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宿題代行サービスについて!勉強の大切なところ

どーも、やまとのです。

今回は、少し昔に問題視された宿題代行サービスについて書いてみます。

春休みも一定数宿題のある学校が多いようなので、ぜひお子さんに主旨を伝えて欲しいなと思うばかりです。

 

おことわり

前回と同じような形となりましたが、はじめに断らせていただきます。

今回も法律の内容が出てきますが、僕は弁護士ではありません。

あくまで、法律勉強中のオタクとして書いてみますので、細かいところはプロの弁護士の見解を参考にしてください。

ここで1番書きたいのは、宿題を1人でやり遂げることで得られるメリットです。

法律は、主題の補助に使うので、やや法律の見解にも主観が入ってしまうかもしれません。

一応、一般的な見解になるよう気をつけて書きますが。

そこを踏まえた上で、このブログを楽しんでもらえれば幸いです。

 

宿題代行サービスは違法?

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もう7年も前の話になりますが、教育評論家で有名な尾木ママが『宿題代行サービス』についてれっきとした詐欺罪だ!と発言したのが話題となりました。

今は風化しているようにも思えますが、未だ代行サービスを使っている方はゼロではないと思います。

ここで引っかかるのは、宿題代行サービスは違法なの?という疑問でしょう。

これは、僕自身もかつて調べたことがあります。

そして、弁護士資格を目指して法律の勉強に勤しむ今、ようやく何となく理解できました。

いくつかの罪を拾ってみると

では、宿題代行サービスが該当し得る罪についてサラッと並べてみます。

  • 詐欺罪
  • 私文書偽造罪
  • 信用毀損罪・業務妨害

恐らくこの辺が取り上げられるでしょう。

しかし、果たして本当にこれらの罪と照らし、宿題代行サービスに当てはまられるのか?

個別ごとに検証しようかなと思います。

詐欺罪

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まずは詐欺罪ですが、結論からいってこれはある例外がない限り該当しないと思われます。

詐欺罪は刑法246条に規定されています。

「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」

1項のみ書きました。

詐欺罪は他人を騙して財物、つまり金銭等のような財産を受け取った人に課さられる刑罰です。

宿題代行サービスは教師を欺いたとはいえますが、教師から金品等を受領しているわけではなく、あくまで保護者からお金を貰っています。

保護者に対してはきちんとニーズに応えているので、この関係自体にも騙しているような様子は無いですよね。

児童やその保護者も偽った作品を使ってお金儲けをしようとしているわけではありません。

刑法は構成要件該当性といって、行為が規定されている犯罪を形作るものでなければ、罰せられないと考えられています。

尾木ママも揶揄のつもりで言ったんだと思いますが、刑法的にみると宿題代行サービスは詐欺とは基本言い難いのです。

しかし、例えばコンクールで賞を取って、金でできたトロフィーとかをゲットしたら、もしかすると該当するかもしれませんね。

これは、欺いて『物』を手に入れているので。意見はだいぶ分かれるところだと思いますが。

私文書偽造罪

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次に、私文書偽造罪を見ていきましょう。この名前自体初めて聞いたという方もいるかもしれません。

私文書偽造罪は刑法159条に、

「行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、3月以上5年以下の懲役に処する。」

と定められています。(1項のみ記載)

「何書いているか読みたくない!」と思うはずなので、整理してみましょう。

つまり、

  1. (偽物した文書を)使う目的で
  2. 他人の印鑑や署名を利用して
  3. 権利や義務、事実証明を得るために
  4. 文書を偽造

この4つ全てに該当していれば、私文書偽造罪の疑いがかけられます。

では、宿題をこれらの条件に当てはめてみましょう!

まず、1.(偽造した文書を)使う目的。宿題を文書と仮定すれば、これを提出するのでクリアできそうですね。

次に、2.他人の印鑑や署名を利用して。これも、児童の名前を使うのでクリアするでしょう。

3.権利や義務、事実証明を得るために。うーん、ここが難しそうですね。

宿題をしたからといって、児童は特に権利や義務が得られるというわけではありません。

確かに、成績には響くでしょうけど、これだけでは構成要件該当性は弱いと考えます。

もし、仮にコンクールで賞を取った場合は、どうなるんですかね。

例外もあるのかもしれませんが、基本は権利や義務等を得るといった目的が果たされないため、私文書偽造罪にかけるのも難しいと考えるのが一般的です。

信用毀損罪・業務妨害

こちらは、刑法223条に規定されています。

条文がこちらです。

「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」

これは、

  1. 根拠のない情報を流すor他人を欺いて
  2. 信用に傷をつけ、または業務を妨害

した場合に罰せられます。

教師も1人1人の作品を見て、成績をつける作業をします。

全く自分で作っていないことが分かって

  • 成績を付け直した
  • コンクールの記録を修正しなければならなかった

などとイザコザが起こったら、この罪には該当するかもしれません。

調べた限りでは裁判例が無いので何とも言えないんですけどね。

2.のまとめ

長くなってしまったので、この項目をまとめていきます。

宿題代行サービスは、

  • 詐欺罪
  • 私文書偽造罪
  • 信用毀損罪・業務妨害罪

の罪に全く該当しないともいえませんが、有罪となるのは限りなく稀と考えます。

ただ、前例がないので、これから次第では新たな見解が生まれる可能性はあります。

 

大学で見られるコピペ

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さて、宿題代行サービスが罪に問われる確率は極めて低いと、上記でまとめてみました。

次に、大学のレポートで考えていきましょう。これは、小学校の宿題とは捉え方がかなり変わります。

大学の場合は、単位がかかっているからです。この単位には、資格取得のキーとなるものもたくさんあります。

そのため、基本的に単位取得は厳格なものでなければならないのです。

コピペが剽窃にあたり、犯罪に当たるのは周知の事実ですね。著作権法違反となります。

では、誰かが作ったレポートをコピーして提出する方法はどうでしょうか?作った本人さえ許可すればセーフでしょうか?

一般的にはこの事例もアウトです。これぞ、私文書偽造罪の構成要件に該当する恐れがあるからですね。

小学生の宿題代行サービスであれば、権利や義務等の獲得といった条件には該当する可能性は低いかもしれません。

しかし、上述した通り大学の場合は単位がかかっています。

単位は資格という権利を取得する鍵になるので、自分が書いたようにレポートを偽造すれば、罪にあたることも十分あり得ます。

「コピペで済まそう」
「誰かのレポートを写そう」

そう考えている学生の方へ、その考えを今すぐ捨てましょう。あなたのやっていることは、犯罪に当たるかもしれませんよ?

 

宿題を1人でやる意義

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僕自身、宿題が有意義かどうかは、量も踏まえて検討の余地はあると思っています。

しかし、課題というものは、自身が中心となってやるものです。

そう書くのには、ある理由があります。

それは、自分の苦手なものが分かるからです。

僕は絵を描くのがめちゃくちゃ下手くそです。

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(力作:セーラームーン)

こんなエピソードがあります。黒板に友達とアンパンマンのお絵かきをしたことがありました。

全員描き終えて、消しもせずに放置していたら、教室に入ってきた友達が

「1人だけめっちゃ下手なアンパンマンがあるぞ!!」と笑ったんですね。

その友達が指している指は、しっかりと僕のアンパンマンを指していました。

このような話が絶えない僕の絵ですが、センスの欠片もないなと感じたのは、紛れもなく夏休みの絵の宿題でした。

当時祖父が飼っていた犬の絵を描いたら、あまりにも顔がデカすぎて完全なる化け物になってしまったんです。

確かに当時は笑われもしましたが、こういう宿題があったこそ自分をよく知ることができたと思っています。

なぜか苦手なものとピックアップしてしまいましたが、宿題は良い意味、悪い意味のどちらでも自己分析のチャンスでもあるんです。

保護者が手伝う分には良いと考えています。

ただ、これにも条件があって、「作品を完成させるヒントを与える」ということに尽力しましょう。

たまに、数十年越しのリベンジと言わんばかりに、保護者が一から十まで作ってしまうケースがあります。

分かっていると思いますが、こんなことやっても子どもには何にも身につかないですよね。

そして、社会に出たら期限と戦うことが多くなります。宿題は、期限と戦う練習でもあります。

逆算トレーニングにもなりますし、この経験値は今後成長した時に必ず役立つでしょう。

子どもが宿題をサボりまくっているのなら、一度教師に怒られた方が良いんです。そういう経験も長い人生で必ずプラスに働きます。

 

まとめ

さあ、本日は内容が物凄く濃いです。そのうち殆どが推測の域にすぎない話ではありますが、最後にしっかりと整理しましょう。

宿題代行サービスは違法?
→ゼロでは無いけど、有罪となる可能性は著しく低いと考えられる。

大学のコピペは違法?
→構成要件的に考えれば、宿題代行サービスよりかは有罪となる可能性が非常に高い。
→例え、友達の許可を得てコピペをしたとしても、単位という権利を目的に文書偽造しているので、著作権法違反以外にも法に触れることがあると言える。

宿題を自分の力でやる意味は?
→自分を知るため。
→期限と戦うための練習