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宝塚歌劇団のいじめ問題|会見が本当に胸糞だった件について

宝塚歌劇団のいじめ問題が、日本社会でも大きな波紋を呼んでいます。いじめが本当にあったのか、どのような労働形態だったのかと調査も慎重に行われています。

この記事では仮にいじめがあった場合、加害者を罪に問えるか否かを説明します。しっかりと内容を押さえて、皆さんの職場の環境づくりにも生かしてください。

 

宝塚歌劇団のいじめ問題

宝塚歌劇団の団員1人が、2023年9月30日に亡くなっていたことが明らかになりました。この原因の一つとして、いじめ問題があったのではと話題になっています。

宝塚歌劇団のいじめ問題について、細かく取り上げていたのが週刊文春です。以下の記事を中心に、さまざまなニュースを更新しています。

www.sankei.com

ここでは、週刊文春の記事も参考にしながら宝塚歌劇団のいじめ問題の実態を説明しましょう。

上司のパワハラ疑惑

宝塚歌劇団において、問題となっているのが上級生のパワハラ疑惑です。実際に遺族代理人が会見で表明しており、その事実について慎重な捜査が行われています。

パワハラの意味について、厚生労働省では以下のように定義しています。

優越的な関係に基づいて、業務の適正な範囲を超えて身体的・精神的な苦痛を与える行為のこと。

参照:厚生労働省(パワーハラスメントの定義について)

実際にどこまでのパワハラがあったのか、いまのところは詳細が不明です。しかし、団員が亡くなっている以上は、宝塚側も体制の見直しが求められます。

パワハラも名称が異なるだけで、いじめ問題と同じ要素を持つ問題の一つです。事実だった場合、加害者の行為は到底許されるものではありません。

過重労働疑惑もあり

宝塚歌劇団は、過重労働についても疑惑がかけられているようです。この件については、毎日新聞で「長時間労働を認める」主旨の報道がなされました。

労働法の観点を中心に、過重労働の問題点も解説しましょう。

労働基準法の規定

労働基準法では、過重労働を以下のように規定しています。

  • 月100時間を超えること
  • 2〜6カ月平均で月80時間を超えること

過重労働は肉体的のみならず、精神的にも大きなダメージを与えます。忙しい時期があるのは分かりますが、休息もしっかりと取らせなければなりません。

そのため、国を中心に社会では有給休暇の取得を促進させる運動が進められています。バースデー休暇の取得が主な例です。

加えて、残業時間を削減するために「ノー残業デー」も推進されています。残業時間も、管理職に細かく管理するよう求めているのが実態です。

宝塚歌劇団の場合は

国では少しずつ働き方改革を進める一方で、宝塚歌劇団では月250時間の長時間労働を強制していたと遺族側は主張しました(参照:毎日新聞)。

mainichi.jp

この具体的な数字が合っているかまではわかりませんが、宝塚側も長時間労働自体の存在は認めています。

確かに他の仕事と比べると特殊ではあるため、国の理想どおりにはならないのかもしれません。しかし、実際に団員の命を奪ってしまっているため言い訳も通らないでしょう。

実態をしっかりと明らかにし、次の被害が出ないように改善することが早急に求められます。

 

 

宝塚歌劇団の会見が胸糞

この記事を執筆するにあたり、宝塚歌劇団の会見もチェックしてみました。しかし、非常に保身的な印象を覚え、近年でも胸糞な会見として話題になっています。宝塚歌劇団の会見の何がいけなかったのかを解説しましょう。

いじめを認めなかった

宝塚歌劇団の会見では長時間労働の実態を認めつつも、いじめについては確認できなかったとしました。当然ながら遺族はこの対応に憤りを感じたようです。

遺族弁護人によると、被害者のLINEからいじめに関連しそうな記録が見られたとされています。

証拠がないならまだ分かりますが、ここまでの記録がある以上は団員を疑ってかかる程の姿勢は必要だと思います。

確かに、こうした対応はフェアではないのかもしれません。しかし、おおごとになっている以上は、宝塚側も危機感を持った対応が必要不可欠です。

安全面の配慮で逃げる姿勢

いじめやパワハラは一切認めないものの、長時間労働の部分はすんなりと謝罪しています。このことから、宝塚歌劇団は安全面の配慮が足りなかったという姿勢で逃げようとしているのではとも疑われています。

宝塚歌劇団の場合、一般的な仕事とは在り方が変わっている部分もあるのは確かです。こうした部分を利用し、上手く巻こうとする作戦なのかもしれません。

しかし、いまの時代はSNSでさまざまな噂がすぐに拡散されます。後味が悪い終わり方をしたら、しばらくはユーザーも熱が収まらないでしょう。

風化するまでは時間がかかりますし、被害者のためにも全力を尽くす姿勢は見せてほしかったです。

加害者を守る経営陣

会見でどうしても許せなかったのは、経営陣が加害者を守ろうとする姿勢が強すぎた点です。もちろん、加害者側も認めたくはないですが人権はあります。

ただし、罪は絶対に償うべきです。きちんとメディアの前に出て、加害者自身が謝罪をしなければなりません。

無論、世間は加害者に対して集中攻撃するでしょう。とはいえ、元々このような苦痛を与えたのもまた加害者自身です。

百歩譲って、小学生であれば罪を少しは軽くしてもいいかもしれません。あくまで「百歩譲って」ですが。

一方で、宝塚歌劇団のメンバーはもう良い年している大人です。未成年もいるかもしれませんが、事理を弁識する能力は間違いなく付いていると思います。

もう社会を動かす側にいるのだから、決して甘やかしてはいけません。

ヒアリングについても全員が必ず参加すべきです。その質問に対して「ご容赦ください」はさすかにあり得ません。

上がこのような姿勢を取るから、加害者に逃げ道を作ってしまうのです。本当に弁明の余地があるのなら、表舞台に立たせてください。

弁明できないのなら、いじめがあったことを素直に認めて代わりにトップが謝りましょう。

 

いじめ問題と刑罰

次に、視点を変えて「いじめ問題と刑罰」の関係性を解説します。いじめ問題は、宝塚歌劇団の話にかかわらず全ての社会で起こりうる事態です。

実際は刑法に触れるケースも多いものの、「いじめ」という言葉によって軽いイメージにされているような気もします。それぞれの関係を押さえ、犯罪に該当することを意識してください。

暴力は暴行罪か傷害罪

いじめ問題では、殴る蹴るを繰り返して相手を傷つけるケースがあります。こうした問題は、基本的に暴行罪か傷害罪にあたります。

暴行罪は殴る蹴るといった行為のみならず、水をかけたり石を投げたりする場合も含まれるので注意が必要です。相手の同意なしに髪を切る行為も該当します。

一般的な言葉の解釈と、法律は異なる点をしっかりと押さえてください。

暴行行為によって相手が怪我を負ったら、暴行罪から傷害罪へと切り替わります。

宝塚歌劇団では、ヘアアイロンでヤケドを負わせたという情報もありました。こちらは遺族弁護人の証言でもあるため、基本的には事実と思って問題ないでしょう。

故意にヤケドを負わせていることから、間違いなく傷害罪の構成要件は満たしています。

LINEも脅迫にあたる

宝塚歌劇団のいじめ問題では、LINEによるやり取りも問題視されていました。1人の団員に対してグループで集中攻撃。とてもチームワークの良い関係とはいえません。

LINEの内容もネットに上がっていますが、まだ信憑性が高いため記載するのは止めておきます。ただし、事実だった場合は強要罪や脅迫罪にあたる可能性も高いでしょう。

皆さんも、決して職場の同僚に対してLINEで傷つける言葉を送ってはなりません。

 

まとめ

今回は、宝塚歌劇団のいじめ問題の闇について解説しました。現段階の情報だけでは、まだ判明されていない部分も数多くあります。

メディアがこの問題をどこまで追いかけるかもわかりません。宝塚歌劇団も強い力を持つ団体だと思うので、圧力を加えられて風化してしまうケースも考えられます。

しかし、いまの時代ではX(Twitter)を中心に拡散に役立つSNSも存在します。この問題を風化させないことが、次の犠牲者を生まないようにする第一歩です。

とはいえ、経営陣がこういった姿勢では決して改善されないでしょう。私は元々宝塚歌劇団には興味ありませんが、このままではファンも離れてしまうと思います。

人は簡単に変われないものの、せめて反省する姿勢は見せてほしかったです。