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選挙の基本原則5つ|憲法や法律との関係をわかりやすく解説

選挙は、日本の国会議員を決めるための重要な制度です。公正に実施されるべく、選挙には5つの基本原則が存在します。

この記事では、選挙の基本原則5つについてわかりやすく解説します。高校の政治・経済を勉強されている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

選挙の基本原則5つの覚え方

選挙の基本原則は、以下の2つの方法で定められています。

  • 日本国憲法に直接規定されている
  • 法律などで間接的に保障している

5つをすべて覚えるのが難しいときは、まず日本国憲法に直接規定されている3つの原則から押さえましょう。そうすると選挙の原則が生まれた背景を理解でき、マスターするスピードも早くなる可能性があります。

日本国憲法に直接規定されている原則を3つ覚えたら、次に残りの2つをチェックしてください。単純に丸暗記するのではなく、時代背景も併せて押さえることが大切です。

 

日本国憲法に直接規定されている選挙の原則3つ

まずは日本国憲法に直接規定されている、選挙の原則3つを並べましょう。

  • 普通選挙の原則
  • 平等選挙の原則
  • 秘密選挙の原則

これらの言葉の意味について詳しく解説します。

普通選挙の原則

普通選挙とは、18歳に達した人には一律に選挙権を与える考え方です。憲法第15条3項において、「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する」と規定されています*1

つまり私たちの選挙権は、所得や学歴、性別などによって差別されません。一方で大日本帝国憲法時代は、税金を3%納めている、男性であるなどの条件がありました。このように選挙権に制限を与える制度は、制限制度と呼びます。

ちなみに長らく選挙権を持つ年齢は20歳とされていましたが、平成27年に満18歳まで引き下げられました。民法における成年の年齢が、18歳に引き下げられたためです。以上から現代では、高校3年生で選挙権を持つ人もいます。

平等選挙の原則

平等選挙の原則とは、選挙権が一人一票である旨を示した考え方です。憲法第14条の法の下の平等、第44条の議員及び選挙人の資格にて規定されています。

衆議院選挙や参議院選挙ともに、私たちが投票できるのは一票だけです。実際の選挙においても、間違えて投票用紙が2枚重なった状態で配布するトラブルがあります。最悪の場合、訴訟に発展する恐れもあるため、自治体職員を目指す方は注意が必要です。

一方で一人一票のシステムは、地域ごとに格差が生じているといった問題も指摘されています。一票の格差については、以下の記事で詳しく紹介しているので、併せて参考にしてください。

秘密選挙の原則

憲法第15条4項には、秘密選挙の原則について規定されています。秘密選挙とは、誰がどの政党あるいは議員に投票したのか、世間に公開されない権利のことです。

選挙は日本の将来を決めるイベントであり、強いこだわりを持っている方も少なくありません。秘密選挙が守られていないと、「なぜこの政党に投票しなかった!」と誹謗中傷されるリスクが高まります

どの政党に投票するかは、一人ひとりが自由に決められます。プライベートにおいても、自分の投票先は他人に教えないほうがよいでしょう。

 

間接的に保障している選挙の原則2つ

憲法で明確に定めているわけではないものの、法律や解釈によって保障されている原則もあります。有名なものが、自由選挙の原則と直接選挙の原則の2つです。それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。

自由選挙の原則

自由選挙の原則とは、選挙を棄権してもペナルティを課せられないといった考え方です。投票所に行くか行かないかは、各人の判断に委ねられています。

筆者は毎回選挙へ行くようにしていますが、選挙に行かない方を非難する気はありません。逆に非難してしまうと、選挙の原則の考え方に背いてしまうからです。

もちろん社会を変えたいのであれば、選挙に行くしか方法はありません。したがって特別な事情がない限りは、なるべく投票したほうが社会にとっては望ましいでしょう。

とはいえ世の中には、いろいろな理由があって投票所に行けない方もいます。選挙に行かなかったからといって、その方を誹謗中傷してはいけません。

直接選挙の原則

直接選挙の原則は、国民が直接議員を選ぶ原則のことです。衆議院選挙や参議院選挙において、私たちは直接誰に投票するかを決められます。その中で得票率の高かった候補者が、国会議員として当選できる制度です。

憲法第43条では、国会議員を「全国民の代表」と解釈しています。そのため国民が直接候補者に投票できるよう、直接選挙の原則が採用されました。

一方で直接選挙の対となる概念が、間接選挙です。まずは国民が中間選挙人を選び、その中間選挙人が最終的な候補者を決めます。

間接選挙が用いられている例に、フランスの上院議員の選挙が挙げられます。フランスの上院は、あらかじめ国民によって選ばれた下院や地方議員の投票で議員を選ぶのが特徴です。

間接選挙のメリットとして、中間選挙人がクッションとなることで、投票先を慎重に決められる点が考えられます。しかし国民と中間選挙人の意思にズレが生じやすく、正しく声を拾えないといったデメリットも存在します。

 

政治・経済の勉強に使える本

選挙を含め、政治・経済の勉強は今後の生活に活かせます。そこで受験に使えるだけではなく、大人になってからも読んでほしい本を紹介しましょう。

高校生に読んでほしい本の一つが、斎藤一久氏が著した「高校生のための選挙入門」です。対象が高校生であるため、全体的にわかりやすく選挙の仕組みが説明されています。高校生だけではなく、学校や学習塾で政治・経済の勉強を教えている先生にもおすすめです

 

ほかにもおすすめな本が、イマジン出版の「すぐわかる選挙運動」です。違反と罰則に焦点を当てているため、候補者や公務員がやってはいけない行為を簡単に理解できます。

 

選挙の基本原則まとめ

選挙の基本原則として、今回は5つ解説していきました。日本国憲法に直接規定されている原則、法律や解釈などで間接的に認められている原則に分けて押さえるとよいでしょう。

憲法に直接規定 法律や解釈で認められる
・普通選挙の原則
・平等選挙の原則
・秘密選挙の原則
・自由選挙の原則
・直接選挙の原則

本来は投票権を有する全員の日本人が、選挙の基本原則を知っておく必要があります。ぜひ今後の選挙にも、ここで紹介した知識を活かしてください。

*1:ここに脚注を書きます