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民法の代理行為の瑕疵をわかりやすく解説!公務員試験でも超重要!

公務員試験シリーズは
民法の代理』の範囲に入りました。

民法の総則の中でも、さまざまなパターンが想定されるためややこしいと感じる範囲のひとつです。

覚える内容は多いですが、1つずつ整理しなければなりません。

今回は代理行為の瑕疵について書いていきます。

瑕疵の意味も踏まえ、どういったパターンが想定されるかを解説しましょう。

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民法の代理行為の瑕疵

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民法では、契約や法的手続きの手段で代理が活用されます。我々の生活の利便性を高めるうえで不可欠な制度です。

しかし、そんな代理にも『代理行為の瑕疵』が見られる場合もあります。

瑕疵をわかりやすく表現すると「欠陥」と同じ意味です。契約や手続きが、本来は正常になし得ない状態を指します。

よく使われる例が詐欺です。

まずは、代理の内容を簡単に整理したいと思います。

加えて詐欺にもさまざまなパターンがあるので、個別に見ていきましょう。

代理権の基礎

代理行為の瑕疵の前に、まずは代理権の基礎を理解しなければなりません。

前回の記事でも触れましたが、代理とは本人の行為を代わって行うことです。

代理人が本人の行為をするためには、相手方に対して自分が代理人である旨を表示する必要があります。

この行為が
顕名(けんめい)』です。

僕のパソコンだと一発で変換できないくらいマイナーな漢字ですが、基本的な内容なので絶対に覚えておいてください。

顕名がされない代理行為は、相手方がそれについて善意無過失だったら代理人に効果が発動します。

相手方が

  • 代理人が本人のための行為と知っていた
  • もしくは知ることができた

場合は本人に効果は帰属するようになります(悪意または有過失)。

あくまで目的は相手の保護にあるので、

  • 知っていた
  • 知ることができた

場合は通常通りの代理行為が成立するのです。

詐欺(瑕疵)のパターン

続いて、瑕疵にあたる詐欺のパターンを3点紹介します。

  • 相手方が代理人を詐欺
  • 相手方が本人を詐欺
  • 相手の詐欺を本人が知っていた

 

それぞれのパターンによって、法律での対処法が異なるので注意してください。

相手方が代理人を詐欺した

まずは、取り引きの相手方が代理人を騙して契約を交わした事例です。

この場合、代理行為の瑕疵の有無は
代理人を基準に考えられます。

なぜなら、実際に契約を交わしたのは代理人だからです。

代理人が騙されていたのなら、この行為は取り消すことができます。

ちなみに、取り消しを主張できるのは本人です。代理の効果は本人に帰属しますからね。

ゴチャゴチャしやすいですが、落ち着いて整理してください。

相手方が本人を詐欺した

次に相手方が代理人ではなく、本人を騙した場合です。

確かに代理行為の効果は本人のものになります。

とはいえ、契約を結んだ代理人は騙されていません

この時は代理行為の瑕疵をもって、取り消すことができるのでしょうか?

正解は「×」です。

その理由は、代理行為の瑕疵には代理人を基準に考えられるという原則があるからです。

代理人が詐欺の被害に遭っていなければ、行為を取り消すことができません。

公務員試験でも引っ掛け問題に出されやすいポイントです。

相手方の詐欺を本人が知っていた

では、

  • 代理人が相手の詐欺に気付かず
  • 本人はその事実を知っていた

という場合はどうなるのでしょうか?

これも民法第101条3項に記載されています。

取り引きにおける代理行為の瑕疵を本人が把握していたら、代理人の善意を利用して取り消すのはNGです。

基準は代理人にありますが、わざわざ事実を知っている本人を保護する必要もありません。

民法は取引の公平を優先的に考慮しているので、こういった悪意は保護されにくくなります。

 

 

代理人の行為能力

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最後に代理人の行為能力に焦点を当ててまとめていきましょう。

もし、仮に代理人が制限行為能力者だった場合を想定します。

通常であれば、制限行為能力者と取り引きしたら効果を取り消すことが可能です。

法定代理人が「ちょっと待てぃ!」と飛んで出てきてバッサリ契約を切るか、Goサインを出すかの判断をします。

しかし、代理人が制限行為能力者の場合、取り消しすることができません。

それは、わざわざ代理人の役職に制限行為能力者を任命させる本人に責任があるからです。

本人が制限行為能力者を使命しなければいい話なので、原則は取り消しができないようになっています。

ただ、勘が鋭い方はお気づきだと思いますが、代理人を本人が選ぶのは任意代理人のときのみです。

法定代理人は民法のシステム上自動的に決められるため、

中には、制限行為能力者の法定代理人を制限行為能力者が務めるという場合も起こり得ます。

そのときには取り消し不可の免除が働きます。

何度か以前の記事に戻りつつ、法定代理人と任意代理人の違いを押さえましょう。

つまり、制限行為能力者の法定代理人を制限行為能力者が務めてした行為は、取り消しも認められています。

公務員試験の受験予定者の中には、今の仕事を辞められずに困っている方もいるはずです。

退職代行も、民法に規定される代理行為と同じ概念になります。

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まとめ

今回は、民法で触れられる代理行為の瑕疵についてまとめてみました。

定義と行為の取り消しが可能かどうかを整理することが大切です。

特に悪意の場合は、誰が瑕疵の存在を知っていたかで判断してください。

契約の当事者である「代理人」を基準に考えられるのが基本です。

代理行為の瑕疵の態様をおさらいし、公務員試験に生かしていきましょう!

ご覧いただき、ありがとうございました!