さえる
- 保護者の権利を区別する
- 人が持つ3つの能力を押さえる