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どーも、やまとのです!
前回は「内閣総理大臣の指名」について解説しました。
時事的な要素も挟むため、近々の試験では狙われるかもしれません。(あくまで僕個人の勝手な予想です)
今回は「板まんだら事件」を参考に「司法権の限界の範囲」を見てみましょう!
司法権の限界とは?
まずは、簡単に司法権の限界について解説します。
司法の限界とは、文字通り裁判所が扱える事件にも限りがあるということです。
以前、僕が書いた記事でも「三権分立」について説明しました。
主に司法権へ焦点を当てて、いま一度「司法権の限界」の内容を触れてみます。
司法権の範囲は刑事と民事
日本の司法の範囲は、大きく分けて「刑事」と「民事」があります。
それぞれの内容はざっくりと押さえてください。
ちなみに、これらのほかにも行政裁判が存在します。
しかし、日本国憲法においては行政裁判所の設立を想定していません。
そのため、通常の裁判所が行政裁判も担当しています。
明治憲法には特別裁判所が存在していましたが、現在の日本では禁止事項とされています。
法律上の争訟が条件
司法権の範囲がおよぶには、
「法律上の争訟」であることが条件です。
言い換えれば、具体的な事件を裁くものでなければなりません。
例えば、自衛隊の前身ともいえる「警察予備隊」の創設が争われた際には、具体的な事案が何もなかったとして裁判所は訴えを却下しました。
トラブルや騒動が起こったとき、はじめて裁判で争うことができます。
このあたりも公務員試験では狙われやすいポイントです。
法律上の争訟に関しては、つぎの見出しで紹介する事件でも争われました。
板まんだら事件とは?
司法権の限界の範囲でよく出題される判例が「板まんだら事件」です。
こちらは、とある宗教団体とその信者によって争われた事例でした。
2022年は信教の自由において、さまざまな問題がありました。
注目している人も多くいるでしょう。
ちなみに、信教の自由の内容はこちらでも触れているのでぜひ押さえてください。
板まんだら事件の内容
板まんだら事件の内容について記載します。
とある宗教団体の信者が、板まんだらを安置するための本堂設立に関して寄付を行いました。
しかし、信者いわく設置された板まんだらは偽物だったそうです。
寄付も全て無効だと主張し、裁判で争うような形となりました。
板まんだら事件の判決
では、板まんだら事件はどのような結末を迎えたのでしょうか?
皆さんは原告(信者)と被告(宗教団体)のどちらが勝訴したと思いますか?
なんと、この争いでは白黒つける前に最高裁判所が原告の訴えを却下してしまいます。
事実上、宗教団体が勝利するような形となりました。
原告側のいうように、板まんだらはもしかすると偽物かもしれません。
その事実を調べる前に、どうして訴えが却下されてしまったのでしょうか。
こちらも「司法権の限界」が大きく関与しています。
板まんだら事件判決の理由
板まんだら事件の判決の理由は、法律上の争訟の取り扱いが重要なカギを握ります。
司法権の限界として、裁判では「具体的な事件」でないものは裁かないといった原則があります。
このようなルールとどのように結びついているのか解説しましょう。
争いは法律上の争訟になる
判決において、争った事例自体は
「法律上の争訟」にあたると最高裁判所も認めました。
「寄付した対象の板まんだらが偽物ではないか?」と具体性があるからです。
仮に「宗教団体の設立が違反だ!」と主張するだけでは、あまりにも抽象的すぎるといわざるを得ないでしょう。
この件では、とりあえずは「寄付したお金を返せ」と具体的な要求をしているため、実際にトラブルがあったと裁判所側も分かってはいます。
しかし、板まんだら事件の判決は結果的に訴えが却下されました。
それには、宗教ならではの特殊な事情があります。
信仰自体が抽象的な行為
ここで、一度「信仰」について考えてみましょう。
基本的にそれぞれの宗教団体が信仰する対象は「偶像」です。
多くの神様が存在しますが、これらへの崇拝に対する本物か偽物かの判断は極めて難しいでしょう。
私も特定の宗教団体には入っていないため、数々の神様や教典の価値は正直わかりません。
私のような無宗教者や異なる団体に属している人は、皆が同じ気持ちになると思います。
こうした価値観が争いの中心にある場合は、法律上の争訟にあたらないと最高裁判所は判決を出しました。
板まんだら事件の内容を見てみると、該当する「板まんだら」が偽物ではないかと争われています。
板まんだらの価値は一般的には推し量れるものではないため、結果的に訴えの却下につながりました。
まとめ
今回は司法権の限界を説明すべく、
「板まんだら事件」の判決について解説しました。
まずは、最高裁判所で原告側が却下された事案だと覚えましょう。
その理由は、板まんだらの価値が抽象的だからです。
公務員試験でたまに問われますので、正確な判例を覚えてくださいね。