中学生の公民の授業でも習う、経済の基本的な考え方として需要曲線と供給曲線があります。公務員試験のミクロ経済学でも、この内容をマスターすることが大切です。
この記事では、元公務員の筆者が需要曲線と供給曲線の覚え方について解説します。グラフの見方や均衡価格の関係にも触れるため、公務員試験を勉強される方はぜひ参考にしてください。
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需要曲線の覚え方
需要曲線とは、価格と数量の関係から消費者が買いたいと思う量を示したグラフです。ここでは、需要曲線をどのように描けばよいかを解説します。
価格によって購入量が変わる
消費者の購入量を決める要素となるのは、価格です。たいていの人々は買い物をするとき、以下の考え方に基づいて商品を購入するでしょう。
- 価格が高い商品は多く買わない
- 価格が安い商品は多く買う
経済学の世界では、人々が商品を購入すると、「効用(満足度)」が上がると考えられています。効用を最大限まで伸ばすには、可能な限り商品を購入するのがポイントです。
財布に1,000円があった場合、100円の商品は10個購入できます。効用を最大限にするには、1,000円をすべて払い切ることが要件となります。
需要曲線の描き方

基本的に需要曲線は、次の条件に基づいて描きます。
- 縦軸に価格(P)
- 横軸に数量(X)
たとえば皆さんが、普段買い物に行ったケースを想定してみましょう。価格の高い商品が店頭に並べられていても、普通はそこまで多く購入しようと思わないはずです。
一方で価格が低い商品であれば、多く買ってもいいかなと思うこともあるでしょう。つまり価格が下がれば下がるほど、購入できる商品の数は多くなります。以上の関係を需要曲線で表すと、グラフは右下がりに描けます。
なお「曲線」と呼ぶため、本来は線を曲げて描くのが正解です。しかし経済学の問題を解くうえで、曲線にすると解法がややこしくなるため、一般的には直線となります。
供給曲線の覚え方
供給曲線とは、生産者が商品を売りたいと思う量を示したグラフです。同じく、供給曲線をどのように描けばよいかを詳しく解説します。
供給は生産者の視点で考える
供給とは、相手の必要に応じて商品を与えることです。つまり経済学の観点では、生産者が消費者に商品を売るといった行為が供給となります。
このようにミクロ経済学では、需要と供給に基づいて人々の行動原理を導きます。経済学の基本となるので、2つの要素を合わせて押さえるようにしましょう。
供給曲線の描き方

スーパーマーケットやコンビニなどの生産者は、商品を売って店の利益を上げなければなりません。そのため商品を売る際には、以下のことを考えます。
- 高い価格で商品を売りたい
- 多くの商品を売りたい
つまり高い価格の商品が多く売れたら、生産者側にとっては一番嬉しいわけです。以上のことを考えて、供給曲線をどのように描けばいいかがわかります。
価格を高くする、数量を多く売ろうと考えると、一般的に供給曲線は右上がりのグラフになります。つまり需要曲線とは、反対方向に描くのがポイントです。
均衡価格とは
生産者の立場からすれば、できる限り商品の価格を上げて売りたいと考えるでしょう。しかし八百屋の野菜の値段が、1つあたり100万円に設定したら大体の人は買いません。
商品が買われないと八百屋も経営できなくなるので、消費者が購入しそうな値段に設定します。このように生産者が売りたいと思う価格、消費者が買いたいと思う価格が一致するポイントを均衡価格と呼びます。
需要曲線と供給曲線の接点

均衡価格をグラフで表すと、需要曲線と供給曲線の接点になります。ミクロ経済学では、この均衡価格で取引されると経済が機能すると考えるわけです。
需要曲線と供給曲線の考え方は、中学校の数学で習う一次関数と同じです。各グラフの式を利用すると、均衡価格の値が求まります。
均衡価格を求めてみよう

最後に上図の式から、均衡価格を求めてみましょう。先程も述べたとおり、均衡価格はこれらのグラフの接点です。つまり連立方程式を使えば、解を出すことができます。
D(需要)とS(供給)は、どちらも「数量」を表しています。そのため、どちらも「X」でまとめてしまって問題ありません。双方の式で左辺にXがある場合、連立方程式は以下のように表せます。
52-2P=6P-20
あとは移行して、Pの値を求めてみましょう。するとP(均衡価格)の値は、「9」となりました。このように経済学は、基本的に数学の知識を用いると押さえてください。
経済学のおさらいができる本
今回の記事で解説した需要曲線と供給曲線は、中学や高校の公民でも習います。学生の内容から学び直したい方には、こちらのテキストがおすすめです。
政治や公共の分野も収録されていますが、要点が丁寧にまとめられているのが特徴です。練習問題も用意されており、共通テストはもちろんのこと、公務員試験の教養科目にも使えます。
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需要曲線と供給曲線のまとめ
需要曲線と供給曲線は、経済を学ぶうえで欠かせない内容の一つです。一般的にはミクロ経済学の考え方であるものの、マクロ経済学にも活用されています。
高校の政治経済まで勉強している方は、経済も暗記科目と思うかもしれません。しかし実際には「数学」を頻繁に用いており、公務員試験では計算問題が多めに出題されます。
とはいえ高校で習う数学と比べると、計算はそこまで難しくありません。むしろ数学が好きになるきっかけにもなりうるので、興味があったらぜひ勉強してみてください。