行政書士試験の勉強をしようと考えているものの、過去問だけでも問題ないか気になる人もいるでしょう。過去問も確かに重要ですが、個人的には「+α」の勉強が必要と考えています。
この記事では、行政書士試験に短期合格を果たした筆者が、合格できる勉強法について紹介します。行政書士試験の受験生は、ぜひ参考にしてください。
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行政書士試験は過去問だけで対応できるのか
結論から言うと、行政書士試験を過去問だけで乗り切る人もいると思います。しかし筆者としては、過去問だけに勉強法をしぼるのはおすすめしません。民法を中心に法律は勉強範囲が広く、網羅的に捉える必要があるためです。
ある程度法律に詳しい人が、行政書士試験にチャレンジするのであれば過去問だけでもいいかもしれません。一方で法律の初学者であれば、テキストを使った勉強も必要です。「過去問だけで合格できる!」と謳う人もいますが、初学者には基本的に難しいでしょう。
過去問は何に役立つ?
過去問だけを使った合格は難しいですが、過去問そのものは勉強において大いに役立ちます。ここでは、過去問をどのように使えばよいかをまとめます。
試験の傾向を知る
過去問の正しい使い方は、試験の傾向を知ることです。基本的に行政書士試験の場合、択一式と多肢選択式、記述式といった種類があります。
法律がメインなので簡単ではありませんが、司法試験と比べると問われ方はシンプルです。問題集を解き進めていけば、ある程度はどのように対処すればいいかも見えてきます。
将来的に何かしらの改革があり、出題方法が変わる可能性は否定できません。ただしこのような事情がなければ、基本的に過去問と形式は同じです。初めて行政書士試験を受ける人は、とりあえず過去問から全体像を知っておきましょう。
狙われやすい範囲がわかる
過去問を勉強するメリットの一つとして、狙われやすい範囲がわかる点も挙げられます。優秀な過去問であれば、頻出度も一緒に記載されています。狙われやすい範囲を上手くしぼれれば、効率的に点数を稼げるでしょう。
ただし法律の場合、直接的には問題として出題されなくても、その知識を使うことがあります。例えば、民法の第1編第4章に収録されている「物」の分野です。
直接狙われる機会は少ないものの、主物や従物、天然果実や法定果実といった基本的な用語が出てきます。これらは、登記や抵当権など不動産関連の勉強において必要な知識です。
このように過去問で範囲はある程度しぼれるものの、頻出度の低い分野を完全にスルーするのはおすすめしません。あくまで優先順位を決めるときの参考にしてください。
テキストと異なる視点で学べる
過去問は、テキストと異なる視点で学べるところもメリットといえます。行政書士試験は、ほかの法律を使った試験と比べると、全体的に基本問題が多いです。一方で何問かは、少し変わった形式で出題されることもあります。
テキストは、どちらかというと条文や定義をまとめたものです。あらゆる形式に対処できるようにするには、過去問を使ってさまざまな問題にチャレンジする必要があります。
いくら基本を押さえたとしても、イレギュラーな応用問題に対応するのは難しいでしょう。知識をただ覚えるだけではなく、きちんと活用できる訓練をしないといけません。
過去問のおすすめな使い方
過去問を使用していると、とにかく問題をひたすら解きたくなる人もいるかもしれません。その勉強方法が合っているならいいものの、問題が解けずにストレスを抱える人もいると思います。
筆者も、大学生くらいの頃はストレスを感じながら勉強をした過去があります。こうした経験も踏まえ、過去問の有効的な活用方法を模索していました。そこで過去問のおすすめな使い方を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
最初の1周目は解かない
筆者が行政書士試験用の過去問を使用したとき、最初の1周目は問題を解きませんでした。問題文にとりあえず目を通し、そのまま解説を読むといった方法です。
筆者の場合、勉強期間が3ヶ月しかなかったので、基本的に時間との勝負でした。そのためテキストから勉強しても、時間を有効活用できないと感じていたのです。
しかし問題集をいきなり解こうとしても、正答できるわけがありません。そこで「どうせ解けないのなら」と、最初の1周目は解説から内容を理解しようと考えました。
そこまで法律の知識が入ってなくとも、「一度読んだことがある」だけで2周目以降は深く理解できたと思います。法律を初めて勉強される方は、ひとまず問題集をひと通り解かずに読んでみるのもおすすめです。
チェックの種類を豊富に
皆さんも過去問を解くとき、「◯」や「✕」といったチェックを付けるはずです。筆者の場合は、このチェックの種類を5つも使っていました。
具体的には「◎」「◯」「△」「✕」「✓」です。それぞれの記号には、以下の意味があります。
- 「◎」:文句なしの完答
- 「◯」:当たったけど不安
- 「△」:2個中1個だけ分かった
- 「✕」:解いたけど外した
- 「✓」:解けずに飛ばした
特に「△」を説明しますが、行政書士試験は5つの中から正答を1つだけ選ぶのが基本です。しかし問題によっては、「1.アとウ」「2.アとエ」みたいな選択肢も出てきます。
本来は番号が間違えていたら、片方だけ分かっていても点数はもらえません。しかしすべて「✕」とチェックを入れると、どう間違えたのか振り返りできなくなります。
また「✕」と付けるよりも、「惜しかった」という意味も込めて「△」を付けてあげたほうが少し気持ちは楽になるでしょう。このようにモチベーションを上手く保つことも、勉強を続けられるコツです。
テキストは添えるだけ
法律に限らず、何か勉強をしようとするときにテキストを中心に見る人もいるでしょう。人によって考え方はあると思いますが、筆者はあまりこの方法をおすすめしません。
なぜならテキストを読んだところで、人間の記憶は数週間も経てば忘れてしまうからです。どちらかと言うと、過去問で実践的な練習を積んだほうが効率的だと考えています。
どうしてもテキストを中心に使いたいのであれば、なるべく問題集とセットのものを使いましょう。出版社にもよりますが、セットになっていると問題集にリンクしているページ番号がテキストに掲載されているためです。
つまりテキストを読みながら、過去問でどのように問われているかを併せて確認できます。少し時間はかかりますが、じっくりと勉強したい方には向いているはずです。
年度別の過去問は解くべき?
行政書士試験に限っては、年度別で過去問を揃える必要はないと考えています。年度別の過去問を用意するよりも、なるべく多くの過去問が収録されている問題集(過去問集)を購入したほうが得策です。
資格試験では、確かに本番を想定した訓練は必要になります。しかし行政書士試験は試験時間が3時間と長く、普段の生活でそのくらいの時間を確保するのは意外と難しいでしょう。仕事や家事に追われる社会人であれば尚更です。
筆者は行政書士試験を一発で合格しましたが、本番に備えた練習は全くしていません。そもそも勉強時間があまり取れなかったので、逆にもったいなく感じていました。
とはいえ「3時間」という時間が、本番では少し苦痛になっていたのも事実です。本番に備えた練習をしたいのであれば、各予備校が実施している模擬試験の受験をおすすめします。本番の空気に加え、自分の実力も知れるので一石二鳥です。
筆者の使用した過去問集
筆者は、1冊の過去問集を何周もして勉強しました。3ヶ月しか勉強期間がなかったため、何個も過去問集を購入しているヒマがありませんでした。
とはいえ、基本的に過去問集を多く購入する必要はないと思います。むしろさまざまな種類を購入してしまうと、すべて中途半端に手を付ける状態になるので危険です。
筆者としては、1冊の過去問集を3周くらいして、とりあえず1冊を完ぺきにマスターするのをおすすめします。どのシリーズを購入したか、科目ごとに紹介しましょう。
過去問の勉強は基本
行政書士試験に限らず、資格試験の勉強は過去問を中心に使うのが基本です。ただし内容をしっかりと理解するには、テキストも添える形で使用するのをおすすめします。
行政書士試験は試験時間が3時間と長いため、年度別で過去問にチャレンジする必要はないと考えています。さまざまな年度で出された問題を集めた、問題集(過去問集)は購入しておくとよいでしょう。
自分の今の実力を確かめたいのであれば、模擬試験を受験してみるのもおすすめです。論文試験も採点してくれるため、自分の弱点も細かく教えてくれます。