どーも、ヤマトノです!
今回は超過需要と超過供給におけるグラフの見方を解説します。
以前、需要曲線と供給曲線、均衡価格の内容を紹介しました。
こちらの記事も参考にそれぞれの定義を押さえましょう。
超過需要とは?
超過需要という言葉を初めて聞いた方もいるでしょう。
ミクロ経済学では、頻繁に使われる用語です。
定義とともにグラフでどう表すかを紹介します。
商品が足りていない状態
まず、超過需要を簡単に言い換えると
商品が足りていない状態のことです。
言葉のとおり、超過需要は「需要が超える」と書きます。
具体例を挙げれば、「10名限定の商品が販売される店に100人が押しかける」ような状態です。
90人も商品を買えないことから、このお店は相当商品が不足しています。
超過需要とグラフの関係
では、需要曲線と供給曲線の関係から、超過需要をどう表すか解説します。
モノが足りていない状態では、
需要量>供給量
の関係が成り立っています。
つまり、需要曲線の数量が多い部分を探し出すだけです。
次の図を見てください。
均衡価格の下側では、需要曲線が右側にあります。
つまり、数量(X)において需要の方が大きい状態です。
超過供給とは?
反対に、超過供給の特徴も押さえます。
とはいえ、超過需要が理解できれば難しくはありません。
簡単な理屈も踏まえて紹介しましょう。
売れ残りの状態
超過供給を簡単に説明すると売れ残りです。
企業が生産した量に対して、消費者の買う量が少なかった状態を指しています。
閉店間際のスーパーで数多く並んでいるお惣菜を見たら、超過供給だと押さえておくと理解もしやすいでしょう。
超過供給とグラフの関係
同じく、グラフではどう表されるか確認します。
超過供給は、超過需要とは反対に供給曲線の数量が多い状態です。
そのため、供給曲線が需要曲線よりも右側に来ている部分が該当します。
下記のグラフでいえば、均衡価格の上側が超過供給です。
機械的な暗記でも悪くはありませんが、このあたりは理屈もあわせて押さえておくとベストです。
超過需要と超過供給の直し方
超過需要と超過供給が起こる理由は、消費者と生産者のバランスが保たれていないからです。
こうした状況は、市場の観点からも望ましくありません。
均衡価格に近づけるよう、手を打つ必要があります。
超過需要と超過供給の主な直し方は以下の2点です。
- 価格を調整する
- 数量を調整する
それぞれを詳しく説明しましょう。
価格を調整する
超過需要と超過供給を直す方法として、価格の調整が挙げられます。
スーパーで売れ残っているお惣菜はいずれ破棄しなければなりません。
しかし、何とか買ってもらおうとスーパー側もある工夫をします。
その工夫が、「おつとめ品」として値段を下げることです。
皆さんも買い物で何回か見た経験があるでしょう。
お金に余裕がないときは、あえて閉店間際にスーパーへ行く方もいるはずです。
反対に、超過需要のときは商品を高く売って調整します。
こうして価格で調整する方が、ワルラス的調整です。
数量を調整する
他にも、数量で超過需要や超過供給を調整する方法があります。
本日の商品が売れ残った場合、単純に多く作りすぎた可能性もあるでしょう。
おにぎり100個を作り、30個売れ残ったのなら70個がちょうどいい数です。
そこで、翌日には70個分に抑えて販売すれば超過供給は解消されます。
対して、商品がすぐに完売した場合は次の日に多く作る選択肢もあるはずです。
このように数量でバランスを整える方法はマーシャル的調整と呼ばれます。
市場均衡の安定性
続いて、市場均衡の安定性の話に入ります。
ここでは、超過需要や超過供給が起こった際に、どうやって均衡価格へ収束させるかを導き出す内容です。
「安定」とは、ある方法を採れば均衡状態へ戻る状態を指します。
その方法は、以下の3通りが挙げられます。
- ワルラス的安定
- マーシャル的安定
- くもの巣理論
それぞれのポイントをしっかりと理解しましょう。
ワルラス的安定は下側を確認
まずは、ワルラス的安定について見ていきます。
超過需要や超過供給が発生した際に、「価格」の操作で均衡価格へ戻すことをワルラス的調整過程と説明しました。
ただし、需要曲線と供給曲線の置き方で安定するか否かが決まります。
つまり、グラフによっては均衡価格に戻らなくなるケースもあると押さえてください。
ワルラス的安定が発生する条件は、「均衡価格の『下側』で右に需要曲線がある」場合です。
反対に「均衡価格の『下側』で右に供給曲線がある」ときは不安定な状態です。
図を見た瞬間に判断できるよう覚えておきましょう。
マーシャル的安定は右側を確認
次にマーシャル的安定の確認方法を解説します。
こちらも実に単純で、均衡価格の『右側』を見ましょう。
そこで需要曲線より供給曲線の方が上にあれば「安定」と判断できます。
式で表すと、「S>D」です。
マーシャルの考え方は、数量で調整するものでした。
そのため、均衡価格から左右に見て安定か不安定かを確認します。
くもの巣理論は傾きの絶対値
では、最後にくもの巣理論を見ます。
こちらは、今まで(複数の期間)の数量から均衡価格を導き出す考え方です。
例えば、4日前には100個商品を売って20個余ったとしましょう。
そのため、次の日には80個用意しました。
すると10個分足りなかったので、さらに翌日は90個にします。
このように数をどんどん調整していき、最終的な均衡価格へ数量を収束させる方法がくもの巣理論です。
くもの巣理論で安定するケースは、「供給曲線の傾きの絶対値が需要曲線の傾きの絶対値よりも大きい場合」です。
あくまで考慮するのは「絶対値」であり、+や−の符号は考慮しません。
以下の図であれば、供給曲線の傾きの方が大きいため市場は安定します。
ちなみに、画像を見ても分かるとおり矢印を書いていくと、まるでの巣のように均衡曲線を収束するため「くもの巣理論」と名付けられました。
慣れてくれば機械的に覚えられます!
このあたりは問題文を繰り返し解きましょう。
まとめ
今回は、超過需要と超過供給の定義とグラフとの関係性を紹介しました。
また、簡単にワルラス的調整とマーシャル的調整にも触れています。
このあたりは、市場全体を見る上で非常に重要な内容です。
しっかりと理屈を押さえ、試験に出されても解答できるよう準備しましょう。