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相続税の申告漏れ。税理士に相談して追徴課税を防ごう

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相続税の申告漏れが問題になっているそうですね。前から問題視されていましたが、今年分は5,000件と過去10年で最大だと報じられました。

皆さんも普通に生活していれば、税金は納める義務があるものだと頭では分かっているはずです。では、なぜこのような問題が起こるのでしょうか。

今回は相続税の申告漏れが起こる原因を説明するとともに、対処法を紹介します。

 

相続税の申告漏れの原因

相続税の申告漏れには、いくつかの原因が考えられます。中には、ルールを破るつもりはなかった方もいるはずです。

相続税ならではの独特な制度が原因に繋がる場合もあります。相続が生じた場合は皆さんも注意してください。

相続税のことを知らなかった

まずは、相続税の存在を知らなかったケースです。単純な無知の場合もありますが、相続の発生自体に気がつかないこともあります。

親と連絡を取っておらず、自動的に承認するケースもまれにあります。

こうした事情があれども、相続したら税金を納める義務はあるため注意しなければなりません。

相続の発生を知らなかった場合

相続税の申告には時効があります。相続の発生を知らなかった場合、消滅時効は5年間です。

時効の記事に関しては、こちらで詳しく紹介しているため参考にしてください。

とはいえ、時効で消滅する前に税務署から連絡が入ります。税務署は特殊な端末で税情報を管理しているため、基本的に逃れるのは不可能です。

なお相続税を納める時期は、被相続人が亡くなってから10カ月以内とされています。

亡くなった事実を知らなかった場合、この期間は延長可能です。正直に理由を説明し、対処法を検討する必要があります。

相続税の対象と知らなかった場合

相続を受けても、その財産が相続税の対象と知らなかったときにも申告漏れが起こり得ます。

よくあるパターンが土地や建物を相続した場合です。相続税の規定では、不動産は特殊な計算式で金額を算定します。

宅地(建物の敷地に使う土地)の財産を算定する方法は以下の2つです。

  • 路線価方式
  • 倍率方式

どちらを採用するかは、地域の特徴を鑑みて決められます。相続人が自由に選べるものではありません。

一般的に市街地は路線価方式郊外や農村部では倍率方式が使われます。

一方で、建物は自用家屋と貸家で計算が異なります。これらの詳しい話は別の記事にまとめましょう。完成次第、リンクを貼りたいと思います。

不動産を相続した場合、自分で換金しなければお金にはなりません。中には親族から受け継いだ土地で暮らす人も少なからずいるはずです。

とはいえ、仮に換金しなくとも財産を相続した時点で税金が発生します。申告漏れのないよう気をつけてください。

所得隠しで納めない人も

相続では、一気に多額の財産が手に入ることもあります。そこで魔が差してしまう人も一定数いるのでしょう。

所得隠しのために、相続税をあえて申告しないケースがたびたび起こります。ただし、税務署はこうした悪事を決して逃しません。

まれにバレない人もいるかもしれませんが、基本的には情報を握っていると思った方が賢明です。誠実かつ正確に手続きを済ませてください。

 

申告漏れが起こす問題

相続税で申告漏れすると、税金上でさまざまな問題を引き起こす危険性もあります。

結果的に余分な税金を支払うかもしれません。申告漏れのリスクを2つ紹介します。

延滞日数ごとに増える延滞税

申告漏れで納税が遅れてしまうと、延滞税を追加で支払わなければなりません。

延滞税の計算式は次のとおりです。
「納税額×延滞利率×延滞日数÷365日」

延滞利率は次のように設定されます。

  • 納付期限より2ヶ月以内…7.3%か「公定歩合+1%」の低い方
  • 納付期限より2ヶ月後…14.6%か「特例基準割合+1%+7.3%」の低い方

例えば、納税額が100万円と仮定し、特例基準割合が0.4%(令和4年の割合)とします。延滞日数は73日遅れました。

このときの計算式は「(100万円×8.7%×73日)÷365日」となり、延滞税の額は17万4,000円です。

ペナルティにあたる加算税

他にも加算税が課されることもあります。加算税の種類は大きく分けて3つです。

  • 過少申告加算税
  • 無申告加算税
  • 重加算税

それぞれの種類を紹介しましょう。

過少申告加算税

過少申告加算税は、申告した納税額が低い場合に課せられる税金です。相続税の計算を間違えた場合に起こる危険があります。

基本的には「追加される税×10%」が計算式です。しかし、追加される税が確定申告額か50万円を超えるときは15%となります。

無申告加算税

無申告加算税とは、相続税の確定申告を一切しなかった人への追徴課税です。上述したとおり、相続税は被相続人が亡くなってから10ヶ月以内が期限です。

相続人や財産の調査、遺産分割協議などを踏まえるとあまり時間がありません。期限内に申告できるよう、計画性を持って取りかかりましょう。

無申告加算税の場合は「納付すべき税額×15%」が基本で、50万円を超える場合は割合が20%になります。

相続は財産が多額になるため、ほぼ20%が適用されると思った方がいいでしょう。

重加算税

重加算税とは、無申告加算税よりも悪質で故意に相続財産を隠したときに発生する追徴課税です。

相続財産を隠し、少なく申告した場合は過少申告加算税に代えて35%の割合が適用されます。

無申告加算税と代わる際の割合は40%です。相続税に加え、多額の追徴課税を負担する可能性もあります。

たかが申告漏れと甘く見てはいけません。特に所得隠しは生活への負担も大きくなるため、絶対に行わないでください。

 

相続税の相談は税理士へ

相続税は複雑な計算も用いる制度です。初心者だけで完璧にこなすのは、極めて難易度が高いといえます。

そのため、相続税の申告については税理士とともに完了させるのをおすすめします。税理士へ依頼するメリットを簡単にまとめましょう。

相続税に得意な税理士探しは「税理士ドットコム」から行えます。自分に合った税理士と契約を結び、確実に相続税を申告してください。

 

書類の作成がスムーズに進む

相続税を申告するときは、さまざまな書類を作成しなければなりません。素人で作ると、ミスが生じるかもしれません。

また、相続税の計算式もいろいろと複雑です。計算ミスにより、追徴課税の対象となったら負担がさらにかかります。

こうした事態を防ぐためにも、税理士に任せた方が得策です。10ヶ月の申告期間でスムーズに書類を作成してもらえます。

非課税枠を正しく使える

相続は多額の財産を扱うため、税額も高くなりやすいのが特徴です。そこで、国は一定の非課税枠を設けています。

  • 遺産の非課税枠
  • 配偶者への相続税額の軽減
  • 未成年者控除
  • 相続時精算課税制度の利用

これらの内容も後日、別記事でまとめます。完成次第リンクを貼りますので、しばらくお待ちください。

税理士に相談すれば、非課税枠の正しい計算をしてもらえます。今後の生活にも関わるため、相続人側からも非課税枠の質問を税理士にするといいでしょう。

遺産分割について相談できる

相続でよく揉めるのが遺産分割協議です。決まらない場合は裁判所の調停に委ねられますが、弁護士をはじめ多くの士業が遺産分割の話し合いに参加できます。

税理士もその仕事ができる職業のひとつです。税理士が担当する分野は、相続税の有利、不利に関する話し合いとなります。

遺産分割によっては、多額の税金がかかる財産を押し付けられるケースも少なくありません。利益をあまり享受できないのに、納税額だけ膨れ上がる危険があります。

税務相談は、税理士資格の持っていない行政書士や司法書士にはできない仕事です。

書類作成のみならず、具体的な話し合いにも参加してもらいましょう。

 

まとめ

今回は、相続税の申告漏れについてまとめました。相続は誰もが経験し得る手続きのひとつです。制度の内容を詳しく調べておいて損はありません。

一方で、相続が行われると多額の財産も動きます。相続税の申告漏れがないよう、慎重に手続きしなければなりません。

相続税の申告は、税理士に相談した上で行うことをおすすめします。