ヤマトノ教室

公務員試験対策・その他勉強法

取得時効と消滅時効とは!?時効の効力や援用も徹底解説!

どーも、やまとのです。

久しぶりに公務員試験の民法を解説します!

ブランクが長くなりましたが、前回は
「無効と取り消し」について書いていきました。

今回は、公務員試験の民法でも超重要な「時効」の分野を勉強しましょう!

 

 

1.取得時効と消滅時効

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まずは、2種類の時効について紹介しましょう。

取得時効
消滅時効

ですが、それぞれはどのように違うのでしょうか?

 

・取得時効

取得時効は、物を一定期間占有していた方が所有者となる制度です。

例えば、
「友達のカメラを20年間占有したAさん」の場合はカメラがAさん自身のモノになります。

取得時効の期間は2通りがあり、
善意の所有が10年間
悪意の所有が20年間
です。

善意と悪意の違いは大丈夫だと思いますが、念のため区別の仕方を下記のリンクから確かめてください。

上記の例の場合は、「友達のカメラ」と知っているので悪意の占有者です。

取得時効も20年が適用されます。

 

取得時効が適用されるのは、所有権だけではありません。

所有権に付随される地上権や地役権といった、用益物権も対象です。

ただし、留置権や抵当権、占有権は対象とならないので注意しましょう。

また、中には土地を所有する際に併せて農作物や不動産収益も手に入れるかもしれません。

これらを果実と言いますが、取得時効成立後に新たな所有者が利用できます。

果実が時効の前に発生した場合でも、取り扱いは変わりません。

取得時効で所有者となった方は、
はじめから所有していたものとみなされる(原始取得)ところもポイントです。

 

・消滅時効

消滅時効は、反対に期間の経過で権利が消滅する制度です。

これも例を挙げると
「借金の返済を10年以上要求しなかった」ときは、お金を返すよう相手に請求できなくなります。

消滅時効の制度は下記の通りです。

(債権)
・請求できると知った時から5年
・請求できる時から10年

(債権や所有権以外の財産権)
・請求できると知った時から20年

(人の生命・身体への損害賠償)
・請求できる時から20年

 

まず、確実に押さえるべきポイントは
「所有権は消滅時効の対象にならない」ことです。

所有権に基づく物権的請求も消滅時効の対象ではありません。

所有権に基づく物権的請求とは、例えば知らない人が勝手に土地へ建物を建てようとしているところを止めるみたいな権利ですね。

穏便に所有できる状態を整える権限を指します。

他にも、留置権や占有権も消滅時効の対象になりません。

 

地役権や地上権、抵当権は消滅時効にかかります。

債権や所有権以外の財産権に該当するため、期間は20年間です。

ただし、抵当権の場合は若干複雑で、ローンを払うべき債務者や抵当権設定者側が消滅時効を主張することはできません。

また、短期消滅時効にあたる債権が判決や裁判上の和解で確定した場合、時効期間は10年間です。

 

ここで、消滅時効の始まり(起算点)はいつからカウントされるかまとめましょう。

確定及び不確定期限のある債権期限到来時が起算点です。

期限を定めなかった場合は、債権成立時がスタートとなります。

不法行為の損害賠償に関しては、不法行為時です。

他にも、履行不能時の損害賠償は、履行を請求された時などとさまざまな基準があるので整理して覚えてください!

 

2.時効の効力と援用権者

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さて、ここからは時効の効力と援用についてまとめていきます。

まず、時効の効力ですが起算日にさかのぼります。

取得時効の場合、友達のカメラを10年間持っていたAさんの例を出すと、時効の成立でAさんは10年前からカメラを所持していたと認められるのです。

消滅時効も権利を行使できる時までさかのぼるとされています。

時効の起算点は、当事者が好き勝手に設定できるものではありません。

第三者からすれば、権利の行方が分からなくなるからですね。

 

取得時効や消滅時効が到来したら、援用権を持つ人が裁判所で援用します。

援用権者は当事者です。(消滅時効は正当な利益を持つ第三者も可能)

援用の法的効果も学説上にはありますが、ここで書いちゃうと複雑になっちゃうので別の機会にまとめようかなと思います。

 

加えて、時効の完成前
「時効の利益を放棄できない」ところも注意点です。

消滅時効であれば、時効で債権が消えると支払う側(債務者)はホッと一息つくでしょう。これを時効の利益と言います。

一方で、「きちんと支払いたい」と債務者側が時効の利益を放棄する方もいます。

ただし、時効が完成していないのに放棄を認めたら、債権者側が脅して時効を完成させないようにする危険性がありますよね?

そのため、時効を援用せずに放棄する場合は、時効の完成後に限定されているのです。

 

3.時効の制度のまとめ

今回は

・取得時効や消滅時効
・時効の効力と援用
について紹介しました。

時効が適用される期間と起算点、効力等をしっかりと押さえましょう。

ポイントは、取得時効と消滅時効を分けて考えることです。

・期間
・範囲
は確実に答えられるようにしましょう。

公務員試験の民法を勉強する際の参考テキストも併せて紹介します!

 

時効の効力と援用に関しても、基本的な部分は正答できるようにしてくださいね!