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保育士は誰でもできる仕事?元児童福祉課職員の視点

どーも、やまとのです。

保育士の給与にあたる公定価格を引き上げる旨のニュースが報じられました。

保育士の給料と言うと、とある人物の発言を思い出します。

保育士は誰でもできる仕事

今回は、この発言の捉え方と本当に誰でもできる仕事なのかを見ていきましょう!

 

1.保育士は誰でもできる仕事?

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この問いへの答えは、
主に2通りあると僕は考えます。
・経済学の視点に立った場合
・実社会の視点に立った場合
です。

味方の違いで誰でもできる仕事なのかどうかが変わっていきます。


・経済学の視点に立った保育士

こちらの立場で考えた場合、
「保育士は誰でもできる仕事」と言えるかもしれません。

何故なら、弁護士や医者のように資格そのもののハードルが高くないからです。

給料が高い仕事は、誰にも真似できないような専門的な知識やスキルが求められます。

確かに、保育士は専門性が必要じゃないわけではありません。

ただ、弁護士のように膨大な知識量や医者のような知識かつ洗練されたテクニックには及ばなくなります。

この点から、一般的な市場の視点から言えば、
「保育士は誰でもできる仕事」はあながち間違いではありません。


・実社会の視点に立った保育士

「では、やまとのは保育士の仕事ができるのか?」と問われたら僕は
できないと即答するでしょう。

保育士の仕事は非常に特殊で、
外側から見たら誰にでもできるものの、隠れた部分で専門的な技術が求められると言えます。

どの仕事にも言えることかもしれませんが、
保育士はその側面が特に強いです。

基本的には体力勝負で年齢層がバラバラの園児を一斉に見ないといけません。

ここが年齢ごとに明確なクラス分けがされている幼稚園と異なるポイントですね。

毎日日誌を書き、市の職員であればボランティアや災害時の対応にも追われます。(男性職員が多い)

出し物があれば、
夜遅くまでセットを作ることも仕事の1つです。

サービス残業も多く、心弱い方は一気に打ち砕かれていきます。

インフルエンサーの方は注目を集めるために
「保育士は誰でもできる仕事」の一言だけ言いますが、反発食らうのはある種当然です。

 

2.お前が言うな感もある

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「保育士は誰でもできる仕事」に対する反論の中には、
「お前が言うな」という思いもあったでしょう。

そのくらい、想像と実態は大きくかけ離れているものです。

恐らく、仕事内容もある程度は把握していると思いますが、言葉遣いが悪いと捉えられても文句は言えません。

全体的な市場の視点に立った際に、
専門性が低いと認識される職業でもプロは存在します。

保育士もいわば子育てのプロです。
素晴らしい職員の方々を僕もこの目でたくさん見てきました。

物の言い方は気を付けなければいけません。

 

3.保育士の給料のカラクリ

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最後に、保育士の給料について見ていきましょう。

保育所は公定価格と言って、
人件費や光熱費、事務費等の金額が私立保育園であれば各法人ごとに細かく設定されています。

確か公立保育所は市町村が運営する施設なので、給料は階級ごとに一律です。

元同僚の予算案も見たことがありますが、
ハッキリ言って意味不明でした(笑)

そのくらい綿密に作られています。


・なぜ給料が低いと言われるのか?

大変な職業なのに、なぜ人件費が安く設定されているのかを解説すると…

第一に施設の目的が原因です。

分かりやすく言えば、
「そもそも保育所は何のためにあるの?」
を問いから始まります。

当然、お仕事で子どもの面倒が見れない親のために一定時間集まるサービスを指しますよね?

仮に保育士の給料を高く設定したら、
保護者の保育料における自己負担もその分高く設定しないといけません。

市や社会(学校)福祉法人の予算が足りなくなるからです。

しかし、自己負担が大きくなれば、
保育所へ子どもを預けるハードルが高くなります。

だから、直接的に
「保育士は誰でもできる仕事」
「給料が低い」と繋げるのは安直です。

経済学の考え方であれば、
「誰でもできる仕事だから給料が低い」に異論は無いものの、保育士の仕事に着目すると偏った見方でしかありません。

公立・私立あれど保育士の仕事は、
営利を求める職業では無いです。

財政状況や国民所得にも大きく左右されます。

仕事内容も給与システムも
複雑な職業が保育士です。

この方々がいるからこそ、
夫婦共働きの社会が実現できています。

「誰でもできる仕事」とバッサリ切らず、
保育士の方に敬意を示しましょう!

 

4.まとめ

今回は、
「保育士は誰でもできる仕事なの?」
というテーマで書いていきました。

経済学の視点に立てば、
あながち間違いではありません。

とはいえ、それはたった1つの見方であり、
仕事の性質を無視した偏りの強い視点です。

公定価格から紐解く保育のあり方に給料問題も大きく関わっています。

保育士の給料が上がれば、その分保育所が高価な存在になってしまうのです。

それを是正するのが国の役割といえます。