どーも、ヤマトノです。
マクロ経済学は「産業連関表」の範囲まで勉強をしていました。
今回はISバランス(貯蓄・投資バランス)と新たな内容に入っていきます。
少しずつ複雑な計算が求められるようになるため、解き方を確実に覚えていきましょう。
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ISバランスの意味
まず、ISバランスとはどういう意味でしょうか。
日本語に訳すと貯蓄・投資バランスと表記されますが、国全体の経済バランスを測る際に大切な指標となります。
経済の原動力となっている要素が、
貯蓄と投資です。
国のお財布にお金をひたすら貯め続け、いざという時に公共事業や研究機関へ投資していくことで発展に繋がっていきます。
ISバランスで整理されるポイントは、大きく分けて民間部門・政府部門・海外部門です。
民間(家計や企業)がどのようにお金を使っていくか、税金や政府支出をどう調節するか、輸出や輸入のバランス等を見ながら国の経済状況を把握する手法となります。
貯蓄・投資バランスは、経常収支の状況を把握できるとともに、どのジャンルで改善が必要かを求められるシステムです。
ISバランスの計算式
では、具体的に貯蓄・投資バランスを使っていきながら、計算問題を一緒に解いていきましょう。
貯蓄・投資バランスにおける計算方法は、下記の式が用いられます。
アルファベット表記がイマイチ分かりづらいと思いますが、左辺からそれぞれ海外部門・民間部門・政府部門の「収入-支出」です。
海外部門では「X」を『輸出』、「M」を『輸入』で表します。
民間部門は「S」が『貯蓄』、「I」が『投資』です。
政府部門の「T」は『租税』、「G」が『政府支出』を指します。
※意味は下記を参考にしてください。
輸出=Export
輸入=Import
貯蓄=Savings
投資=Investment
租税=Tax
政府支出=Government spending
実際に具体的な数字を出しながら解いていきましょう。
例えば、民間貯蓄が80兆円で政府支出が50兆円、租税が30兆円で輸出50兆円・輸入20兆円でした。
上記のケースから民間投資を求めてみましょう
輸出と輸入を計算すると30兆円なので
30=(S-I)+(T-G)
政府支出と租税が50兆円、30兆円で
30=(S-I)+(30-50)
さらに民間貯蓄が80兆円なので
30=(80-I)+(-20)
と全ての数値が出揃いました。
後は方程式をひたすら解くだけです。
I=80-20-30
I=30と求められるため、
民間投資は30兆円になります。
経常収支の求め方
次に経常収支を説明します。
難しい言葉ではないかと不安に感じるかもしれませんが、公務員試験において経常収支は貿易・サービス収支、もっと言えば「(X-M)」の値と同義であると考えても問題ありません。
そのため、実際は計算もそこまで複雑ではありません。
先程と同じように具体的な数字を出して経常収支を求めてみましょう。
民間投資が15兆円・民間貯蓄が8兆円・政府支出が10兆円・租税が6兆円である国の経常収支はいくらになるでしょうか。
さて、計算しながら求めていきます。
貯蓄・投資バランスの計算式は
(X-M)=(S-I)+(T-G)でした。
ただし、(X-M)を
経常収支に置き換えて考えます。
すると、実際の貯蓄・投資バランスは
経常収支=(S-I)+(T-G)
と表されるのです。
後は数値を当てはめていくだけで答えを求められます。
経常収支=(15-8)+(6-10)
で解は3兆円です。
ISバランスの応用問題
ここまで貯蓄・投資バランス(ISバランス)の計算方法について紹介していきました。
公務員試験では、それほど難しくありませんが少し変わった形式で出題されます。
いわゆる応用問題にも慣れていきましょう。
次に出題する問題はこちらです。
何度も書きますが、貯蓄・投資バランスの式は
経常収支=(S-I)+(T-G)でした。
問題文の意味が分からなくても、とりあえずは基本的な計算式から数値をそれぞれ当てはめていくことが大切です。
現在は経常収支と租税、政府支出の値が分かっています。
式に代入していくと
-25=(S-I)+(60-100)
です。
経常収支は赤字であるため、-25と当てはめていきます。
計算を直していくと、
(S-I)=40-25
と整理できますよね?
最終的な数値は
(S-I)=15
です。
ここで、選択肢の文に目を向けていきます。
「貯蓄超過」と「貯蓄不足」の2つの言葉がありますが、貯蓄超過は(S-I)が『+』の状態、貯蓄不足は(S-I)が『-』の状態を指しているのです。
求めた答えは「+15」であるため、
『1.貯蓄超過が15兆円』が正解になります。
ISバランスのまとめ
今回は貯蓄・投資バランス(ISバランス)の計算式の出し方と、経常収支の求め方について解説していきました。
貯蓄・投資バランスの式である
(X-M)=(S-I)+(X-M)
は必ず覚えておくようにしましょう。
さらに、経常収支は貿易・サービス収支(X-M)と同じ意味だと捉えてください。
後は下記の問題集でさまざまな過去問にチャレンジするだけでOKです。
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