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行政書士試験は独学で受かる!勉強スケジュールを作ってみよう

行政書士試験にチャレンジしようと考えているものの、独学で合格できるか悩んでいませんか。自分一人で勉強していると、うまくスケジュールが作れない人もいるでしょう。

この記事では、行政書士試験に3ヶ月間の勉強で合格した筆者が、独学におけるおすすめの勉強スケジュールを紹介します。勉強に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

 

行政書士試験は独学で受かる

結論から言うと、行政書士試験は独学で受かります。筆者も独学で合格した一人でした。

筆者以外を見ても、行政書士試験は全体的に独学で受かっている人が多い印象です。大半がマークして問題を解く方式であり、司法試験や司法書士試験のように論述試験はありません。

短文の記述式問題は出てきますが、こちらは独学で補えます。難易度や出題方法を見ても、そこまで専門的な知識が問われない試験です。したがって頭の良し悪しにかかわらず、試験内容が独学で受かりやすい構造になっています。

ただし注意してほしいのが、行政書士試験は決して簡単な試験ではないことです。独学で勉強する人は、予備校に通っている人よりも環境にハンデがあります。ライバルに勝つためには、より一層対策を講じなければなりません。

 

行政書士試験の勉強スケジュール

行政書士試験のおすすめ勉強スケジュールをまとめた図

ここで筆者が試した行政書士試験の勉強スケジュールを紹介します。しかし筆者の場合は、勉強期間が3ヶ月しかありませんでした。そのまま紹介すると、短期合格を目指す人向けの内容になってしまいます。

そこで半年(6ヶ月間)での合格を目指している人に向けて、ステップごとに期間を延長して考えます。合う合わないは人それぞれですが、スケジュール作成に苦労しているのであれば試してみてください。

【全期間】択一式の勉強

最初の2ヶ月は、問題集を購入してひたすら択一式のみ問題を解きましょう。行政書士試験では300点のうち、択一式が216点(法令科目160点、一般知識56点)、多肢選択式が24点、記述式が60点となっています。

上記を見てもわかるように、一番比重を占めているのは択一式です。極論を言うと、択一式で全問正解すれば行政書士試験に合格できるくらい重要な科目といえます。

初学者は解説を先に読むのもおすすめ

ある程度法律の知識がある人は、いきなり問題を解き始めても構いません。しかし初学者であり、基礎問題を解く自信がないときは「解説から先に読む」ことも方法の一つです。

勘でひたすら解き進めても、勉強のモチベーションはあまり上がらないでしょう。問題を解くには基礎的な知識は必要となるので、最初の1周目は解説から読むことも検討してください。

1科目につき1〜2周を目指す

科目にもよりますが、最初の2ヶ月間で問題集を1〜2周するくらいが望ましいです。中でも行政法と民法は、問題数も多めに設定されます。ほかの科目と比べても、優先的に勉強を進めてください。

憲法は択一式5問と多肢選択1問、商法は択一式のみで5問しか出題されません。憲法は普通に勉強してもいいですが、商法よりは一般知識に力を入れたほうが得策です。

また2024年度の改正により、行政書士法からも出題されるようになりました。2024年は1問だけの出題でしたが、勉強すれば点数を稼げるくらい内容は簡単です。2〜3周とは書いたものの、ペースにこだわらず優先順位をつけて勉強してください。

【4ヶ月間】記述式の練習

2ヶ月間みっちりと択一式の勉強をしたら、次は記述式の練習も取り入れましょう。もちろん択一式の勉強を、完全にストップするわけではありません。択一式も記述式も、同時進行で勉強を進めていきます。

記述式の練習で押さえたいポイントは、解答を必ずノートやルーズリーフなどに書くことです。中には面倒くさがって、書かないで文を覚えようとする人がいます。しかしこの方法では、文を書く能力が身につきにくくなります。

記述式ではキーワードが重要と言われますが、それを押さえるだけでは点数は稼げません。文として成立していなければ、思った以上に点数がもらえないこともあります。

必ず自分で文に起こし、解答例と書き方を見比べてみましょう。記述式の勉強方法については、以下の記事で詳しく紹介しているので併せて参考にしてください。

【残り2ヶ月】多肢選択式の勉強

残り2ヶ月まで差し掛かったら、多肢選択式の勉強を始めましょう。多肢選択式は合計で24点分しか出題されないため、正直そこまで力を入れる必要はありません。10点以下の点数でも、択一式と記述式で十分合格まで持っていけます。

多肢選択式の場合、判例の穴埋め問題が出されるのが一般的です。しかし世の中には山程判例があるため、範囲をしぼるのは極めて難しいでしょう。

こうした特徴もあって、多肢選択式は日本語や法律用語さえ正しく理解すれば、ある程度点数が取れるようになっています。多肢選択式に力を入れるよりは、まず択一式と記述式の勉強期間を増やしましょう。

【スキマ時間】テキストを読む

テキストについては、なるべくスキマ時間に読み進めるのがおすすめです。勉強したばかりの頃は、どうしてもテキストを中心に読んでしまうかもしれません。しかし独学だからこそ、はじめは問題集から入ったほうがいいと考えます。

その理由は、アウトプットを繰り返すことで理解が深まりやすくなるためです。テキストを読み込むのは、基本的にインプット中心の勉強になります。テキストの内容をノートに書いたとしても、ただ写しているだけになりかねません。

また問題集は過去問をベースに作られるため、実際の試験の感覚をつかめます。そのためテキストを勉強の中心に置くのではなく、トイレや電車の中といったスキマ時間で活用したほうが効率的です。

 

勉強スケジュール作りの注意点

勉強にも人それぞれのリズムがあるため、ここで紹介したスケジュールを完全に真似する必要はありません。しかし勉強スケジュールを作るときには、注意点をしっかりと押さえることが大切です。

無理のないスケジュールにする

勉強スケジュール作りで注意してほしいのが、無理のない計画を立てることです。たとえば1日に10時間勉強するのを目安にし、毎日続けるスケジュールにしたとします。

よほどの勉強好きであれば、この計画でも達成できるかもしれません。しかし普通の人は、早い段階で挫折してしまいます。筆者も、このスケジュールではやり遂げられる自信が一切ありません。

特に社会人であれば、仕事や家事と両立する必要があります。休日はある程度時間が取れるかもしれませんが、平日は長くても3時間程度が限界でしょう。モチベーションを保つためにも、現実的なスケジュールを作成してください。

計画どおりに進まなくてOK

計画どおりに勉強を進められたらいいですが、すべてを予定どおりに済ませるのは困難です。疲れている日もありますし、急用が入って勉強できない日も出てきます。

大切なのは、計画どおりに進められなくても落ち込まないことです。前の日に勉強ができなくても、無理に翌日の勉強時間を増やす必要もありません。自分のペースを守りつつ、モチベーションをうまく保たせるようにしましょう。

筆者も大学受験で痛感しましたが、長期間の勉強において焦りは禁物です。一度ペースが乱れると、勉強に対するモチベーションが一気に落ちてしまいます。結果にも悪い影響を受けるので、計画どおりに進まなくても自分を責めないようにしてください。

重要な科目に時間をかける

勉強スケジュールを作るときは、重要な科目に時間をかけたほうが賢明です。行政書士試験で重要な科目といえば、行政法や民法が挙げられます。これらは出題数が多いため、点数をしっかりと稼げれば合格に近づきやすくなります。

一方で商法や基礎法学は、そこまで問題数が多いわけではありません。憲法のように多肢選択式の出題もないので、行政法や民法よりかは力を入れる必要がないでしょう。基本的な部分だけ勉強し、ほかの重要科目に時間を割くのがおすすめです。

 

行政書士試験の独学まとめ

行政書士試験は、ほかの法律科目を使った試験と比べても独学で受かりやすいのが特徴です。しっかりと勉強スケジュールを作りつつ、順調に理解を深めていけば合格に近づけます。

とはいえ、決して簡単な試験ではないことも確かです。合格率も全国平均で10%台と低く、浪人している人も数多くいます。

勉強スケジュール作りも大切ですが、何よりもモチベーションをうまく保たないといけません。合格をつかみ取るためにも、自分に合った勉強スケジュールを模索しましょう。