今回も公務員試験の憲法の解説を行います。
前回から『財政』の分野に入っています。
前回は予算の法的性格を勉強しましたが、本日は日本の予算の種類を押さえていきましょう!
ちなみに、前回の記事で一部誤解を生む表現をしてしまったので訂正します。(記事も修正済みです。)
法的性格の一部で、予算法律説には増額修正の制限がないと考えるのが当然だという記載をしました。
しかし、それを批判する説も一部では存在します。
基本、法的性格は複雑なので例外も基本的には受け入れます。
もし、前回の記事を読まれた方は再度読み直してください。
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日本の予算の種類
まず、予算は内容や時期ごとに分類すると、種類は大きく6つあります。
公務員試験に出てくる財政学の勉強では、これらを全て押さえなければなりません。今回はあくまで憲法の解説なので厳選して紹介します。
予算は成立時期によって分類できますが、その数は3つです。
- 本予算
- 暫定予算
- 補正予算
これらをそれぞれ説明していきます。
本予算(当初予算)
本予算は当初予算とも言われてる、次年度が始まる前に作成しておく予算です。
公務員試験の憲法で本予算自体はそこまで問われませんが、基礎的な部分であるため把握しておきましょう。
年度が始まる前に予算を作成し、来期の財政に生かします。
公務員に勤めてからも、重要な業務となるため仕組みは覚えた方が賢明です。
予算案の未完成に備えた暫定予算
本来は本予算を作って次年度に備えるのですが、場合によっては予算案が完成しないかもしれません。
そうなったら予算の確保ができず、事業に費やすお金を準備できなくなります。
これでは困り果てるので、予算案が完成しないときにはお金を集める手段を講じなければなりません。
このときに用いられるものが暫定予算です。
暫定予算も決める際には国会の議決が必要となります。
不足の事態に備えた補正予算
内閣はいろいろと考えて予算を作りますが、世の中計画通りに進むことの方が少ないでしょう。
思った以上に費用を使い、予算が足りなくなるケースも生じます。特に日本は自然災害が多いため、予想できない事態も起こります。
それに備えて、足りない分を補うものが『補正予算』です。補正予算も国会の議会に基づいて成立します。
緊急時にすぐ使える予備費
こちらは時期によって区別される分類ではありませんが、大切な内容なので併せて説明します。
思いがけない支出があった際に活躍するのが補正予算ではありますが、いちいち国会の議決を待って充当するのも実際の業務では煩わしいですよね?
あらかじめ足りない金額をすぐに補えるお金を用意すれば、わざわざ時間を要して補正予算を準備する必要もありません。
使い道を限定しない費用が「予備費」です。予備費も国会の議決に基づいて設けられ、内閣の責任で支出します。
予備費を支出する際には、内閣は事後に国会の承諾を得なければなりません。
「事後に承諾」の部分が『事前』と引っ掛け問題として出てくることが多々あります。
試験に出されたら、注意して解いてください。
財政にかかる国会と内閣
財政にとって内閣と国会の関係性が重要です。
内閣が基本的に財政のさまざまな案を作成し、それを国会が審議しながら組み立てていきます。
いわば財政においては、国会が監督で内閣が選手の役割を果たします。
内閣は財政状況をしっかりと観察して、それを国会に報告しなければなりません。
その回数は1年に1回と憲法91条に定められているので確実に覚えましょう。
また、予算を作成する権限は内閣にのみ委ねられています。
法律の場合は国会が発議することもありますが、予算には国会による発議権がありません。
ちなみに、予算を伴う法律の発議については以下の賛成があれば国会で行えます。
- 衆議院は議員50人以上
- 参議院は議員20人以上
そして、日本に住む者は僕も含めて誰もが敏感になる税金ですが、租税に関する取り決めは「法律により決めるのが原則」です。
こちらの原則は、租税法律主義といわれています。
租税法律主義の考え方だと、税金の徴収方法や納税者の対象などを決めるのも全て法律です。
まとめ
今回は日本の予算の種類について見ていきました。
ここで紹介した、予算3つはしっかりと押さえてください。
- 本予算(当初予算)
- 暫定予算
- 補正予算
憲法だけではなく、財政学でも問われる可能性があります。
他にも、財政における内閣と国会の関係性を把握しましょう。法律案や予算案の違いも区別するといいかもしれません。
- 予算の種類と特徴を見分ける
- 予算が成立する流れを押さえる
- 予備費を出す過程を押さえる