青二才ヤマトノの学習帳

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心神喪失…Twitterの意見はどう捉える?

どーも、青二才ヤマトノです。

TwitterなどのSNSからはあらゆる声や情報が飛び交います。

 

そんな中、ある言葉がトレンド入りしました。

 

その言葉が『心神喪失』です。

 

この言葉について様々な議論が投げかけられていますが、勘違いされている内容も多いので、ここで再度法律を振り返りたいと思います。

 

ただし、こういった内容は非常にデリケートですので、ある事件を取り上げるということはせずに書いていきます。

 

そのため、ややあやふやな内容になるのはあらかじめご了承ください。

 

 

【1.心神喪失とは】

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心神喪失とは、簡単に言ってしまえば、善悪が判断できない精神状態を指します。

 

例えば、車を運転していたとします。

 

車を運転している間に病気の関係で突然意識が飛んでしまい、建物に車をぶつけてしまいました。

 

本人は至って真面目に運転しようとしていたのにも関わらず、突然意識が飛んでしまったがために何も分からないまま事故を起こしてしまいます。

 

刑法の世界では、事故の原因となった病気をよく鑑みた上で、心神喪失による事故とみなされた場合は罰しない旨定められています。(刑法第39条や第41条)

 

このように、自分の行いに責任を負うことができる能力を責任能力と言い、責任能力にかかる歴史は何と奈良時代にまで遡ると言われているのです。

 

江戸時代には、社会に無知な子どもも大罪を犯した際には首を切られることもあり、この反省から責任能力に関しては慎重な取り扱いがなされています。

 

ちなみに14歳未満の少年を触法少年と呼び、刑事上で責任を負うことはありません。

 

 

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刑法第39条 1.心神喪失者の行為は、罰しない。 2.心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

 

【2.心神喪失における勘違い】

心神喪失に関しては、いくつかの勘違いがTwitterで広まっているように感じました。

 

それをいくつか取り上げて是正していきます。

 

 

(1)国籍は関係ない

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まず、挙げられるのが心神喪失かどうかの判定に国籍は関係ありません。

 

外国人は甘く判断されるという思い込みからこのような声が多く挙げられますが、あくまで医療観察の手続きに則って心神喪失の判断が下されたに過ぎません。

 

対外的関係がというのは単なる陰謀論で、例え外国人だろうが日本で犯罪をした場合は我が国の裁きを受けます。

 

ちなみに、被害者も同様に外国人だったとしても、日本で反抗が行われれば日本の法律で裁きを受けます。これが俗に言う属地主義ですね。

 

裁判はさまざまな状況を考慮しなければならないので、甘いと感じられる判決が下された場合は公正を疑いたくなるのかもしれませんが、裁判所は下手な判例を作れません。

 

検察官も起訴するかどうかの権限を担っているものの、心神喪失が認められるような人物を起訴するわけがありません。

外国人関係なくです。

 

ですので、国籍を疑うような見方は幻想に過ぎないと言うほかは無いでしょう。

 

 

(2)自ら心神喪失状態にするのはNG

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次に多かった反論が、

「お酒や薬を使って心神喪失に陥れば犯罪すればいいのか!?」

というものでした。

 

これに関してはきちんと答えが出ています。

 

昭和43年2月27日の最高裁第三小判例を参考にすると分かりますが、わざとお酒を喰らって犯行に及んだ場合は心神喪失の適応はなされません。

 

普通に裁かれます。

 

ですので、上記の問いかけのような場合には普通に刑罰が下されると答えることができます。

 

飲酒運転とかが罰せられるのもこのためですね。

 

頭の片隅に入れておけば、下手なことを言って炎上させずに済むかもしれません。

 

実際に被害者となることもあり得ますし。

 

 

(3)裁判上の心神喪失認定は少ない

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こういった事例がメディアに取り上げられやすいためか、心神喪失認定で裁かれない人が多いという印象も抱きやすいようです。

 

しかし、実際に裁判で心神喪失の認定が下りる方はそう多くありません。

 

寧ろ、1年通した平均が大体2人程度なので、極めて稀に見られる例と言っても過言ではないでしょう。

 

ちなみに、心神喪失よりも症状が軽く、認定されると減刑対象になる心神耗弱年間平均80人弱が裁判上で認定されます。

 

減刑されるのも納得いかない人はいると思いますが、裁判によって心神喪失認定されるのはごく僅かなので「こんな裁判ばかり」と裁判所を叩くのはお門違いと言えます。

 

しかし、ここで注目すべきは検察官の判断です。

検察官は起訴が確実じゃないものは基本的に不起訴処分として扱います。

 

心神喪失を事例に不起訴処分としたのは年間500人が平均的です。

 

まずは、検察官と裁判所の判断に区別をつけることが重要ですね。

 

そして、メディアでは明かさない事情を検察官は握ります。確かに起訴処分における問題も度々検察官の間では見られますが、この場合は例え起訴したところで刑罰が下ることはないでしょう。

 

 

【3.逆の立場になる】

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よく叩かれてしまう心神喪失ですが、これについては一度冷静になって考えてみましょう。

 

精神障害で物事の判別がつかなくなるのは、誰にでも起こり得ます。

 

今は健康でも、将来で何かトラウマを抱えてしまうことで、精神障害に陥ることは誰でもあり得る話です。

 

もし、逆の立場になって何も気づかないまま犯行に及んでしまったとしたら。

 

それで、一般人と同様に罪を問われて何も知らないまま刑罰を下されたら。

 

と考えた際、本当に納得するでしょうか?

 

平気で殺処分という言葉を使う方もいますが、似た状況に陥った際、自分が動物扱いされても何も思わないでしょうか?

 

これはあくまで一般論の話です。

ある特定の事件で対象となった人物を守るとかそんな意図は一切ありません。

 

もちろん、被害者の人権を優先すべきではありますが、あまりにも酷い暴論を世界に発信するのもまた問題です。

 

それは、正義ではありません。

 

議論するのであれば、一方的な感情を捨てて、自分がその立場となった時のことを考えましょう。

 

そこから医療観察の問題点を追及したり、改善策を見出したりした方がよほど効果的です。

 

 

【4.被害者の人権】

とここまでは少し心神喪失者を擁護するような文を書きましたが、1番優先されるべきなのは被害者の人権です。

 

いくら相手が心神喪失者と言えども、ただ外を出歩いただけで被害に遭ったら命がいくつあっても足りないです。

 

実際に医療観察法を問題視する見方もありますし、これまで紹介した内容を踏まえた上で再度審議は必要になるのかもしれません。

(リンク先:医療観察法は即座に廃止されるべき

中島 直 氏著)

https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1130050477.pdf

 

 

心神喪失者を確実に監督するための手段も考えていき、まずは被害者を出さないことを優先していくことが必要です。

 

メディアもまた医療観察についてしっかりと公表することによって、課題点が世間でより共有されるようになるかもしれません。

 

というわけで、まずは更生保護制度についての本を1つ紹介したいと思います。

 

渡辺信英先生が著した本ですね。

こちらを読めば、保護観察や医療観察について大方理解することができます。

 

社会福祉士や精神保健福祉士などを目指す方はぜひ押さえるべき書籍と言えます。

 

おまけに本の後半には各種法律の条文社会福祉士・精神保健福祉士国家資格試験の試験問題も記載されているので試験対策にも活用できます。

 

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書籍としてもテキストとしてもオススメ!

 

さらに、どのような人物が外で彷徨いているかは分からないので、防犯グッズを携帯しておいた方が無難です。

 

しかし、無理に戦おうとしないでください。

 

逃げるための手段として用いるように。

あくまで危険な場所から身を移すことが優先ですよ!

 

 

【5.終わりに】

本日はSNSの声から心神喪失について考えていきました。

 

SNSは間違った知識までもが拡散されてしまうので注意は必要です。

 

その情報が正しいのかどうかを自分で取捨選択できる力が求められます。

 

そのためには、情報を鵜呑みにはせず、一度持ち帰って自分で調べるというクセをつけましょう。

 

情報を上手く活かせるかどうかは自分次第です。

 

というわけで今日の記事は以上です。

最後まで読んでいただきどうもありがとうございました!

 

 

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