高校や大学を卒業後、公務員試験を受けようと考えている人もいるでしょう。しかし公務員試験は筆記試験があるため、ある程度は勉強もしなければなりません。
この記事では、いつから勉強を始めればよいかを解説します。難易度も紹介するので、受験を予定されている人は参考にしてください。
公務員試験はいつから勉強すべき?
私の個人的な意見ですが、公務員試験の勉強は早くするに越したことはありません。なぜなら公務員試験は科目数が非常に多いからです。
高校生で習う内容に加え、数的処理や文章理解といった独自の科目も勉強しなければなりません。国家公務員や地方上級を目指す場合は、専門科目の勉強も必要です。
下記の記事では、公務員試験の科目について紹介しているので併せてチェックしてみてください。
高校生の場合
高校生の場合は、基本的に初級を受験する形となります。市役所や都道府県庁に加え、警察・消防・海保などの仕事があります。試験内容もどの仕事を選ぶかで変わりますが、勉強は高校3年生の部活を終わらせてからでもよいでしょう。
ただし注意しなければならないのは、公務員試験はセンター試験とは勉強内容が全くもって異なる点です。公務員試験を受けると決めたら、センター試験と両立するのは望ましくありません。
そもそも大学と就職はどちらか一方を選ぶはずなので、問題はないと思いますがどっち付かずの勉強だけは避けましょう。
大学生の場合
大学生は中級試験〜上級試験と範囲が広がります。国家試験や地方上級では専門科目も試験範囲となるため、全てを合わせると範囲は極めて膨大です。
早くから公務員試験を受けると決めたら、大学2年生から少しずつ勉強を始めるのをおすすめします。
専門科目は暗記系が多く、勉強した分だけ成果が出やすいのが特徴です。一方で教養科目は、数的処理や文章理解を中心に論理的思考力が求められるといえます。
教養科目のほうが慣れるまで時間がかかるので、こちらを優先的に勉強するとよいでしょう。特に数的処理と文章理解は最初に手を付けて、試験本番までには慣れておく必要があります。
受験先で変わる勉強のタイミング
高校生は部活が終わってから、大学生は2年生あたりからと述べましたが、受験先によっても勉強すべきタイミングは異なります。
ただし高校生は基本的に全て部活が終わってからでも問題ないでしょう。無論、早くから始めるほうがよいものの、学校の勉強もあるのできちんと両立させてください。
ここでは、大学生向けを中心に解説します。
国家総合職は早めに
私自身、転勤が嫌だったので国家公務員は全て受けていませんが、国家総合職は難易度が非常に高いです。一次試験で足切りされないためにも、なるべく早めに勉強するのをおすすめします。
特に国家総合職は、地方上級や市役所と比べて問題自体が難しいです。憲法の内容であれば、基本的な学説もしっかりと押さえる必要があります。
一般的に旧帝大や早慶がこれらの試験を受験する印象です。ライバルのレベルも高いため、学力に自信がない人は「質と量」を意識しながら勉強しましょう。
都庁・大都市圏県庁・労基も早めに
国家総合職よりは下回るものの、東京都庁・大都市圏県庁・労基などもレベルは高いといえます。これらの試験を受ける人も、なるべく早めに勉強したほうが得策です。
このレベルになると、旧帝大〜地方国立と幅広い受験生がいます。
労基のような国家専門職は、労働法を中心に独自の切り口で問題が出題されるため、最終的にはその内容に合わせた勉強が必要です。計画的に勉強して、幅広い問題に慣れましょう。
地方上級・中級や国家一般職は少し遅めでもOK
無論、早いに越したことはないのですが、地方上級・中級試験や国家一般職は大学3年生あたりからの勉強でも間に合います。これらの試験も専門科目は出題されますが、難易度は比較的下げられています。
とはいえ旧帝大〜地方国立、私大と多くの人が受験しています。周りのレベルは基本的に高いと思ってください。
私自身も大学生の頃は勉強がダメダメで、地方上級は残念ながら落とされました。地方中級で最終合格までこぎ着けましたが、きちんと勉強法を見直すのが大事だと実感しました。
自分が本当に伸びているかを知るためにも、定期的に模擬試験を受けたほうがよいでしょう。
国立大学法人も大学3年からでOK
国立大学法人試験も、基本的に大学3年生からでOKです。問題のレベルは地方上級あたりと変わりませんが、こちらは専門科目がありません。その分、筆記試験自体は簡単です。
しかし国立大学法人の場合、国家や地方上級と比べて枠がほとんどありません。筆記試験は突破できても、最終合格に至るまでは何十倍の倍率をくぐり抜ける必要があります。
私も筆記試験は難なく突破できましたが、第一志望の大学の定員はたったの1人でした。最終面接までは進めたものの、結局「補欠」という中途半端な結果となりました。
したがって国立大学法人は、筆記よりもGDや面接の突破に力を入れることが大切です。
市役所・警察・消防は遅めでもOK
市役所試験・警察・消防に関しては、基本的に教養科目しかありません(自治体によって異なる)。問題の内容もそこまで難しくはないので、大学3年生の後半からでも十分試験には間に合います。
また市役所や警察を受ける人の中には、国家や地方上級も併せて受験される人もいるでしょう。国家・地方上級が本命であれば、市役所試験はその延長線上にしかありません。したがって一緒のタイミングで勉強を始めてOKです。
しかし市役所試験もGDや面接の試験があります。警察や消防であれば、体力試験にも合格しなければなりません。これらも筆記より押さえないといけない要素が数多くあります。
勉強のタイミングは個人差あり
公務員試験の勉強を始めるタイミングは、正直なところ個人差があります。私は学生時代では全然勉強ができなかったので、公務員試験には結構苦しめられました。
私の話ですが自分に合った勉強法を見つけ出せたのは、リアルに大学4年生になってからだと思います。国立大学法人の筆記に合格したあと、地方中級と市役所は全て最終合格を掴めたので右肩上がりに結果が良くなりました。
つまり私は大学3年生から勉強を始めたものの、形として表れたのは大学4年の夏頃になってからでした。
伸びないなと思いつつも、地道に正しい勉強を続けていれば力は付きます。その助走が重要になりますが、どのくらいの期間が必要になるかは誰にもわかりません。
そのため助走するのに十分な時間を確保できるうちに、勉強をスタートさせたほうが望ましいでしょう。