どーも、青二才ヤマトノです。
本日は公務員試験の専門科目で必要となる民法について解説していきます。
まずは、こちらの動画をご覧ください。
このブログでは、動画で紹介した
- 未成年者
- 成年被後見人
についてより細かく解説していきましょう。
【1.未成年者】
では、最初に未成年者を説明します。
未成年者は、現行法では20歳未満とされていますね。
しかし、皆さんもご存知の通り、公職選挙法などでは既に18歳未満が未成年者と考えられるようになりました。
民法でも、2022年4月には、
18歳未満が未成年者として扱われます。
ここは、受験する年度によって大きく変わってくるところなので、今のうちからチェック入れておくようにしましょう。
未成年の法律行為は、原則として親権者の同意が必要となります。
父や母がいない場合は、
未成年後見人という監督人が同意するかしないかを判断します。
やはり、未成年者は未熟なので、基本的には親の管轄下に置かれるんですね。
しかし、中には親権者の同意なく、未成年者が単独で行える行為もあるので下記に取り上げてみます。
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単に権利を得る行為
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義務を免れる行為
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処分を許された財産の取り扱い
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婚姻をした場合
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営業を許された場合
単に権利を得る行為
単に権利を得る行為とは、動画にもある通りタダで物を貰うなどの行為が該当します。
実は他にもいろいろあるのですが、公務員試験ではそこまで事細かく覚える必要はありません。
基本的に未成年者側が負担しない契約であれば、単独で法律行為ができるんだなくらいに押さえてください。
義務を免れる行為
義務を免れる行為の最たるものは
債務の免除です。
これは、借金返済がチャラになるようなことが該当します。
義務を免れるのは、未成年者にとってプラスにしかならないですよね?
そのため、特に親権者や未成年後見人の同意なく単独で行えると考えられています。
処分を許された財産の取り扱い
次に、これも言葉の意味が分かりづらかったと思いますが、要はお小遣いと考えてください。
お小遣いは目的を定めずに与えられたお金ですが、逆に目的を定めて渡されるお金もあります。
それが、学費や寮費です。
これも、殆ど保護者の同意の下で渡されたお金になるので、その目的において使うのであれば、基本的にわざわざ同意を貰うようなことは必要ありません。
婚姻をした場合
さあ、ここからが重要ポイントです。
現行法では、男性は18歳、女性は16歳になったら結婚することができます。
未成年者が結婚すると、成年擬制といって成人と同じように扱われます。
親権者や未成年後見人はあくまで
未成年者を保護するための存在です。
成人と同様の扱いを受けるならば、これらの同意もまた必要無くなるといった意図があります。
なお、成年擬制は離婚した未成年者にも働くので、間違えないよう注意しましょう。
動画では、2022年4月から民法上で取り扱いが変わると話しました。
何とこの規定は、2022年4月に改正され、
男性も女性もともに18歳から婚姻できるという文言に変わるのです。
未成年者も18歳、婚姻適齢も18歳となると…
そう、婚姻においては成年擬制の考え方が無くなるんですね。
ここは、法律が変わった後の試験においては、チェックすべきポイントの1つと言えるでしょう。
営業を許された場合
最後に、営業を許された場合についてもお話ししましょう。
営業の範囲内であれば、婚姻の場合と同じように成年擬制が働きます。
ただ、これはあくまで営業の範囲内です。
営業していたとしても、婚姻をしていない未成年者が営業とは関係ない法律行為をする場合は、親権者等の同意が必要となるので、必ず押さえるようにしてください。
【2.成年被後見人について】
では、動画の後半部分である
成年被後見人について見ていきます。
成年被後見人は、
「精神上の障害により、事理を弁識する能力を欠く常況にある者」
と定義されています。
難しい言葉がエゲツないほど並んでいるので、動画においては『重度の認知症を患っている者』と紹介しました。
成年被後見人の法定代理人は後見人(成年後見人)です。
原則として、後見人は成年被後見人の殆どの行為を取り消すことができます。
この取り消す権利が取消権です。
名前の通りですね(笑)
基本的に後見人は成年被後見人の肩代わりと考えた方がいいです。
つまり、成年被後見人の権利を代わりに行使する立場の人。
マイナスに考えると、後見人が成年被後見人の財産を狙うことが問題ともなっています。
これらのことから、後見人は成年被後見人を代理する権利、代理権を当然に持ったいると考えられています。
この『当然に』という言葉がこれ以降の解説において意外とキーとなっていきます。
同意権はあるのか?
この制限行為能力者において、とりあえず覚えておかなければならない法定代理人の権利が
- 取消権
- 代位権
- 同意権
です。
中には、追認権というものもありますが、これについてはもう少し話が進んだら解説します。
後見人の場合は、取消権と代位権は当然に持っていると説明しました。
では、同意権についてはどうか?
そもそも同意権は何かを踏まえて触れていきましょう。
同意権とは、法定代理人が「その取引しても良いよ!」と同意できる権利です。
法定代理人が同意したら、基本的にその法律行為は有効になります。
しかし、後見人の場合は同意権がありません。
なぜなら、例え同意したとしても、成年被後見人がその通りに行うとは考え難いからです。
差し詰め、成年被後見人の法律行為に対して、仮に同意する意思を示したとしても、後に後見人が取り消しすることも可能なのです。
先に言ってしまいますが、被保佐人と被補助人の法定代理人には同意権が与えられています。
つまり、成年被後見人は他の制限行為能力者と比べて、法律行為において自由が制限されているということが分かりますね。
しかし、それでも成年被後見人が単独でできる法律行為もあります。
それがこちらです。
- 日常生活に関する行為
- 婚姻等の身分行為
日常生活に関する行為
まず、日常生活に関する行為とは、
- 食材の購入
- 電気代の支払い
といった日常生活における簡単な買い物があたります。
これは、いちいち後見人に話をつけてもらうのは手続きが煩雑になるので、成年被後見人が1人で行うことができると考えられています。
まあ、特に成年被後見人の財産を著しく損なわせるものでも無いですしね。
婚姻等の身分行為
次に婚姻等の身分行為についても、成年被後見人が単独でできる行為にあたります。
これは、成年被後見人の意思を尊重しなければならないからです。
結婚相手はさすがに自分で選びたいですし、後見人に取り消しされたら、それこそ他人が敷いたレールしか走れなくなってしまいます。
ただ、未成年者の場合は親の同意が必要です。(未成年後見人ではなく、婚姻に関しては親のみが同意権者)
ちなみに、他に身分行為といえば、認知が挙げられます。
【3.次回は】
次回は被保佐人と被補助人について見ていきます。
制限行為能力者の規定はかなりボリューミーですが、民法の基本中の基本です。
攻略を頑張っていきましょう。
公務員試験でも、ここは絶対に抑えるべき項目といえます。
何とかイメージを持って、確実に解答していきたいですね。